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シスコンの兄、ブラコンの妹、学園に通う!?~国王に協調性を身に付けろとか言われて学園に通うことになりました~

白い彼岸花

5話

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 千冬様は、しばらくその光景を呆然と見ていた後、何が起こっているのかを理解したのか、いきなり声を荒あげ、スパイダーのもとへと駆けだした。

「応えろ。アルシエル!」

 千冬様がそう叫ぶと、アルシエルが、まるで主の声に応えるように淡く光輝いた。

「お兄ちゃん、あれ……。」
大丈夫なの?と、そう問う紫苑に、俺は頭を撫でて
「大丈夫だ。伊達に英雄と呼ばれていない、か。」
と、そう呟き微笑んだ。

 そのまま、紫苑と戦況を見守る。

まず、千冬様はスパイダーの足を斬った。
その場所から、鮮やかな血が吹き出した。

 食事の邪魔をされたのが癪に障ったのか、スパイダーは初めて千冬様に向き合った。
 そして、斬られた足とは別の足を千冬様に振りおろした。

千冬様は、その攻撃を華麗に避け、その足を切断。

「ギュアアアアアア!!!」

 スパイダーが再び足を斬られた痛みと怒りで声にならない叫び声をあげる。

 叫び終わると、足での攻撃は通用しないと思ったのか、今度は尻から糸を出して千冬様へと襲い掛かった。

 その糸が、不運にもアルシエルに絡み付いた。
しかし、千冬様は慌てるようすもなく、ただ一言「風を纏え、アルシエル。」と、そう言った。

 すると、アルシエルの周りに渦を巻くようにして風が集まる。

 その風が、アルシエルに絡み付いた糸を、綺麗に取り払っていく。

 そして、そのまま、千冬様はスパイダーに突っ込み、体を半分に切り裂いた。

ーードサッ。という重い音と共に、スパイダーの体が地へ倒れた。

千冬様の圧勝だった。

スパイダーの血が噴水のように溢れ散る。

「なあ紫苑。紫苑なら、どのくらいであいつを倒せる?」

「多分、三分くらい?……お兄ちゃんと一緒だと、一分かかるか、かからないかぐらいだと思う。」

紫苑は、そう結論付ける。

ーーあいつ、と言うのはスパイダーではなく、千冬様のことだ。

 紫苑は三分くらいと言っていたが、本気を出せばきっと二分で決着がつく。

 相手の力量がまだ完全に把握できた訳ではないから『三分くらい』なのだろう。

「うわっ!なんだ!?」

 いきなり、千冬様の驚いたかの様な声が聞こえた。

 千冬様に振り替えると、そこにはさっき倒したはずのスパイダーから、沢山の他のスパイダーが飛び出してきていた。

ーーこいつ、まさか母体か!

スパイダーの中には一部、卵を口のなかにいれて持ち運ぶスパイダーがいる。

 衝撃が加わったせいで、卵が割れて、中から何匹ものスパイダーの赤ちゃんが出て来たのだろう。

やはり、普通のスパイダーの赤ちゃんよりもはるかに大きい。

その一体一体が散らばるように逃げようとしている。

 このまま逃がしてしまえば、大量の木や動物達、最悪な場合、狩りに来た人間達に被害が及ぶことになる。

 千冬様のアルシエルの力を使ったとしても、このたくさんいるスパイダーの半分を倒すのがやっとだろう。

「仕方がない。仕事の時間だ、紫苑。」

面倒だがやるしかない、か。

「ん……。りょーかい。」

紫苑も仕方がなさそうに渋々腰をあげる。

 まぁ、確かにこのチームには貢献する必要がないわけでもないし。

これ以上あの老人どもの機嫌を悪くする方がもっと面倒そうだし。

良い機会だろう。

ーーそう、思うことにした。

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