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シスコンの兄、ブラコンの妹、学園に通う!?~国王に協調性を身に付けろとか言われて学園に通うことになりました~

白い彼岸花

4話


 橘千冬(たちばな ちふゆ)は、生まれた瞬間から聖剣アルシエルに認められた少女だった。

 聖剣アルシエルは、昔、この地に降り立ったとされる天使が作った剣で、アルシエルが主と認められた者にしかその剣を振るうことはできない。

 そして、橘家ではここ数百年の間、アルシエルに認められた者は誰一人として居なかった。

 生まれた瞬間からアルシエルに認められたその少女は、周りの大人からは、神に愛されて生まれた子供だと、期待されて育った。

少女は大人の期待に何度も応えてきた。
でも、少女はその期待に応えるために、人の何倍もの努力を重ねた。

 例え、自分の重ねてきた努力の全てが、結果が、聖剣アルシエルに認められたのだから当たり前のことだ。と大人達が評価しているのを知っていたとしても……。


 少女は齢(よわい)十四でアルシエルの力を引き出すことに成功し、騎士団からは、れっきとした聖騎士に認定された。

 そして、二年前には、任務の帰り、偶然通りかかった村でモンスターに襲われていた娘を助け、その娘が国王の娘だったこともあり、『英雄』と呼ばれるまでになった。

 いつも単独で任務へ向かっていた。しかし、今回は森でモンスターも多く、それらが凶暴だということもあり、少女を部隊長とする小さな部隊で任務へ向かった。

 その部隊には、先週、村人よりも建物を守った。と、国王達に言われていた兄妹も参加していた。
少女はどうしても、その兄妹を受け入れることができなかった。

 だから、不覚にも、本人達に「お前達のような外道の力は一切借りない。」と、そう言ってしまった。

 機嫌を損ねてしまっただろうかと思っていると、その兄妹はすれ違い様、兄のほう(たしか、咲夜といっただろうか……。)がニッコリと微笑んで「構わないぜ。英雄様。」と、それだけを言い残し、妹と手を繋いで帰っていった。

ーーただただ、少女の脳裏には、あの男の胡散臭い笑顔がこびりついていた。

 少し後悔しながらも、 あんな兄妹がいなくても、自分がいれば、誰も死なないだろうと、そう思った。

 しかし、戦いに出てみると、自分がいかに傲慢だったのかが分かった。

ーーいや、分かってしまった。

 ここに来るまでに、五十人いた兵は、二十七人も失ってしまった。

 もう誰も死なせたくないと思い、苦手なあの兄妹に、戦いに参加するようにも頼みに行った。

 なのに今、自分の目の前で起こっている光景はなんだろうか。

例の兄妹と話しているなか、悲鳴が聞こえて駆け寄ってみたら、そこには大きなスパイダーがいた。

 そいつが、何をしているのか理解ができなかった。

 理解するのに数分はかかってしまった。いや、理解したくなかっただけかもしれない。何故なら本来なら、そんなに時間はかからずに理解できたはずなのだから……。

 そいつは、騎士団員を食べていた。

そのことが、現実だとわかった瞬間、頭に血が上るのがわかった。

……もう、どうしようもなかった。……

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

無意識に、少女は、聖剣アルシエルを抜き、駆け出していた。

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