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シスコンの兄、ブラコンの妹、学園に通う!?~国王に協調性を身に付けろとか言われて学園に通うことになりました~

白い彼岸花

1話

 「弱いから死んだんだよ。」
無邪気な笑顔と共にそう告げられる。

 そいつの足元には両親の無惨な死体が転がっていた。

 手も足もでなかった。

脚が動かない。呼吸が上手く出来なくて苦しい。

 思考が停止する。
死の恐怖が俺を襲う。

 それでも、ただ一つ分かっていることは、手の中にいるこいつを守ることぐらい。

 「僕たちの準備が出来るまでその子は君に預けておくよ。それまでせいぜい頑張って生きてね。」

そいつはそう言うと不気味に嗤い、その場から立ち去った。

 そのとき俺は誓ったんだ。
強くなろうって。強くなって、今、俺の手の中にいるこいつを守るって。そう、自分自身に誓ったんだ。

                                                     ■

 今日は晴れていて天気が良いい。

「ウギァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!!!!!」

たまにモンスターの声が聞こえてきても、ピクニックには、もってこいの日だ。

「お兄ちゃん。お弁当……食べる?」

紫苑は風呂敷に包まれた四角い箱の中身を取り出し、俺の口へ差し出してきた。

「そっちにモンスターがいったぞ!斬りかかれ!!」

 紫苑の声に紛れ、何やら聞こえた気もしたが無視をした。
 
紫苑は俺の妹で、美しい白い髪と燃えるような綺麗な赤い瞳を持っている。俺の愛する、可愛い自慢の(嫌、もう俺の誇りとすら言っていい)妹だ。

「うわぁぁぁ!助けてくれぇ!!」

 今度は悲鳴が聞こえてくる。が、妹とのこの時間を邪魔されたくなかったために再度無視をする。

冷酷な人間?知るかっ。何とでも言え。そもそも、妹との時間を邪魔する方が悪い。

「美味しい?お兄ちゃん。」

「ああ。美味しい。愛する妹が作った弁当が不味いはずがない。」

 俺がきっぱりそう言うと紫苑は、嬉しい、と微笑んだ。

可愛すぎると思う。俺は萌え死んだ。

 こうして妹と外で弁当を食べていると日頃の疲れが取れるように感じる。

 やはり、妹は最強だ。

「お前達は、こんなときに何をのんきに弁当なんかを食っている!!」


 俺が紫苑の作ってくれた弁当を、しっかりと、味わって、食べていると今度は怒鳴り声が聞こえた。が、俺は先程のように華麗な無視(スルー)を決めた。

「おい!聞こえているのなら返事くらいしろ!!」

 そう言ってそいつは俺の肩を掴む。
その時だ。

「ねぇ、私のお兄ちゃんに……気安く触らないで。」

紫苑の鋭い視線と怒気を含んだ声がそいつを捕らえた。

顔こそは無表情だが確かに眼が紫苑の怒りを物語っている。

普通ならこれだけで相手は怯え、去っていく。

 しかし、こいつはそれができない。

何故なら、こいつは俺達の部隊のリーダー、千冬様だからだ。

 千冬様は国王の娘を救った英雄で、今ここを引けば部下たちからの信頼も何もかもを失う。

だから引きたくても引けない。
英雄様というのも大変だな。

 俺は制すように紫苑の頭を撫でると今度はしっかりと相手に向き直った。

「何のようだ?英雄様。」

「お前達は何のためにここにいるのか分かっているのか!?」

千冬様は怒ったように俺達に問いかけた。
というか、怒っていた。

「いや、正直言うと何で俺らがここにいるのか、さっぱり分かんないんだよな。」

「なっ!お前達は自分の信頼を取り戻すために、ここにいるのだろう!」

 英雄様が言っているのは一週間前に俺らがモンスターを倒しに行った村での話だろう。

なんせ、あの時、俺達は村人の命よりも村の建物を優先して守ったのだから……。

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