異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

34,戦闘開始〜風香〜

ほんとリンリンってば凄いよね
この世界に来るまでは絶対に思いつかなかっただろうし
なによりそれを普通に言うんだもの
容易く言われるえげつない行為だよ

多分今の私なら普通に飛び降りても簡単に着地は出来ると思う
でも、私には翼があるんだよね〜
鳩みたいに着地が出来たら多分空も飛べるはず
それじゃあやってみよう!

背中に意識を集中して翼を出す
翼を出すと背中の気配も感じ取れるようになって実質私に死角が無くなるんだよね
戦う時はこのスタイルがいいのかも?
そして自分の意思で翼が動かせるのを確認して飛び込む!

「あははっ、飛べる飛べる〜」

飛び方も何となく分かってきたよ
武術とは己が身を守るために
そして、誰かを助けるために使うものだ
リンリンの道場で先生に教えて貰った言葉を思い出す
そしてゴブリンに襲われそうな女の子の前に着地する

「もう大丈夫だよ」
「へっ、あ、ありがとうございます」

見たところ杖も持ってるし魔法使いなのかな?
驚いたあとペコペコ頭を下げてきた

「ここは大丈夫、仲間を助けてあげて」
「本当にありがとうございます」

もう一度頭を下げたあと走って馬車の方へ向かった
さてと、弱いものいじめする悪いやつは…?
ゴブリンとワンワンだね!

「ハウンドだ!ノーマルタイプなら力はそれほどないがすばしっこい動きに注意しろ!」

犬はハウンドなんたね
この拳は守る為の拳…
ここで倒さなきゃリンリンや皆がが怪我するかもしれない…
だからやるしかない
生きるために戦うんだ

自分に言い聞かせるように心の中でつぶやく
迷いを振り払うように首を横に振って拳を構える

ゴブリンが振る棍棒を両手でパシッと受け止める
慌てて引き抜こうとゴブリンが棍棒を引き抜こうとするけれど微動だにしない
この世界に来てからとんでもない力が出るようになったんだよね
種族ってやつのせいなのかな?

難しい事を考えるのは後で!
ゴブリンが思いっきり棍棒を引き抜こうと力を込めた瞬間に私は手を離す
いきなり棍棒が引っこ抜けゴブリンは後に飛ぶように倒れた

倒れたゴブリンに近づこうとした所に別のゴブリンが攻撃してくる
それも同じく両手で受け取る
その瞬間に後ろから何かの気配を感じ咄嗟に横に回避する

起き上がり際にチラッと見てみると犬…ハウンドだっけ?
その姿が見えた
確かにすばしっこくて危ないね

一旦落ち着いて周りを見てみよう
ゴブリンが二匹にハウンドが1匹かな
う〜…
1VS3だよう…

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