異世界に召喚されて魔族になりました

ルルーチルニド

15,祭りの夜

ケアラは傾き地球で言うと夜中の10時くらいかしらね
私達が居た王国、レイス王国へと太い川が流れる
その川の近くに森もあったのでそこで野宿しようという話になった

「飯は俺たちに任せてください!」

エルフ達が狩りをしてくれるみたいね

「おいおい、お得意の弓もなしでどう獲物を獲るんだよ。ちょいと待ちな」

ドワーフ達が近くの木の枝を折りどこに持っていたのか布をくくりつけて弓を作った
続けて木の枝を石を使い鋭く尖らせて矢も作る

「ほらよ、雑で悪いが弓と矢だ。獲物は頼んだ」
「ドワーフの癖にやるじゃん、全員腹いっぱいにさせてやるよ!」

あれ…?小説とかではエルフとドワーフって仲が悪いとかって…?
まあ…良いか

エルフ達が獲物を狩ってくる間に私達は簡易キャンプの様に川辺に集まり食事の準備をする

若手の元奴隷達が率先して
火を起こし水を汲み石を叩き包丁の様な物を用意する
ある者は大きな葉を森から持ってきて綺麗に洗っている
お皿にするのかしらね?

エルフ達は20分程度で戻ってきた
数人かかりで運ぶ巨大イノシシのような動物を数匹連れて
それから木の枝とかで作られたカゴに山盛りの山菜も大量にある

「すっっげぇ!!」「いい腕してるじゃねぇか!!」

称賛の声が一斉にエルフ達に向けられる
本当に凄いわね
流石は森に住む者たちね

早速、数人がかりで巨大イノシシを囲み石製包丁で捌いていく
捌いた肉は川で綺麗に洗い、加熱していた石の上に起き
焼く

石の上に置いたそばから溢れんばかりの脂が滲み出てくる
焼き目が付く前に森から採ってきた物を小さく刻んでふりかけた
ハーブか何かかしらねいい匂いがする

両面をしっかりと焼き、大きな歯の上に置いて肉の近くに採れた野菜を並べる
かなり美味しそうだわ

「ほら!肉が焼けたぜ!早い者勝ちだ!!」
「ヒュー、待ってました!」「私が1番!」「俺も俺も!!」

私も頂こうかしらね
んむっ、美味しい…
噛めば噛むほど肉汁が溢れ出てくるし
肉の臭みなどはハーブでいい感じに消している
野宿のご飯としては最高級かしらね

「リンリンこれ美味しいね!」
「ええ、美味しいわね」
「皆、お祭りみたいに騒いでるね」
「奴隷から解放されたんだもの、騒ぎたくもなるんじゃないかしら」
「ありがとうね、リンリン♪」
「せっかく異世界に来たんだから、楽しみたいじゃない?」
「だね〜、明日から色々な所に行きたいね」
「ええ」

祭り騒ぎの火も消え、もう何人かは寝ている
やっと夜らしい静寂が訪れたわ
見張りは無く、罠師のトラップスキルで近くに何者かが来たら音が鳴る罠をあちこちに設置してある

さてと、これからどうしようかしらね
まあ、私と風香は一緒に行動するでしょうし
その拠点と言うか家が必要かしらね
お金を稼がないといけないわね

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