婚約破棄されたら100年経ってた
ある日閉じ込められた!
「う、うぅん······」
目が覚めたら真っ暗闇の中にいた。
「ど、どこ此処······」
確か私は自宅のベッドで寝ていた筈······。
明日は私の結婚式で緊張して寝れないから婚約者様が注いでくれたワインを一口飲んだら急に眠くなったのよね。
それがなんでこんな事になったんだろう。
私は手でペタペタと確認する。
どうやら石の棺の中みたい冷たい。
一応、体を動かせるぐらいのスペースはある。
「誰か~っ!! 閉じ込められてるのーっ!!」
声を出しても反応なし。
叩いてみても石だからビクともしない。
(もしかして、閉じ込められた? 死ぬまでこのまま?)
私、リアーム・デリセアは絶望的な気分になった。
私は公爵家の長女として生まれて幼い頃にこの国の王太子であるセリオン・ヒッシュ様と婚約した。
以来、王妃教育を受け将来の王妃になる様に努力していよいよ結婚式、というのに……。
(なんでこうなったのかしら? 私を王妃にしたくない輩がいるのかしら?)
そりゃあ王族に嫁げたら人生は安泰だろう。
でもその分、敵は多い。
学生時代はそりゃあ色々嫌がらせを受けてきた。
悪い噂を流されたり机に落書きされたり私物を盗まれたり……。
そんな事があってもセリオン殿下が慰めてくれたから頑張って来れた。
乗り越えられた、と思ったら最後に実力行使に出てきましたか……。
多分、このまま私死んじゃうんだろうなぁ……。
なんかすでに諦めの境地に達している。
(きっと、今頃騒いでいるんだろうなぁ……)
折角育ててくれたのに申し訳ないと思う。
お父様お母様、先立つ不孝をお許しください……。
そう思っていたんだけど『あれ?』って思った。
今現在、密封状態で空気は無いはずなのに、私の意識はまだある。
しかも、食べてないのにお腹は空かないし体力はまだある。
ずっと暗いのでどれくらい時間が過ぎたのかさっぱりわからない。
それでも蓋はビクともしないけどね。
(この棺ってもしかして普通じゃないのかしら?)
最初は混乱していたけど時間が経つにつれて冷静になってきた。
特に何もやる事は無いので頭の中で整理をしてみる。
この棺が特殊な物だとしたらそれを持っているのは王族だろう。
つまり私を閉じ込めたのは王族関係者という事になる。
じゃあ、誰が閉じ込めたのか?
(考えたくはないけど……、一番の容疑者は第1王女のエレーゼ様よね、セリオン様と仲いいし、たまに異性を見る目で見てたのよね)
うん、敵は身近にいたかぁ……。
身近で言えば私の妹も怪しい。
あの子は私の物を欲しがるタイプでセリオン様にもアタックしていたみたいだから……。
何かショックだなぁ、良い付き合いはしてきた筈なんだけど。
ちょっと泣きそうになっている。
しかし、このままずっと意識があるのも考え物だ。
何度か蓋を叩いたりしているけど動く様子もない。
(これが特殊な物だとすればもしかして魔術がしてあるんじゃないかしら?)
私が婚約者に選ばれた理由として高い魔力がある。
(試しにやってみよう)
私は蓋に魔力を込めてみた。
するとビクともしなかった蓋がズズズと動き始めた。
だんだんと光が入ってくる。
「ま、眩しい……」
蓋が完全に開き私は久しぶりの光に目を細めた。
段々と慣れてきて風景が見えてきた。
「えっ……、何処此処?」
私の目に飛び込んできたのは何やら部屋だったみたいな所だったんだけど天井は穴が開いていて青空が見えている。
「こんな所、お城にあったかしら……」
私は起き上がり棺から出た。
体の感覚を確かめて歩き始めた。
まずは外の様子を確かめないと、城の中だったら町が見えるはず……。
「えっ……?」
絶句した。
外には町は無かった。
いや、正確に言えば町だった物があった。
つまりは廃墟だ。
しかも、草とかが多い茂っていて明らかにかなり昔に滅んだ状態だ。
ちょっと待て、私数時間とか1週間ぐらいだと思っていたけど……、
何年、いや何十年閉じ込められていたの?
目が覚めたら真っ暗闇の中にいた。
「ど、どこ此処······」
確か私は自宅のベッドで寝ていた筈······。
明日は私の結婚式で緊張して寝れないから婚約者様が注いでくれたワインを一口飲んだら急に眠くなったのよね。
それがなんでこんな事になったんだろう。
私は手でペタペタと確認する。
どうやら石の棺の中みたい冷たい。
一応、体を動かせるぐらいのスペースはある。
「誰か~っ!! 閉じ込められてるのーっ!!」
声を出しても反応なし。
叩いてみても石だからビクともしない。
(もしかして、閉じ込められた? 死ぬまでこのまま?)
私、リアーム・デリセアは絶望的な気分になった。
私は公爵家の長女として生まれて幼い頃にこの国の王太子であるセリオン・ヒッシュ様と婚約した。
以来、王妃教育を受け将来の王妃になる様に努力していよいよ結婚式、というのに……。
(なんでこうなったのかしら? 私を王妃にしたくない輩がいるのかしら?)
そりゃあ王族に嫁げたら人生は安泰だろう。
でもその分、敵は多い。
学生時代はそりゃあ色々嫌がらせを受けてきた。
悪い噂を流されたり机に落書きされたり私物を盗まれたり……。
そんな事があってもセリオン殿下が慰めてくれたから頑張って来れた。
乗り越えられた、と思ったら最後に実力行使に出てきましたか……。
多分、このまま私死んじゃうんだろうなぁ……。
なんかすでに諦めの境地に達している。
(きっと、今頃騒いでいるんだろうなぁ……)
折角育ててくれたのに申し訳ないと思う。
お父様お母様、先立つ不孝をお許しください……。
そう思っていたんだけど『あれ?』って思った。
今現在、密封状態で空気は無いはずなのに、私の意識はまだある。
しかも、食べてないのにお腹は空かないし体力はまだある。
ずっと暗いのでどれくらい時間が過ぎたのかさっぱりわからない。
それでも蓋はビクともしないけどね。
(この棺ってもしかして普通じゃないのかしら?)
最初は混乱していたけど時間が経つにつれて冷静になってきた。
特に何もやる事は無いので頭の中で整理をしてみる。
この棺が特殊な物だとしたらそれを持っているのは王族だろう。
つまり私を閉じ込めたのは王族関係者という事になる。
じゃあ、誰が閉じ込めたのか?
(考えたくはないけど……、一番の容疑者は第1王女のエレーゼ様よね、セリオン様と仲いいし、たまに異性を見る目で見てたのよね)
うん、敵は身近にいたかぁ……。
身近で言えば私の妹も怪しい。
あの子は私の物を欲しがるタイプでセリオン様にもアタックしていたみたいだから……。
何かショックだなぁ、良い付き合いはしてきた筈なんだけど。
ちょっと泣きそうになっている。
しかし、このままずっと意識があるのも考え物だ。
何度か蓋を叩いたりしているけど動く様子もない。
(これが特殊な物だとすればもしかして魔術がしてあるんじゃないかしら?)
私が婚約者に選ばれた理由として高い魔力がある。
(試しにやってみよう)
私は蓋に魔力を込めてみた。
するとビクともしなかった蓋がズズズと動き始めた。
だんだんと光が入ってくる。
「ま、眩しい……」
蓋が完全に開き私は久しぶりの光に目を細めた。
段々と慣れてきて風景が見えてきた。
「えっ……、何処此処?」
私の目に飛び込んできたのは何やら部屋だったみたいな所だったんだけど天井は穴が開いていて青空が見えている。
「こんな所、お城にあったかしら……」
私は起き上がり棺から出た。
体の感覚を確かめて歩き始めた。
まずは外の様子を確かめないと、城の中だったら町が見えるはず……。
「えっ……?」
絶句した。
外には町は無かった。
いや、正確に言えば町だった物があった。
つまりは廃墟だ。
しかも、草とかが多い茂っていて明らかにかなり昔に滅んだ状態だ。
ちょっと待て、私数時間とか1週間ぐらいだと思っていたけど……、
何年、いや何十年閉じ込められていたの?
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