そこら中に溢れているドラマみたいなリアルな話

黎二

理想の女性

その後リンとは会えなくなっていた




もしかしたら会えるのではと、暇が有れば店に赴くようになっていた。

「いらっしゃいー」

「いらっしゃいませー」

「ケイちゃん、いつもので良いかな?」

「うん」

「ケイ いらっしゃい」

「うん」

「どうしたの元気ないね」

「そう?そんな事ないよ。」

「そう?なら良いけど あそうだ何か歌ってよ」

といつもの感じでカラオケ歌わされるのであった。

「やっぱ上手いねー、リンちゃん居ないとやっぱ寂しい?」

「そんな事ないけどねー」

たわいもない会話をしつつ忘れる為に次の恋を
探していたのだった。

「この後暇?どっか行かない?」

「良いけど何処に行くの?」

「どっか終わったら〇〇で待ってるよ。まあうんとか言っときながら来ないんだろうけど。」

「行くよ?ちゃんと」

「じゃあ待ってるねー」

こうしてアヤが来るまで待つのであった。

数時間後アヤが来たのだ。

「お待たせー。」
スポーツカーから降りてきたのだ。

「凄いね?」

「何が?」

「いあ女性がスポーツカーって凄いカッコいいなと」

「褒めても何も出ないぞ? それより何処に行く?」

「ホテル行かない?」

「良いよ」

意外な返答だったリンの事は勿論なんでも店に行けばアヤに話していたからだ。
今思えばアヤの優しさだったのかも知れない。

「あ でも飲み代でもう金ないわ」

「じゃあ駄目じゃん」

「ごめん」

「良いよ、どっかで話しよか?」

「そうだね」

そうして車の中で年齢アヤより下な事とか
店では言えないリノとの出来事とか
色々2人で語って相槌を打ちながらアヤはずっと聞いていてくれたのだった

友達になる為の行為は逆かもしれないが、
初めて出来た女性友達となっていった。

それからお互いの電話番号交換して。

お店に行く回数は減ったが、
お互い電話で俺の家族の事とかアヤの家族とか愚痴や彼氏の事、好きな子は居ないのか?
リンはどうなったとか
お互いに言い合い。
アヤは俺に対してはツンは使わず、
めちゃくちゃ弟の様にめちゃくちゃ可愛がってくれたのだ 
いつしか俺はアヤの事が一番好きになって行ったのであった。
その時にアヤの病気とかも色々教えてもらったった
彼女は白血病で怪我をしたら血が固まらない事、
本人にとってはあまり気にしてないみたいだが、
打ち明けてくれたのだ。

ある日の事


「今日はどうしたの?元気ないねー?」

「仕事でちょっとミスしてさ、それで声聞きたくなって」

「大丈夫、私はどんな事有ってもケイの味方だよ、お互い結婚しないで1人ものだったら、結婚しようね。」

「それ良いね。俺もアヤの味方、どんな事有ってもアヤの為なら何でもするよ、もし俺が事故とかで死んでも、使えるもの有れば、全部あげる」

「私も死んで、ケイが何処か悪い所有れば全部あげる。」

そう言う事を言ってくれた人居なかったからと言えばそうなのかも知れないが、ますますアヤの事好きになり、付き合ってもないし、ただの友達だけど心何処かでこの関係壊したくないと、思ってしまっていたのであった。

「そう言えば誕生日近いよね?
何か欲しいもの無いの?」

「いいよいいよ無理しないで、そう思ってくれるだけで十分だから」

「いあ、俺が祝いたいからプレゼントする
何でも良い?」

「無理しなくていいのに、良いよ何でも」

「分かった、楽しみにしていてね。」

必死にアヤが喜びそうで似合うものを必死に探した。そこら辺の女性が付けてるものはイマイチ ピンと来ず、探しまくったら。
誰も付けてなくて珍しい物で俺が買えそうな物が売っていた。少し値は高かったが好きな人の誕生日心の底から祝ってあげたかったのだ。

「今度ご飯食べに行かない?ラーメン好きだって言ってたよね?ちょっと遠いけど」

「良いよ行こー」

「明後日でどうかな?」

「良いよー」


そのお店と言うのがいつのまにか、内縁の夫と同棲していたうちの母親の店、恨みは無かったかと言えば嘘にはなるが、親に紹介したいと思った初めての女性だった。

明後日

「待った?」

「全然待ってないよ。」

「じゃあ行こうかー」

今住んでいる家から1時間の場所にその店は有る

ケイ「じつはアヤには少し話したと思うけどうちの母親ラーメン屋やっててそこ上手いので有名だから連れて行こうと思ったんだ、嫌かな?
嫌なら他の所にするし。」

アヤ「全然良いよ、どんなお母さんだか見てみたいし」

1時間後

「着いたねそこのお店だね」

「じゃあ入ろっか」

「いらっしゃいませー」

「こんばんは初めて来てみたよ」

「こんばんは初めまして、ケイさんと仲良くさせてもらってます」

「・・・・・あんたら何食べるの?ウチは醤油と味噌しかないから何方か選んで。」

無愛想な感じで俺達に何も言うこともなく接客をする2人

「じゃあ俺は味噌」

「私も同じで」

2人での会話を聞き耳立てるかの様にじっと黙る親

「・・・」

「これうまいですね〜、水も美味しいし」

「それはねー、山の湧水で作ってるから旨いんだよ、チャーシューもね。」

「確かに旨いね」

「チャーシューも自家製ですか?こんな大きいのあまり見た事無いので。」

「そうだよ、よく分かったね〜」

「アヤ凄いねよく分かったね。」

「笑」

そんなたわいもない会話をしながら。
完食したのであった。

「ご馳走さま美味かったよ」

「ご馳走さまでした、美味しかったです。」

「それは良かった、また来ておくれー」

「幾ら?」

「良いよお代は」

「いあいあそれは駄目だろ?」

「じゃあ次来たら貰うから今日はいいよ」
一回言ったら聞かない頑固さは母親から来てるのかもと今思えばそう思う一時だった。

車に戻り隠し持っていたプレゼントを渡すした

「はいこれ、誕生日おめでとう少し早いけど。アヤに似合いそうで珍しい物見つけたから、気に入って貰えると嬉しいな〜」

「ありがとう、何々? 見て良い?」

「勿論良いよ」

「本当だ、見た事無いよこんなネックレス」
そこには物珍しいネックレスが有った。

「でしょ?皆んなと同じだとさ、面白く無いし、嫌だから どう?気に入ってくれたかな?」

「うん ありがとう 凄く可愛いしオシャレだし、何より珍しいのが良いね。
付けさせて貰える?」

「勿論」
そう言ってネックレスをアヤの首に掛けた

「どう?似合う?」

「凄く似合う、良かった〜、要らない言われたらどうしようかと思ったよ。」

「いやいや そんなこと言わないし嬉しいよ?」

「今度は、私がケイに誕生日プレゼントしないとねー」

「うん、期待あんまりせずに待ってる」

「なにそれ(笑)」

「何か欲しいものとか無いの?」

「特には無いかな、でも本当に安いもので何でも良いからね、俺は日頃の感謝の気持ちもあるんだから」

「ああでもケイシルバー好きだよね?」

「うん、大好きだね。」

「じゃあシルバーで珍しいのを探しとく」

「本当に?ありがとう凄く嬉しい」

そうして2人の何ちゃってデートは幕を閉じたのであった。
このままこの関係が続くことを願っていた、
そうあの事が無ければ。

続く

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