雪物語

スノウ

第24話 雪の怠慢

更新マン







屋敷に越してきて2日が経った雪はある2つの大きな......大きな?問題が発生していた。
1つは屋敷を管理する上でやっぱりエリール1人では無理なこと。もうひとつは宿屋「グローリーイン」の人達に屋敷に住むことになったことを一言も言ってないこと。

1つ目に関しても2つ目に関してもただただ雪が悪いのだが当の本人は今日まで何事も思わずに過ごしていた。
では何故今問題になってるかと言うと...

「ユキ様!何故宿屋の方達に屋敷に住むことになった話をしていないのですか!!」

「だ、だって忘れていたんだもん(ボソッ)」

「もう...、私が宿屋に行って話をしてきますね。ユキ様は反省していてください!!」

「ごめんね...エリール...ねぇ?一緒に行かない?」

怒られ続けている雪はこれ以上大事にならないように持ち前の顔面を使いエリールを落ち着かせようとした。それが涙を浮かばせての上目遣い。男が何をやってるんだ?と思われるかもしれないが雪がやれば...

「!!......。わ、分かりました。では用意を済まして下さい。終わり次第一緒に向かいましょう。」

「ふふ、ちょろいな(ボソッ)」

「何か言いました?」

「う、ううん!何も言ってないよ!用意終わらせるね」

(やはりエリールよ、ちょろいな!ちょろすぎてスライムを倒すより簡単だ)

『マスター、早く用意を終わらせないとまた正座させられますよ。』

(それはやだ!早く終わらせる!)

とまぁ、このように雪はエリールに怒られていたことが問題だった。
正直、宿屋の料金はちゃんと払っていたのでいつでても問題はなかった。ただ、一つだけ心残りがあるとすればグロリアに挨拶ができなかったことだけあった。
雪は用意をしながらグロリアが怒っているのではないかと考えていた。

(女性はどこでスイッチが入るか分からないからとりあえずプレゼントを用意して話をなかった方向に持っていこう!)

エリールが一緒に用意をしてくれたおかげで早めに終えることができた。
2人は宿屋に向かうために屋敷を出た。途中の露店でプレゼントを購入しこれから怒られるかもしれない緊張感と共に宿屋に足を運ぶ。

宿屋に到着し、雪は中に入る。

「すいませーん」

「はぁーい、今行きま...ってユキくん!2日も何してたの!!何か一言あってもよかったじゃない!城に行くって言ってたから危ないことは無いとわかってたけど心配したんだからね!!」

「う、うん。ごめんね。グレイグに報酬として屋敷を貰ってね、そこで暮らしていたんだ。で、さっきグロリアに話をしてないことを思い出してね...。だからこうして話をしに来たんだ。」

「そうだったんですか...。じゃあこれからここに泊まらないんですね...。」

「そうなるね...。あ!これ心配してくれたお詫びとしてプレゼント!受けとってね」

「!?いいんですか?!」

「うんいいよ」

「あ、ありがとございます!大事にしますね!」

「そう言ってくれると嬉しいよ!グロリアも暇な時は屋敷に来てね?君ならいつでも歓迎するよ!これ屋敷の場所を書いたメモだから無くさないでね!」

「はい!遊びに行きますね!!またなにかあったらここを利用してください!私たちは歓迎します!」

「うん、そうさせてもらうよ!じゃあ、また今度会おう。じゃあね!」

「はい!当宿屋をご利用いただきありがとうございました!」

グロリアと屋敷に住む話をして宿屋を出た。出た先にエリールは背筋を伸ばし雪が帰ってくるのを待っていた。

(さすがメイドだ。俺相手でもこんな立派に仕事をこなしてくれるとは...嬉しい限りだ。)

「ユキ様、終わりましたか?」

「うん、終わったよ。グロリアが今度俺の屋敷に来ると思うからその時は盛大に歓迎しよう」

「そうですね。その時は盛大に行いましょう!」

「あっ、エリール?ほかのメイドを雇いたいんだがいい所あるか?俺的にはエリール1人でいいんだけどさすがにあの屋敷の大きさ的にあと5人は雇いたいんだよね。」

「ユキ様が私と2人でいい(ボソッ)幸せですぅ...」

「?エリール?どうかした?」

「...は!!あ、あ!そうですねぇ。ユキ様はどう感じるか分かりませんが『奴隷』がいいかと思われます。なぜなら、メイドとして売られる奴隷は反抗しないですし忠実なのでメイドを行わせる場合最適なのではないでしょうか?」

「奴隷...か、この国はそういう制度があるのか...」

「奴隷と言ってもこの国の奴隷への扱いはかなり優遇されています。ある程度資産がないと買えませんし、ここに住んでいる人達と扱いは同じですし、何よりこの国の奴隷商は皆優しく奴隷にもちゃんと食事にお風呂を提供しています。ただ、この国が優しいだけで他の国では最悪な扱いをしている所もあります。」

「なるほどな。この国がちゃんとしているのが分かったからそれでいいや。じゃあその奴隷が売っている店を案内してくれエリール」

「はい、かしこまりました。ここから歩いて10分程度のところにありますので行きましょう。」

奴隷商まで行く道のりで雪はエリールと串焼きやデザートを食べながら向かっていく。
露店で色々なものを買いながら歩くこと20分大きな店が現れた。

「ユキ様、ここが奴隷商です。」

「なかなか大きいな。じゃあ入るか」

そう言うと雪は奴隷商の中に入っていく。もちろん後ろにえリールを連れて
扉を開け、中に入ると175センチのぽっちゃりとした40代前半位のおじさんがこちらに向かってきた。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件で当店をご利用でしょうか?」

「うーんと、屋敷に住んで2日が経ったんだけど、広すぎてね。メイドが出来る奴隷を5人ほど欲しいんだよね。」

「そうでございましたか。年齢について制限などありますか?」

「まぁ、特段そういったものはないけど俺好みでいいなら15〜24歳で家事や世話などが出来る奴隷を全員連れてきてもらうことは出来る?」

「かしこまりました。すぐに条件に合う者を連れてきます。あ、それと...」

そう言うと奴隷商は雪に近づき耳元で囁いた。

「全員処女の方がよろしいですか?」

「......。う〜ん、俺が男って考えた時に...うん、そっちの方がいいかなぁ」

「かしこまりました。少々値は上がると思いますがお客様なら大丈夫でしょう。」

「ん?俺のことを知っているのか?」

「もちろんでございます。最年少Sランク冒険者でソロでドラゴンを狩った今話題の人物。この王都で大きな商売をしている者はみな知っているかと思います。」

「そんな有名になっちまったのか俺......うん、悪くない!それと話より早く連れてきてくれ」

「はい、ただいま連れてまいります。」

奴隷商が退出して雪は用意された席に座る。
紅茶を飲みながらエリールと話をしているとドアが開き10名ほどの女性が入ってきた。

「お連れしました。...いかがでしょうか?」

「うーん、ちょっと待ってな」

(鑑定を使用しよう。)

雪は鑑定を使い10名全員を見た。
雪が欲しいと思った奴隷は6人いた。
それ以外の奴隷を退出させるように奴隷商に言う。

「この6名以外は退出させてくれるか?結論から言う。この6名を買うことに決定する。」

「かしこまりました。退出させます。」

そう言うと奴隷商と奴隷は退出していく。
チノに盗聴などされていないかを確認し奴隷と話をする。

「君たち6人を購入することにしたんだがなにか問題とかあるか?」

雪がそう言うと1人の奴隷が答えた。

「問題などありません。ですが6人となると料金の方が...大丈夫ですか?」

「あぁ、それは問題ないよ。他の子達も大丈夫?」

ほかの5人は首を縦に振る。

(まぁ、反応的にはこうなるわな...。初めて会った奴でこれから何をさせるかわからないしな。)

「とりあえず、今は以上だ。続きは屋敷に着いた時話す。奴隷商のやつが帰ってきたらすぐここを出れるように用意をするように。」

6名が小さく「はい」と返事をする。雪は苦笑いをした。
再度席に座り紅茶を飲むと奴隷商が戻ってきた。

「お客様、どうでしたか?」

「うん、買うよ。それとこれから必要なものを買いたいからすぐにここを出れるように6人の用意を終わらせてくれ。」

「では、用意をさせる前に2つほどやりましょう。まずは会計、次は奴隷の証です。」

「奴隷の証?」

「はい、奴隷なので反抗できないようになる証をつける行為です。その証は首輪か左胸に付ける紋章の2つでうち、1つが必要です。」

「なら、全員胸の紋章。それは後から任意で取れたりするか?」

「かしこまりました。購入者の意思で取れたりはします。ですが今まで取られた方はいません。」

「分かった。それだけ聞ければもういい。で、金はいくらだ?」

「はい、6人で白金貨40枚です。」

「そんなもんか。...ほい、白金貨40枚」

アイテムボックスから事前に白金貨100枚を用意していた雪はコートのポケットから白金貨を出し、奴隷商に渡した。

「ちょうどですね。ではすぐ用意させますのでお待ちください」

会計と証の話を終え、入れ直された紅茶をまた飲む。15分がたった頃手に荷物を持った6人が入ってきた。

「お客様、用意が終わりました。」

「うん、ではまた機会があったら利用するかもしれない。その時はよろしく頼む。」

「はい、その時はよろしくお願いします。本日はご利用頂きありがとうございました。」
 
奴隷を購入し、店を出る。周りに人がいるが、幸い服装はちゃんとしてある為奴隷だとは思われていなかった。
雪はまず最初に奴隷の名前を聞くことから始めようとした。(既に鑑定で知っているが)
これからは一つ一つのコミュニケーションが大事だと分かったので、まずは名前を聞くことから始めようとしたのだった。

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