雪物語
第22話 謁見
更新しました
オークションが終わってから数日がたった。
今日は前から言われていた謁見の日だ。
雪はベッドから降り、準備をしていた。
「迎えに来てくれると言ってたけどこんな早く来るとは思わなかった。」
今の時刻は10時、早い時間ではないが雪からしたらとても早かった。それもそのはず、毎回起きるのが遅いので、だいたい行動を開始するのは昼過ぎなのだ。いつもならまだ夢の中であったが騎士が迎えに来たため起きるしかなかったのだ。
「ユキく〜ん、用意終わったの〜?」
「グロリアか、終わったよ。今行くから!迷惑かけてごめんな」
「ううん、迷惑なんて思ってないから大丈夫だよ!王城に行くって話だけど緊張しない?大丈夫?」
「大丈夫だぞ?グレイグで緊張することは無いよ」
「不敬だよユキくん...」
「いいのいいの、大丈夫。じゃあ行ってくるから」
「は〜い!行ってらっしゃい!」
グロリアに見送ってもらい王城に向かう。
王城に入る前に招待状を見せ、中に入る。
案内された部屋に着くとメイドが数人入ってきた。
「ユキ様、こちらで正装をご用意しましたのでお着替えしましょう。そのあとは髪を整えたり、作法をお教えします。」
「うん、よろしく頼むよ。エリールは何をしているのかな?」
「はい、お任せ下さい。エリールは今、本日ユキ様がお泊まりになる部屋の掃除をしているかと思われます。」
「あ、今日俺泊まること決定してるのね...。まぁいいか、うん、教えてくれてありがとう。」
エリールのことを聞き、満足した雪はメイドに服を着させてもらい完璧な正装になった。
それから礼儀作法をある程度教えて貰ったが雪はあまりわかっていなかった。
(とりあえず、謁見の間に入って真っ直ぐ進み、片膝立ちで頭下げてそれらしい雰囲気出しとけばいいんだろ。な!チノ!そうだよな!)
『それで大丈夫かと思います。おかしくなりそうだったら私が身体を動かしますのでその時は私に任せてください。』
(その時はよろしく〜)
「ユキ様、準備が出来ましたので謁見の間にご案内致します。」
「うん、よろしく」
部屋を出て歩くこと数分、大きな扉が現れた。メイドたちがその扉を開け、雪に進むよう促していた。
先程聞いた話の通り、真っ直ぐ進み、階段の数歩手前で片膝立ちで頭を下に向けた。
「うむ、面をあげよ」
グレイグから顔を上げていいと言われたので顔をあげた。
「宰相、あとは頼む」
「お任せ下さい。
ここにいるユキという者は先日、陛下がオークの集団に襲われた際に陛下を救ってくれた命の恩人であります。護衛の騎士もやられていき、もう終わりかと思われた時に1人でオーク達を蹂躙、数分で全てを排除しました。」
それを聞いた周りの貴族は驚いた表情でざわざわと騒ぎ始めた。1人は純粋に驚き、もう1人は疑いの目をもう1人は興味無さそうに三者三様な反応をしていた。
「ユキよ、我を救ってくれたこと感謝する。感謝の印として爵位をあげよう」
グレイグがそう発した瞬間ざわめきが大きくなる。
それもそうだろう。貴族からしたら冒険者など薄汚い下賎なものと思われている。この反応は雪も理解していた。
「陛下、私は爵位はいりません。領地経営はまだしも周りの貴族と合うとは思いません。すぐに人を見下すような馬鹿な貴族たちとは仲良くやるつもりなどこれっぽっちもありません。」
雪は爵位の受け取り拒否、それに貴族への煽りを入れグレイグに返答した。
雪はある程度試してみたかったのだ。ここの貴族の頭の良さを。ここで突っかかってくるなら本当のバカ。雪も後で先程の発言でなにかしら罰せらるかもしれないが雪からしたら何も痛くない。なので試したのだ。
「貴様!!私たち貴族をバカにするか!下賎な冒険者風情が貴族を愚弄するか!!兵よ!この物を捕らえよ!!」
雪の煽りに見事に引っかかってくれた貴族がいた。
それはもう典型的な貴族だなと見た目からわかった。豪華な衣装に丸々太った体型。どうせ爵位も侯爵あたりなのだろうなと雪は考えていた。
「な?陛下、こういう誰にでも分かるような煽りすら分からないバカがいるから貴族なんてやりたくないのよ。今は俺と陛下の二人で話しているのに発言権などないバカ貴族が横から入ってくる。試されていることも分からずにな。なんとか言ってくれよ陛下?」
「うむ、ユキの言ったことは理解した。それにこんな簡単なことも分からん奴がいたのも我はショックだ。ピッグ!貴様に発言権などない!こんな簡単なことも分からぬ能無しだとは思わなかったぞ。貴様は侯爵から伯爵に下げる。もう黙っておれ。」
(ピッグ!?笑わせんな!めちゃくちゃ口がにやけてしまう!そしてやっぱり侯爵!テンプレの塊で腹筋痛すぎる!!笑い転げそうだ!)
「な!?陛下!?こんな下賎な者の味方になるのですか!?私は貴族をバカにしたこの者に罰を与えようとした迄です!どうかお考え下さい!」
「しつこいぞピッグ!それ以上我と雪の話を邪魔する様から子爵まで落とすぞ!」
「なっ!?...失礼しました。話を止めて申し訳ございません...。」
「ユキよすまなかったな。話の続きをしよう。」
「あぁ、私も煽ってすまなかった。こうでもしないと爵位を押し付けられそうだったから。」
「そもそも爵位は断られると思っておったから別なものを用意してたんだが我も回りくどいことをした。その変わりの物が...王都に1件だけ大きな屋敷があってな。そこを渡そうかと思っておったんだ。それを受け取ってくれぬか?」
「屋敷...だと?それは俺がこの王都に住むための家ってことか?土地代と屋敷代に管理費、俺がとても維持できるとは思わないが...?」
「土地代、屋敷代、管理費こちらが持つ。命を救ってくれたのだそれくらい安いものだ。それに一年に一回の税金さえ納めてくれればその家はずっとユキの物だ。そしにユキよ、最近アルフ山のドラゴンを狩った時のお金もあるだろう?ユキの貯金はそこらの貴族よりあるのを我は知っているぞ?」
グレイグは笑いながら言った。やはりその話をするか、と雪は思った。案の定周りの貴族もざわざわし始める。
「陛下よ!無礼を承知ですが何卒私の話を聞いてはくれませぬか!」
1人の貴族が声をふるわせてグレイグに話をしていいか?と聞いた。
「うむ、特別に許可する。」
「ありがたき幸せ。そのユキという者はアルフ山のドラゴンを狩ったというのは本当の事なのでしょうか?」
「あぁ、本当だ。ユキよ面倒だとは思うが証拠をだしてはくれぬか?」
「ん?あぁ、いいぞ。ほら」
雪は無限収納からドラゴンの鱗と一応ギルドカードを見せた。
「なっ!?本当にドラゴンの鱗!?...そ、それにこれはSランク冒険者のギルドカードだ!!」
その貴族は大きく声を上げながらそう言った。
周りの貴族も驚いていた。豚侯爵、いや伯爵も驚いているようだ。
「分かったであろう?ユキはそこらの冒険者とは違う。ソロでドラゴンを狩る化け物だ。そんなユキを愚弄するような奴がいたらどうなるかお前たちも分かるだろう?下手したらこの国からお前たちの誰かが消えることになるぞ」
「陛下、よっぽどなことがない限りそんなことはしねーぞ?とりあえず周りの貴族も俺がどういう立場の人間かわかって貰えたようだし説明をしてくれて助かった。」
「うむ、それで屋敷の件についてだが...」
「あぁ、有難く頂戴しよう。金についても増える一方で困ってたしな。それと...悪いんだがもうひとつ欲しいものがある」
「なんだ?申してみろ。」
「いや、すげー言い難いんだがエリールってメイドわかるか?」
「確かそのような名のメイドがいるな。それがどうした?」
「エリールが嫌だったらそれでいいんだが嫌じゃないなら俺の屋敷でずっと雇いたんだ。だめか?」
「ほーーーーう?ユキよ、なるほどなぁ。おい、そこの騎士よエリールというメイドを呼んできてくれ。」
「はっ!」
雪は少し赤くなりながらグレイグから目を離した。グレイグに雪の気持ちが悟られ、その事で頭がいっぱいになっていた。
「ユキよ、お前も男だな!」
「そうだよ!!男だよ!なんだと思ってたんだ!それにあんまり大きなこと言わないでくれ...。恥ずかしくて死にそうだ。」
「ハッハッハッハァッ!ユキは本当に面白いな。同じ男だ。わからないことがあったらなんでも聞くが良い。」
「あ、あぁ、そん時は聞くかもな」
そんなことを話していると騎士とエリールが入ってきた。メイドが謁見の間に呼ばれるなど今まで無かったんだろうなと人目でわかった。それはもう怯えていた。これから何をさせるのだろうかと恐怖でいっぱいなのだろなと。
「ふむ、来たかエリールというメイドよ。そんなに怯えんでも良い、話があるのは我ではなくそこにいるユキだ。」
「はっはい!...ふぇ?ユキ様が...?ユキ様いかが致しましたか?」
「う、うん、エリール久しぶりだね。話というのはさ...なんというか...こないだ陛下を救った時の報酬で屋敷を貰ったんだけど、俺一人じゃ手付かずになりそうだからさ...その...俺の屋敷にずっといて欲しいなぁって...。」
「ふぇ...?ユキ様と同じ屋敷でずっと......。」
「い、嫌だったらいいんだ!!うん!」
「......はっ!ぜ、是非!私を屋敷に置いてください!!!お願いします!!」
「!!うん!ありがとう!これからよろしくね!
陛下、話の通りだがエリールを貰っていくぞ?」
「うむ、いいだろう!これからエリールはユキのメイドになることを許そう!」
「は、はい!私エリール誠心誠意頑張らせていただきます!ユキ様、よろしくお願い致します!」
「うん、よろしくねエリール!」
エリールがユキの専属メイドになることが決まり、今回の謁見は終わった。色々と問題もあったが及第点の謁見だっただろう。
夕食は王家の方々と一緒にとり、ドラゴンを狩った時の話をした。1番驚いていたのはティルーナだった。やっぱり可愛かった。それはもう絶世の美女でした。
夕食を食べたあと、部屋に戻りエリールと話をし風呂に入って今日を終えた。
オークションが終わってから数日がたった。
今日は前から言われていた謁見の日だ。
雪はベッドから降り、準備をしていた。
「迎えに来てくれると言ってたけどこんな早く来るとは思わなかった。」
今の時刻は10時、早い時間ではないが雪からしたらとても早かった。それもそのはず、毎回起きるのが遅いので、だいたい行動を開始するのは昼過ぎなのだ。いつもならまだ夢の中であったが騎士が迎えに来たため起きるしかなかったのだ。
「ユキく〜ん、用意終わったの〜?」
「グロリアか、終わったよ。今行くから!迷惑かけてごめんな」
「ううん、迷惑なんて思ってないから大丈夫だよ!王城に行くって話だけど緊張しない?大丈夫?」
「大丈夫だぞ?グレイグで緊張することは無いよ」
「不敬だよユキくん...」
「いいのいいの、大丈夫。じゃあ行ってくるから」
「は〜い!行ってらっしゃい!」
グロリアに見送ってもらい王城に向かう。
王城に入る前に招待状を見せ、中に入る。
案内された部屋に着くとメイドが数人入ってきた。
「ユキ様、こちらで正装をご用意しましたのでお着替えしましょう。そのあとは髪を整えたり、作法をお教えします。」
「うん、よろしく頼むよ。エリールは何をしているのかな?」
「はい、お任せ下さい。エリールは今、本日ユキ様がお泊まりになる部屋の掃除をしているかと思われます。」
「あ、今日俺泊まること決定してるのね...。まぁいいか、うん、教えてくれてありがとう。」
エリールのことを聞き、満足した雪はメイドに服を着させてもらい完璧な正装になった。
それから礼儀作法をある程度教えて貰ったが雪はあまりわかっていなかった。
(とりあえず、謁見の間に入って真っ直ぐ進み、片膝立ちで頭下げてそれらしい雰囲気出しとけばいいんだろ。な!チノ!そうだよな!)
『それで大丈夫かと思います。おかしくなりそうだったら私が身体を動かしますのでその時は私に任せてください。』
(その時はよろしく〜)
「ユキ様、準備が出来ましたので謁見の間にご案内致します。」
「うん、よろしく」
部屋を出て歩くこと数分、大きな扉が現れた。メイドたちがその扉を開け、雪に進むよう促していた。
先程聞いた話の通り、真っ直ぐ進み、階段の数歩手前で片膝立ちで頭を下に向けた。
「うむ、面をあげよ」
グレイグから顔を上げていいと言われたので顔をあげた。
「宰相、あとは頼む」
「お任せ下さい。
ここにいるユキという者は先日、陛下がオークの集団に襲われた際に陛下を救ってくれた命の恩人であります。護衛の騎士もやられていき、もう終わりかと思われた時に1人でオーク達を蹂躙、数分で全てを排除しました。」
それを聞いた周りの貴族は驚いた表情でざわざわと騒ぎ始めた。1人は純粋に驚き、もう1人は疑いの目をもう1人は興味無さそうに三者三様な反応をしていた。
「ユキよ、我を救ってくれたこと感謝する。感謝の印として爵位をあげよう」
グレイグがそう発した瞬間ざわめきが大きくなる。
それもそうだろう。貴族からしたら冒険者など薄汚い下賎なものと思われている。この反応は雪も理解していた。
「陛下、私は爵位はいりません。領地経営はまだしも周りの貴族と合うとは思いません。すぐに人を見下すような馬鹿な貴族たちとは仲良くやるつもりなどこれっぽっちもありません。」
雪は爵位の受け取り拒否、それに貴族への煽りを入れグレイグに返答した。
雪はある程度試してみたかったのだ。ここの貴族の頭の良さを。ここで突っかかってくるなら本当のバカ。雪も後で先程の発言でなにかしら罰せらるかもしれないが雪からしたら何も痛くない。なので試したのだ。
「貴様!!私たち貴族をバカにするか!下賎な冒険者風情が貴族を愚弄するか!!兵よ!この物を捕らえよ!!」
雪の煽りに見事に引っかかってくれた貴族がいた。
それはもう典型的な貴族だなと見た目からわかった。豪華な衣装に丸々太った体型。どうせ爵位も侯爵あたりなのだろうなと雪は考えていた。
「な?陛下、こういう誰にでも分かるような煽りすら分からないバカがいるから貴族なんてやりたくないのよ。今は俺と陛下の二人で話しているのに発言権などないバカ貴族が横から入ってくる。試されていることも分からずにな。なんとか言ってくれよ陛下?」
「うむ、ユキの言ったことは理解した。それにこんな簡単なことも分からん奴がいたのも我はショックだ。ピッグ!貴様に発言権などない!こんな簡単なことも分からぬ能無しだとは思わなかったぞ。貴様は侯爵から伯爵に下げる。もう黙っておれ。」
(ピッグ!?笑わせんな!めちゃくちゃ口がにやけてしまう!そしてやっぱり侯爵!テンプレの塊で腹筋痛すぎる!!笑い転げそうだ!)
「な!?陛下!?こんな下賎な者の味方になるのですか!?私は貴族をバカにしたこの者に罰を与えようとした迄です!どうかお考え下さい!」
「しつこいぞピッグ!それ以上我と雪の話を邪魔する様から子爵まで落とすぞ!」
「なっ!?...失礼しました。話を止めて申し訳ございません...。」
「ユキよすまなかったな。話の続きをしよう。」
「あぁ、私も煽ってすまなかった。こうでもしないと爵位を押し付けられそうだったから。」
「そもそも爵位は断られると思っておったから別なものを用意してたんだが我も回りくどいことをした。その変わりの物が...王都に1件だけ大きな屋敷があってな。そこを渡そうかと思っておったんだ。それを受け取ってくれぬか?」
「屋敷...だと?それは俺がこの王都に住むための家ってことか?土地代と屋敷代に管理費、俺がとても維持できるとは思わないが...?」
「土地代、屋敷代、管理費こちらが持つ。命を救ってくれたのだそれくらい安いものだ。それに一年に一回の税金さえ納めてくれればその家はずっとユキの物だ。そしにユキよ、最近アルフ山のドラゴンを狩った時のお金もあるだろう?ユキの貯金はそこらの貴族よりあるのを我は知っているぞ?」
グレイグは笑いながら言った。やはりその話をするか、と雪は思った。案の定周りの貴族もざわざわし始める。
「陛下よ!無礼を承知ですが何卒私の話を聞いてはくれませぬか!」
1人の貴族が声をふるわせてグレイグに話をしていいか?と聞いた。
「うむ、特別に許可する。」
「ありがたき幸せ。そのユキという者はアルフ山のドラゴンを狩ったというのは本当の事なのでしょうか?」
「あぁ、本当だ。ユキよ面倒だとは思うが証拠をだしてはくれぬか?」
「ん?あぁ、いいぞ。ほら」
雪は無限収納からドラゴンの鱗と一応ギルドカードを見せた。
「なっ!?本当にドラゴンの鱗!?...そ、それにこれはSランク冒険者のギルドカードだ!!」
その貴族は大きく声を上げながらそう言った。
周りの貴族も驚いていた。豚侯爵、いや伯爵も驚いているようだ。
「分かったであろう?ユキはそこらの冒険者とは違う。ソロでドラゴンを狩る化け物だ。そんなユキを愚弄するような奴がいたらどうなるかお前たちも分かるだろう?下手したらこの国からお前たちの誰かが消えることになるぞ」
「陛下、よっぽどなことがない限りそんなことはしねーぞ?とりあえず周りの貴族も俺がどういう立場の人間かわかって貰えたようだし説明をしてくれて助かった。」
「うむ、それで屋敷の件についてだが...」
「あぁ、有難く頂戴しよう。金についても増える一方で困ってたしな。それと...悪いんだがもうひとつ欲しいものがある」
「なんだ?申してみろ。」
「いや、すげー言い難いんだがエリールってメイドわかるか?」
「確かそのような名のメイドがいるな。それがどうした?」
「エリールが嫌だったらそれでいいんだが嫌じゃないなら俺の屋敷でずっと雇いたんだ。だめか?」
「ほーーーーう?ユキよ、なるほどなぁ。おい、そこの騎士よエリールというメイドを呼んできてくれ。」
「はっ!」
雪は少し赤くなりながらグレイグから目を離した。グレイグに雪の気持ちが悟られ、その事で頭がいっぱいになっていた。
「ユキよ、お前も男だな!」
「そうだよ!!男だよ!なんだと思ってたんだ!それにあんまり大きなこと言わないでくれ...。恥ずかしくて死にそうだ。」
「ハッハッハッハァッ!ユキは本当に面白いな。同じ男だ。わからないことがあったらなんでも聞くが良い。」
「あ、あぁ、そん時は聞くかもな」
そんなことを話していると騎士とエリールが入ってきた。メイドが謁見の間に呼ばれるなど今まで無かったんだろうなと人目でわかった。それはもう怯えていた。これから何をさせるのだろうかと恐怖でいっぱいなのだろなと。
「ふむ、来たかエリールというメイドよ。そんなに怯えんでも良い、話があるのは我ではなくそこにいるユキだ。」
「はっはい!...ふぇ?ユキ様が...?ユキ様いかが致しましたか?」
「う、うん、エリール久しぶりだね。話というのはさ...なんというか...こないだ陛下を救った時の報酬で屋敷を貰ったんだけど、俺一人じゃ手付かずになりそうだからさ...その...俺の屋敷にずっといて欲しいなぁって...。」
「ふぇ...?ユキ様と同じ屋敷でずっと......。」
「い、嫌だったらいいんだ!!うん!」
「......はっ!ぜ、是非!私を屋敷に置いてください!!!お願いします!!」
「!!うん!ありがとう!これからよろしくね!
陛下、話の通りだがエリールを貰っていくぞ?」
「うむ、いいだろう!これからエリールはユキのメイドになることを許そう!」
「は、はい!私エリール誠心誠意頑張らせていただきます!ユキ様、よろしくお願い致します!」
「うん、よろしくねエリール!」
エリールがユキの専属メイドになることが決まり、今回の謁見は終わった。色々と問題もあったが及第点の謁見だっただろう。
夕食は王家の方々と一緒にとり、ドラゴンを狩った時の話をした。1番驚いていたのはティルーナだった。やっぱり可愛かった。それはもう絶世の美女でした。
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