雪物語

スノウ

第13話 ギルマスとランクアップと

王城で朝食を終え、王族のみんなと別れを告げた。
みんな優しく見送ってくれた。
本当にいい人たちで嬉しい気持ちになった。
ティルーナが若干寂しいそうな顔をしているのは印象的に映った。

門までエリールに送ってもらい、エリールとも別れた。
エリールもティルーナと同じく少し寂しそうな顔をしていた。
だからエリールに「また近いうちに会えますよ!」というと笑顔になっていた。その顔は物凄く可愛く元気が湧いてくる。

城門を出て、少し時間が経つ。
今の時刻はだいたい11時くらいだ。
街を見渡すがやっぱり白で統一されていて雪のこの街への好感がさらに上がる。

「よーし!ギルドに向かいますかぁ!」

雪はギルド方面に足を動かした。






歩いて数分、目の前にはギルドがあった。この時間に冒険者は少ないようでギルドから出てくる人がいなかった。
ギルドのウエスタン扉を開けて真っ直ぐに進む。
昨日話した受付嬢を確認した。
その受付嬢に話をかける。

「あの、昨日オークの依頼を受けた雪です。」

「あ!ユキさん!こんにちは!お待ちしておりました!ギルマスも今いるのでユキさんが来たと今伝えに行きますね。」

「はい、よろしくおねがいします。」

受付嬢が2階にある階段を上がっていく。
椅子に座り受付嬢を待つこと数分。
2階から受付嬢が降りてきた。

「ギルマスがお会いになるそうです。2階の部屋に案内しますね!」

「お願いします。」

ーーーーーーーーーーー

コンコンッ、とドアを鳴らす受付嬢

「ギルドマスター、ユキさんをお呼びしました。」

「うん、入ってきていいよー。」

部屋の中から声が聞こえた。中性的な声だ。性別がどっちかわからない。

「失礼します。こちらが昨日言った、登録初日にオーク5体を狩ってきたユキさんです。」

「君がユキくんだね。僕はここでギルドマスターをしているナクターって言うんだ。うんうん。君はイケメンだねぇ」

「はぁ、ありがとう。で、俺の件はどうなるんだ?」

「そうだね。サクッとお話をして終わらせようか。結論から言うと君は今日からCランクだ。おめでとう!パンパカパーン!」

「あぁ、そうか。じゃあギルドカード更新してくれ。俺は帰る。」

「ちょっと!待ってよ!なんでそんな早く帰るの!!」

「いや、お前から変な気を感じる。多分だがお前はこれからめんどくさいことを言うだろ?なぁ?」

「なんでわかったんだい?」

「いや、なんとなくだ。」

(やっぱり来たよ、異世界テンプレの1つ。ギルマスと戦って実力確認だろ?もうめんどくさい。新しい宿をみつけゆっくりしたいってのに)

「じゃあ単刀直入に言う、君は何者だい?登録初日からオーク5体をソロで狩ってくるなんて普通ではないよ。」

(あ、そっち?そっち系ね。戦わないならOK。軽く話して終わらそ。)

「何者って普通の冒険者なんだが。逆にナクターに聞くが、豚ごときに遅れをとる奴がいるか?どう思う?」

「豚ごとき...か。君からしたらオークは豚と一緒なのか...。面白い。君、本当に面白いね。初心者冒険者はそんなこと言わないんだけどね。
よし分かった、ここはそうだな...僕と手合わ「断る」せを...。え?」

「めんどくさい断る。なぜお前と戦わないといけない。俺のメリットは?Cランクが決定した今、もう用はない。さっさとカードを更新してくれ。俺は今日忙しいんだ。お前と手合わせをしている暇は無い。お前もギルマスなら仕事が残ってるだろう。俺たち冒険者みたいに自由じゃなさそうだしな。遊んでないで仕事をしたらどうだ?俺と手合わせをしたいならAランクに上がる時の試験官になればいいだろう?」

「うぐぅ...そんな拒絶しなくてもいいじゃないか...。じゃあ試験官は僕がするよ。困っても知らないからね!フンだ!」

ナクターはそっぽを向いてしまってた。
こんなやつがギルマスで大丈夫なのか?と心配になる。まぁ、実力的には申し分なさそうだな。と鑑定を使わなくて分かった。
そんなことを思いながら受付嬢に言う

「受付嬢さん、カードの更新よろしくね。」

「はい、かしこまりました。少々お待ちください。


「うん、1階で待ってるよ。」

そう言うとギルマスの部屋から受付嬢と雪は出た。
一階に向かう途中、受付嬢から「すみませんね、あんな子供っぽいギルドマスターで。仕事面と実力は凄いんですが何分強そうな人を見るとすぐ戦いたくなる人なんです。」などと言っていた。
本当に大丈夫かここのギルド。ギルマスが戦闘狂ってやばくないか?と思いながら一階に降りた。

受付嬢が俺のカード持って作業している間に休憩しようとギルド内にある食事ができるスペースへ移動した。
雪は喉が渇いたので飲み物を注文しようと決めた。

「飲み物は何があります?」

「酒と果実水」

「果実水貰えますか?」

「おう、1杯銅貨2枚だ。」

そう言われ袋からどうか2枚を出した。
酒場のおっちゃんが銅貨を受け取ると果実水を出してきた。
雪はそれを飲むがその味に違和感があった。

「おい、おやじ、何だこの味は?」

「おう、これはぶどう腐らせたものを絞った果実水だ。どうだ?うめーか?」

「おい、お前は俺を怒らせたいのか?どう飲んだらこれが美味しと思うんだ?」

「おいおい坊主?ワインってのはぶどうを腐らせて絞った水だろ?じゃあこれも美味しいだろうが!」

「ちげーよ!!!バカが!ワインってのはぶどうを発酵させて作るんだよ!!発酵させた時にアルコールと二酸化炭素にわかれんだよ!そうして出来るんだよ!腐らせて絞ったのはただ人体に悪影響を及ぼすゴミ水が出来るだけだろうが死ねくそが!!!」

「ある...こーる?、にさん?たんそ?なんだそれは!訳の分からねーこと言ってんじゃねーぞ坊主!」

「おう、口開けろや、てめーにこれを飲ませてやるよ。全部飲めよ?残したら殺す」

そう言うと雪はおやじの口に無理やりゴミ水を全て流し込む。おやじことこの食事スペースのマスターは顔を青くしてゴミ水を全て吐き出した。

「ゴホッ!ゴホッ!...。俺が...悪...がっだ...。ゆるじで、ぐれ......。」

「あぁ、許してやるよ。分かったようだな。とりあえず金返せ、それと迷惑料でなんか飯を出せ。それで許してやる。」

「あぁ、すまねぇ。今腕によりをかけてうめーもんを作る。あと銅貨2枚だ。返す。」

そう言うとおやじは料理をしだした。新しく出された違う飲み物で喉を潤した。
おやじが作ってきた料理は肉料理だった。
何の肉だ?と聞いたらワイバーンらしい。
美味いのか?って聞いたら「いいから食ってみろ」との事だったので半信半疑で食ってみた。
すると

「!?めちゃくちゃうめーなこれ!」

「だろ?飲み物は失敗したが料理はお手の物よ!」

「あぁ、これは美味しい。冒険者用なのか味は濃いめにしてある所がポイント高い。何よりここは酒と一緒に食う場所だから注文は後を絶たないだろうな。酒によく合う味だ、さっきのゴミ水がなければ満点だな。」

「それはすまねぇ。またここに来た時、またうめーもん出すから許してくれ。」

「あぁ、その時は頼むぞ?」

「坊主、おめー名前はなんという?俺はここの店主のガイルだ!」

「あぁ、俺は雪だ。よろしくな」

「ユキ...か、分かった。次きた時はなにかサービスしてやる。」

店主のガイルと話を終えると後ろから受付嬢から声をかけられた。
どうやらギルドカードが出来たようだ。

「ユキさん、新しくCランクのギルドカードができました!銅のプレートです!なくさないでくださいね!銅プレートから再発行の料金は高くなりますので!」

「ん、分かりました。ギルドカードの更新ご苦労様でした。では、俺はこれで用はないので帰ります。近いうちにまた依頼を受けに来ると思うのでその時はよろしくお願いします。」

「はい!分かりました。今日はお疲れ様でした!」

受付嬢と会話を終え、ギルドを後にした。
これから雪は泊まる宿と生活必需品を揃える為に街で買い物をしなければならないため急ぎ足で行動する。

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