公爵令嬢のため息

青架

閑話休題:アルフレッド

 
 俺の名前はアルフレッド・アリエス・フォン・クォーツァイト。
 グランツェリオール王国の西方に領地を置くクォーツァイト侯爵家の長男だ。

 うちは代々文官として王城に勤めている。
 召し上げられる官僚は文武2部門に大別され、その多くが世襲制ではない。代々の栄誉に与れているのは、クォーツァイト家が知識と知略に優れた人間を輩出し続けているからである。

 政務官の最高職である宰相は、この十数代を遡る限り、全てうちかエピドート公爵家から輩出されている。入れ替わりの理由は様々だ。単純な能力の優劣、または王族との婚姻など。
 当代のみならず、前後2世代の王位継承者との婚姻関係を結んだ家の直系は、宰相職には就けないことになっている。
 王の治世に及ぼす影響の大きさを鑑みれば当然だろう。貴族が王族を抱き込んで専制政治を敷くことのないよう、一応予防線が張られているのだ。その気になればいくらでも抜けようはあると思うが、こういうものは形として示しておくことが大切なんだよ、と父は俺に言った。

 父こそこの愚策の犠牲者で、曾祖父の妹が当時の王弟と結婚していたがゆえに、王弟が亡くなるまで宰相職への推薦を得られなかった。宰相の代替わりは王弟の逝去以前に済んでいたし、次々に人が入れ替わるような地位でもない。王立学校のここ数代で最優と称された父が宰相になることは、次世代の文官が皆死にでもしない限りありえないだろう。

 父の能力は、宰相職になくとも損なわれはしなかった。本人も気にしている風ではなかったし、貴族として家の拡大だけを考えるなら、王家と姻戚関係を持つことはむしろ望ましい。
 しかし、祖父が父親に頭を下げて詫びる様子を見てしまった俺には、父の力量を知るものからすれば到底納得のいく処遇でなかったことは容易に想像がついた。

 その日以来俺はさらに勉強に励むようになった。あらゆる分野の学問や知識に加え、思考力を養うためのボードゲームにまで手を出した。
 別に俺がどうこうなったところで父の仇が取れるわけでもなければ、父自身は息子の立身出世に心血を注いでいるようでもない。というより、俺からしてもこんなことで仇討ちなど阿呆らしい。
 ただ、このまま漫然と成人し、俺自身が大した才も伸ばせないまま無能の烙印を押されるのは耐え難いというだけだ。
 俺の行動原理はそこにあった。人間と生まれたからには、出来ることをせずにいるのは怠惰だ。貴族だからとか平民だからとか、そんな押し付けられた枠に嵌って努力を怠るなど思考停止に他ならない。
 腐った果実は他をも腐らせる。こんなくだらない人事や施策がまかり通っているのがいい証拠だ。国全体が腐り落ちる前に、なんとかしなければ。

 その点、俺と姉は相容れなかった。
 父が血を分けた姉は当然、頭が切れる女だった。それにも関わらず、彼女には俺ほどしっかりとした教育は施されない。俺が歴史や政策について学んでいる間、姉はダンスやご機嫌取りのレッスンを受ける。
 貴族の娘の役目は、家にとってより価値のある相手と婚姻し、そして子供を産むこと。彼女には、婚姻と出産に役立つ技能ばかりが備えられていく。

 姉の教師たちには目がついていないのだろうか。どんな話題であっても瞬時に切り返せる頭の回転の速さ、場を弁えた言葉遣い、どれをとっても彼女が優秀だからできることだ。その能力を生かせる機会を与えないなんて馬鹿げている。そして、自らの可能性が摘み取られようとしているのに文句ひとつ言わない姉も理解できない。
 なぜ皆、最善を尽くそうとしないのだろう。

 もちろんそんなことを口には出さない。保守的な大人たちが眉をひそめることは分かり切っているからだ。しかし口に出さなければ否定されることもなく、それは俺の中で次第に強固な価値観となっていった。
 


 「かわいくない子ね、もっと子供らしいこと考えなさいな」

 姉の社交界デビューのパートナーが決まった時のことだ。
 相手の年齢が最低に満ちるのを待って、姉は既に7歳も近かった。その相手というのがまたひどい。同じ侯爵家なのはいいとして、その贅肉が脳みそにも反映されているんじゃないかと思うほど愚鈍な子供だった。この姉にあてがう相手がこれか?
 そんな感想をつい漏らしてしまったのだが、姉は怒るでもなくそう返し、そうよかわいくなーい、と繰り返す。

 「あんたが私の心配する必要なんかないのよ。長男なのだから、自分の事だけ考えてなさい」
 「俺より姉さんの方がよっぽど優れているのに、あんな豚と結婚して一生を棒に振りたいの?」

 突き放されたように感じてカッとなったとはいえ、当時より分別のついた今思えば決して言わないような言葉だった。4歳になって本格的な教育をうけるようになった俺はすっかり成長したつもりでいたのだ。

 「口を慎みなさい」

 冷たい声音で叱られて初めて自分の失言に気づく。
 けれど意地もあって、俺はそのまま姉の部屋を飛び出して自室に戻ろうとした
――が、途中で母親に捕まった。学生時代の友人に会いに行くから一緒においでなさいと馬車に乗せられ、訪れた先がゴーシェナイト公爵家だった。
 
 道中で頭は冷えていたものの、胸中には未だ己の小ささと、それでも姉の将来に納得のいかない気持ちが渦巻いている。公爵夫人に愛想よく挨拶を済ませ、そそくさと退出したあとは、早く終われとそればかりを思いながら公爵家の東屋で時間を潰していた。

設置されているベンチに座って、ただぼうっと花々を眺めていると、少女の声がした。

 「アルフレッドじゃない。来てるなら待っててくれればよかったのに。今回はおばさまだけかと思ったわ」
 「エリザベート」

 公爵家の長女、エリザベートは俺と幼なじみの関係になる。母親同士の仲の良さと同い年に生まれた経緯から、なにかと兄妹のように扱われてきたけれど、俺への教育が厳しくなるにつれて最近は会う機会が減っていた。

 正直俺は彼女が少し苦手だ。
 会話をしていて途切れることもないし、頭は回るのだと思う。容姿だって見られる程度に整っている。ただ、自分が愛されることに疑いを持っていないというか――努力のどの字も知らない様子が言動の端々に滲む。貴族の子女は得てして雲を突き抜ける高さの自尊心を持っているが、エリザベートもその例に漏れない。

 「そういえばオルガ様、こんどの夜会でデビューされるんですってね。本当に良かったわ」

 そしてタイミングも悪かった。姉の話題を出され、低くなる声が止められない。

 「何もよくないよ」
 「どうして?おめでたいことじゃない。7歳までデビューしないなんてことになれば、結婚だって遅れるのよ」

 悪意など存在も知らないだろうエリザベートはきょとんと首をかしげる。
 しかし、無邪気は時に悪意より邪悪だ。

 「お相手はフォルステライト侯爵のご長男ハインリヒ様でしょう?あそこは富んだ領地だし、ご両親だってとても優しいと聞いたわ。何も問題ないでしょう」

 頭に血が上る。どうして女は恋愛沙汰にしか興味がないんだ。色恋や婚姻なんてものに足を引っ張られて、父や姉のように有能な人間が芽を摘まれるのは馬鹿げていると気が付かないのか。

 「問題しかないだろう。このままいけばあんな奴と結婚しなきゃならないんだぞ。官吏にだってなれる能力があるのに、それを棒にふって」
 「それが女の仕事だからよ」

 至極当然のように言われて言葉につまる。

 「子供は女にしか産めないわ。その仕事を棒に振ることはいいことかしら?」
 「能力がある以上、それを生かすのが俺たち貴族のすべきことだろう」
 
 社会的な役割がどうだと言い訳を並べ、すべきことを放棄した先に待っているのは衰退だけだ。
 エリザベートは特に怒るでもなく、困ったような顔で俺を見ている。
 話す気も失せた俺は、ちょうど探しに来た母の従僕に従って、そのまま公爵家を後にした。



 おそらくむきになっていたのは俺だけだったが、その後何となく気まずくて、勉強を理由に公爵家へは以前に増して寄り付かなくなった。彼女の5歳の誕生日のお祝いも仮病を使った。
 きっかけを失いながらも家同士の関係上、ずっとこうしているわけにはいかないだろうと思っていた最中、突然我が家へエリザベートの来訪があった。

 「最近ずっと来てくれなかったから」
 
 お母様についてきちゃった、と屈託なく笑う。
 勉強が忙しくてという使い古した言い訳を繰り返すと、目を丸くされた。

 「大変なのね。そんなに頑張らなくたって、アルならもう十分賢いでしょう」
 「いや、俺はまだまだだよ」

 実際、やらなければならないことは山ほどある。
 それでも思いのほか買い被られていたことに、それまでの硬い表情に変わって自然な笑いが出た。

 「ふうん、すごいのね。アルは宰相様になりたいの?」

 聞かれて言葉に詰まる。
 優秀になれば、すべきことをしていればそういう肩書も手に入るだろう。けれど、なりたいなど考えた事もなかった。
 答えない俺を見てエリザベートは首をかしげる。

 「違うの? じゃあ何のためにそんなに勉強しているのかしら。勉強が好きなの?」

 何のため?理由なんかない。そうするべきだからそうしているだけで。そのために好き嫌いは不要だ。
 よくわからない事ばかり聞かないでほしい。混乱する俺に、エリザベートは爆弾を落とした。

 「じゃあ、そんなにする必要ないんじゃない?」

 こいつは何を言っている? 社会に望まれ、自身がやり遂げるべきことを投げ出せというのか。他でもない公爵令嬢が?
 
 「貴族が怠けていては国民にも示しがつかないよ。俺たちがやらなければ国は衰退していくばかりだし、必要とかじゃなくそういうものだろう」
 「勉強ばっかりじゃなくなったって、他に何もしないってわけじゃないでしょう? アルは十分やっているし、少しくらい休んだって誰も怒らないわ」

 呑気なことを言う幼なじみに、幼子に言い聞かせる気持ちになった。

 「好きに生きていけるのは3歳までだよ。平民だって労働しなきゃ生きていけない。それと同じだ」
 「あなたのそれは、休まず働けと言っているようなものよ。人間は駒ではないのだから、義務のように課しては例え好きなことでも辛くなるわ。休息や余暇や目標があってこそ、お仕事だって捗るというものだもの。ねえ、アルは一度だって好きに行動したことがあるの?」

 エリザベートは一歩も譲らず、いつになく熱弁を奮っている。埒が明かない、と判断した俺は会話を終わらせにかかる。

 「好き嫌いを行動原理にしたことはないよ。休まない必要があるなら休みなんかいらないし、そうするべきだからそうしているだけ。怠惰に価値はない。できることをやらなければ国を腐らせるだけだ。もういいだろう」
 「そんなのまるでロボットだわ」

 驚いた。まるで会話を終わらせてくれない。俺の言葉は聞こえていなかったのだろうか。
 聞き馴染みのない言葉を例えに出されてもよくわからないし、公爵家に伝わる謎か何かかな。一切興味もないけれど。

 「そうするべきだなんて、誰があなたにそう言ったの? おばさまもおじさまも、あなたに勉強しろとか宰相になれだなんて言ったことはないはずよ。お二人はいつも、アルフレッドが望むようにさせてやりたいって仰っているもの」
 「誰に、って」

 そう言われると困る。
 確かに親からそんなことを言われたことはないが、個は集団の利となるよう動くべきだ。それに、姉とあの豚息子とをパートナーにするような親がどの面を下げて子供の望むようになどと言うのか。

 「好きなことの一つもなくて、やりたくもないことをし続けるなんて人間に生まれた意味がないわ。好きにやったことが他人の迷惑にならなければそれでいいし、もし誰かの役に立ったならすごいことよ。せっかく自由になる体と人生があるのだし、どうか粗末に扱わないで」

 べきとか必要とか、まずそういう考え方が良くないわ、と言われて、俺は押し黙ってしまった。
 能力を生かそうとしない、させない愚鈍な人間は人生の無駄遣いだと思っていたが、エリザベートは俺の方こそ人生を棒に振っていると言う。
 価値の置き方は人それぞれだということだろう。俺のような考え方が少数であることは知っている。だからこそ、国が腐りきらないために何とかしようとしていたのに。人間に生まれた意味がない、とまで言われて、ここにきて俺は方向を見失ったような気分になった。

 「それに、オルガ様のように好きな人と結ばれて子を為したいと思う女性がいる限り、国が滅びることはないんじゃないかしら。賢い人みんなが官僚になってしまって子供が出来なければ、それこそ滅亡よ。人あっての国だもの」
 「待って、姉さんが何だって?」

 突然の事に冒頭しか拾えなかった。面食らう俺に、エリザベートは微笑む。

 「最近よくオルガ様がおばさまといっしょにうちへいらっしゃるの。以前、館の外で野良犬に襲われそうになった時に居合わせたハインリヒ様に助けて頂いて、一目惚れだったと聞いたわ。社交界のデビューも無理を言ってハインリヒ様に合わせたのですって」

 姉上が、望んであいつと?だめだ、理解が追い付かない。
 とりあえず分かることは、どうやら一人で盛大な空回りをしていたらしいということだけ。

 「私のお父様とお母様も一目惚れで結婚したのよ。お母様ったら、女の仕事は子供を産む事よ、なんて言うくせに、でも相手は絶対に選びなさいなんて仰るんだもの。私も望まれて幸せに暮らしたいわ」

 肩を落とす俺をよそに、エリザベートはひとりきゃあきゃあと楽しそうに喋っている。

 「人間、できる事とやりたい事って違うこともあるじゃない? それが一致すれば、こんなに素敵なことはないわ。でも、生まれた時点では状況も能力も何一つ選べない。それで腐るのも諦めて順応するのも、それは一つの方法だろうけど」

 ふと目を伏せる。

「――だけど、どんなに困難でも、私は幸せに楽しい人生を送りたい。その未来を実現するためなら、私はどんな努力でもするつもりよ。それが頑張る原動力になるの」

 再び視線を上げたエリザベートの深い緑の目は強い意志の光を放っていて、つい引き込まれそうになった。
 恋愛しか頭にない思考停止のわがまま娘かと思っていたけれど、こんなことも言うのか。恵まれているように見える貴族の娘にもそれなりの障害や苦難は付き纏う。彼女なりの壁もあるのだろう。お気楽そうな面ばかり見てその点を考慮できていなかった時点で、俺の視野はまだ狭小に過ぎたようだ。

 姉に対してもそうだ。俺の価値観を姉に押し付けて機会を奪われていると憤っていたが、当の本人がそこに価値を置いていないのならば俺はただの道化ではないか。
 視界が急に開けた気がして、正直戸惑っている。今まで万人がこうすべき、と信じて突き進んできたものは他人にとっての正解ではなかった。積み重ねてきた歪んだものがまっさらに塗り変えられて、けれど悪い気はしない。

 「この先、あなたは何を好きになってどうありたいと思うようになるのかしら。好きなものが出来たら、私にも教えて頂戴ね」

 この際、わだかまりは全て解いておこうか。
 


 その夜、俺は帰宅した父の書斎を訪ねた。
 息子からの珍しい私的な訪問を、父は快く受け入れてくれる。

 「父上は、俺に宰相になってほしいと思いますか」

 直截に尋ねると、少し悲しそうに笑った。
  
 「お前がそれを目標に掲げているようだと言うのは聞いていたよ。大方、私がなれなかったことを気にさせているんだろうね。親としての答えはもちろんそうだが、私個人としてはどちらでもかまわない」
 
 想像通りの答えが返って来る。
 
 「別に宰相になどなれなくても、お前の価値は何も変わらないよ。嫌なら勉強をやめたってかまわない。それよりも、親や家のしがらみに囚われて、お前が自分の人生を歩めない事の方がよほど問題だ」

 父の率直な気持ちを聞いて、それ以上顔をあげていられなくなった。
 その日、俺の4年間に渡る壮大な一人相撲は幕をおろしたのだった。



 しかし、次の日からも俺の生活は変わらない。相変わらず勉強漬けの毎日だった。
 姉さんは不釣り合いに見えるパートナーに心酔しているし、父上は宰相に重用される上、比較的早く帰れて家族の顔を見られる今の役職を絶対に手放したくないと言う。

 俺の思いは完全に大きなお世話だったわけだが、それでも世の中、先立つものは能力である。さらに、目先の目標も出来た。漫然と義務化した作業より自分の意志で行う方が圧倒的に効率がいいのは事実だったし、とりあえずはこれを教えてくれたエリザベートが、例え馬鹿な男に引っかかって裸で放り出されたとしても、俺が拾い上げて何不自由ない暮らしを送らせてやれるまでになろうと思う。
 
 そう決めてしばらくして、エリザベートに俺を選ばせた方が効率がいいことに気づいた。
 それとなく公爵夫人にアピールを続け社交界デビューのパートナーに収まってからは、幼稚な意地を張ったことで下がったかもしれない株を回復することに努める。
 エリザベートが尊敬の視線を向けてくることは変わらず、その辺は杞憂に終わったが、関わりが増えたことで彼女の一挙手一投足に目を奪われ心を動かされる自分に気づいた。

 同時に以前母上に聞いた王子との噂を思い出し尋ねてみると、彼女はあっさりと肯定した。
 衝撃だったのはそれそのものより、そのことに少なからずショックを受けている自分自身だった。その場ではすぐに取り繕ったものの、ずっと頭から離れない。

 母上たちは明らかに婚約者選びを意識した作法や細かな所作をエリザベートに仕込んでいるし、彼女は彼女でこのところぐんと大人びたような気がする。いくら数学ができようと国史を隅々まで把握していようと、そんなものは何も役に立たない。俺の手の届かないところでエリザベートは王子を選ぶのだろうか。
 女性の成長は早い。同い年では彼女に追いつけない。エリザベートより年上で、誰よりも高いところにいるアレクサンダー王子なら、きっと彼女に並ぶことが出来るのだろう。

 焦りを抑えられず、ダンスの練習の際に口を滑らせたことがある。
 告白まがいのセリフを吐いたが、エリザベートは幼なじみの特権だなどとにこにこしていて、まるで伝わったようではなかった。改めて、彼女との距離を痛感させられる。

 そして、今日。
 ゴーシェナイト公爵邸の夕食の席で公爵の通達を聞き、いつになく表情を消した彼女の顔を見て、これが詰みだと知った。ボードゲームではいつも相手を追いつめる側にいて、それが当たり前だと思っていた。負けることがこんなにも苦しいことだなんて知らない。さらに俺は、駒を動かせる立場にいない。これが本当の詰みだ。
 
 俺は、ただ無力感を噛みしめて当日を迎えた。
 

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