冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
第九話 ゴブリン相手に無双
早速依頼を受けた僕達は既に薬草を必要量採取した。
町を出た僕達は幼い冒険者が森の入り口周辺で薬草を採取しているのを無視し、奥まで来ていた。
森の奥にはもう少しましな装備をした冒険者が入っているが、僕達のような普段着の冒険者はいなかった。
心が優しいのだろう冒険者の一部は僕達の姿を見て声をかけようとしたが、逃げるように人のいない方に駆けた。
そこにあった薬草の群生地で薬草を採取したのである。
競争相手がいないから楽だった。
「じゃあ第一回ゴブリン討伐を開催します!」
サクラとクロウはワ―、パチパチパチとノリがいい。
「はいラウールさん! 今回のゴブリン討伐の目標は何でしょう?」
「良い質問ですサクラさん! それは、決めていません!」
「え~、このノリでそんな答えなのラウール? せめてこれまでの最高記録を更新だー! でいいんじゃないの?」
「それもいいんだけどね、サクラは今回の人生はどれくらいまでなら目立ってもいい?」
「ん、そうね~、最後の人生ってわかってるから、そこまで自重しなくてもいいんじゃない。勝手がわからなかった前回の人生も面白かったけど、今度は違う生き方をして楽しむのもいいんじゃあないかな?」
「我はどっちでもいいけど面白いほうが良い!」
「そうだね、僕も今回はそこまで自重しなくてもいいと思ってたんだ。だけど、便利な魔法だけは秘密にしようかなって。だから、ゴブリンを倒す前に何かの革を手に入れてマジックバッグを作っちゃおうかなと思っているんだけど。」
そう僕が言うとサクラは笑顔になり、クロウも羽ばたき喜びを示している。
前世では人目があると自重していたから、クロウは特に動きにくかったみたいなんだよね。
それが今回は隠す手間が少ないからストレスも少なくなるんだろうな。
「我あっちにゴブリンの集団と、オーガかな? シチランジンのオーガと似たような気配を感じた!」
クロウのマッピングは少し不便になったが、僕達より遠くまで状況を確認できるし、一度通ったところは記憶されるようだ。
「じゃあオーガの革もついでに手に入れて、そこにゴブリンの討伐部位を入れて行こっか! サクラもそれでいいでしょ!」
「いいわよ! じゃあ競争よ!」
サクラの合図でクロウが示す方向に走り出した。
魔法で飛行もできるけど、肉体の感覚をつかむために体を動かしている。
・・・・
・・・・
猛スピードでゴブリンがいるという所に到着すると、ゴブリンの集団ではなく、集落を発見した。
クロウの感覚だと、オーガのような気配がゴブリンを従わせている様子だ。
「これくらいなら工夫もいらないかな? じゃあサクラ、クロウ誰が一番倒せるか競争だ!」
「わかったラウール! だけど、オーガだけは残しておこうか? この世界の魔物の強さを把握するために?」
「そうだよラウール! 我が感じる強さとこの世界の人間が感じる強さは違うと思うよ!」
「ん~、そうだね……じゃあオーガは残しておくことと、お互いが傷つかないように攻撃魔法は極力使わないことにしようか?」
特に反対もなく僕の提案通り殲滅することになった。
粗末な柵や門を壊し集落に入って行く。
見張りや門番を見て感じたが、この世界のゴブリンも小さかった。
百三十センチほどの身長で、やせた体。
上位種らしきホブゴブリンは百八十センチほどの筋骨隆々な体。
ゴブリンメイジらしき魔物は杖のような物も持っている。
流石に集落ともなると数や種類も多く、武器も持っていた。
そのゴブリンの観察を終えてさっそくクロウが高速で移動を開始した。
クロウが通り抜けた痕は直ぐにわかり、ゴブリンが切り裂かれていた。
負けじとサクラも右手を剣状に変えゴブリンを切りつける。
この手を変化させる術は変化の術の応用番で、魔王を倒した後に魔の森で練習しできるようになったものだ。
その剣の手は魔力を通し、ゴブリンなど紙を切り裂くように倒していく。
他の人間には見せることのできない業だ。
僕も負けじと走り出す。
僕は門番さんにもらったナイフを握り魔力を通す。
脆いナイフは大きな魔力に耐えることが難しいが、繊細な魔力コントロールで鋭利なナイフに変化させる。
そのナイフを的確に急所に刺すことで絶命させていく。
次々と倒されるゴブリンは二百匹はいた。
しかし僕達の速さは十分この世界でも異常で、数分でゴブリンはいなくなった。
流石に先ほどまでゴブリンの鳴き声でざわついていた場所が静かになったからか、建物と言っていいのか、粗末な穴倉からオーガが出てきた。
そのオーガは興奮し、僕達を威嚇してくる。
十分に状況はつかんでいるようだ。
「ラウール! 我このオーガから感じるのはゴブリンと似た気配。多分ゴブリンが進化してオーガになっているよ!」
「進化!! その素晴らしい響き……。この世界の魔物の進化は他の種族にもなるのか?」
「我感じているのはゴブリン! 遠くてわからなかったけど、このオーガはゴブリンだよ! ゴブリンオーガとでも言ったらどうかな?」
ゴブリンオーガ……。
もしかして、このゴブリンオーガが進化すると、ジェネラルとかキングになるのかな?
それともオーガの進化先にもなるのかな?
これは知りたい情報だな……。
「じゃあ私がやってもいい? ラウールとクロウがやりたいなら引くけど?」
特に自分でやりたいわけでもないので、僕達はサクラに任せることにした。
「じゃあ死んで!」
そうサクラが言いながら手の剣を振り下ろすと魔力の斬撃がゴブリンオーガを襲い、真っ二つとなった。
やはりあっけない。
ゴブリンの集落はあっけなく壊滅した。
僕達は全ての討伐部位を切り取ることをあきらめ、僕の亜空間収納の解体に任せることにした。
そして解体された討伐部位の右耳を袋に入れることにした。
魔石もあるので、そちらも取り出しておく。
価値が分からないが、ゴブリンオーガの革を魔法で鞄に変え、付与魔法でマジックバッグ化した。
マジックバッグに討伐部位と魔石を入れて街へと戻ることにした。
僕がマジックバッグを作っている傍らでは、サクラとクロウが集落にある価値のある物は全て回収してくれていた。
町を出た僕達は幼い冒険者が森の入り口周辺で薬草を採取しているのを無視し、奥まで来ていた。
森の奥にはもう少しましな装備をした冒険者が入っているが、僕達のような普段着の冒険者はいなかった。
心が優しいのだろう冒険者の一部は僕達の姿を見て声をかけようとしたが、逃げるように人のいない方に駆けた。
そこにあった薬草の群生地で薬草を採取したのである。
競争相手がいないから楽だった。
「じゃあ第一回ゴブリン討伐を開催します!」
サクラとクロウはワ―、パチパチパチとノリがいい。
「はいラウールさん! 今回のゴブリン討伐の目標は何でしょう?」
「良い質問ですサクラさん! それは、決めていません!」
「え~、このノリでそんな答えなのラウール? せめてこれまでの最高記録を更新だー! でいいんじゃないの?」
「それもいいんだけどね、サクラは今回の人生はどれくらいまでなら目立ってもいい?」
「ん、そうね~、最後の人生ってわかってるから、そこまで自重しなくてもいいんじゃない。勝手がわからなかった前回の人生も面白かったけど、今度は違う生き方をして楽しむのもいいんじゃあないかな?」
「我はどっちでもいいけど面白いほうが良い!」
「そうだね、僕も今回はそこまで自重しなくてもいいと思ってたんだ。だけど、便利な魔法だけは秘密にしようかなって。だから、ゴブリンを倒す前に何かの革を手に入れてマジックバッグを作っちゃおうかなと思っているんだけど。」
そう僕が言うとサクラは笑顔になり、クロウも羽ばたき喜びを示している。
前世では人目があると自重していたから、クロウは特に動きにくかったみたいなんだよね。
それが今回は隠す手間が少ないからストレスも少なくなるんだろうな。
「我あっちにゴブリンの集団と、オーガかな? シチランジンのオーガと似たような気配を感じた!」
クロウのマッピングは少し不便になったが、僕達より遠くまで状況を確認できるし、一度通ったところは記憶されるようだ。
「じゃあオーガの革もついでに手に入れて、そこにゴブリンの討伐部位を入れて行こっか! サクラもそれでいいでしょ!」
「いいわよ! じゃあ競争よ!」
サクラの合図でクロウが示す方向に走り出した。
魔法で飛行もできるけど、肉体の感覚をつかむために体を動かしている。
・・・・
・・・・
猛スピードでゴブリンがいるという所に到着すると、ゴブリンの集団ではなく、集落を発見した。
クロウの感覚だと、オーガのような気配がゴブリンを従わせている様子だ。
「これくらいなら工夫もいらないかな? じゃあサクラ、クロウ誰が一番倒せるか競争だ!」
「わかったラウール! だけど、オーガだけは残しておこうか? この世界の魔物の強さを把握するために?」
「そうだよラウール! 我が感じる強さとこの世界の人間が感じる強さは違うと思うよ!」
「ん~、そうだね……じゃあオーガは残しておくことと、お互いが傷つかないように攻撃魔法は極力使わないことにしようか?」
特に反対もなく僕の提案通り殲滅することになった。
粗末な柵や門を壊し集落に入って行く。
見張りや門番を見て感じたが、この世界のゴブリンも小さかった。
百三十センチほどの身長で、やせた体。
上位種らしきホブゴブリンは百八十センチほどの筋骨隆々な体。
ゴブリンメイジらしき魔物は杖のような物も持っている。
流石に集落ともなると数や種類も多く、武器も持っていた。
そのゴブリンの観察を終えてさっそくクロウが高速で移動を開始した。
クロウが通り抜けた痕は直ぐにわかり、ゴブリンが切り裂かれていた。
負けじとサクラも右手を剣状に変えゴブリンを切りつける。
この手を変化させる術は変化の術の応用番で、魔王を倒した後に魔の森で練習しできるようになったものだ。
その剣の手は魔力を通し、ゴブリンなど紙を切り裂くように倒していく。
他の人間には見せることのできない業だ。
僕も負けじと走り出す。
僕は門番さんにもらったナイフを握り魔力を通す。
脆いナイフは大きな魔力に耐えることが難しいが、繊細な魔力コントロールで鋭利なナイフに変化させる。
そのナイフを的確に急所に刺すことで絶命させていく。
次々と倒されるゴブリンは二百匹はいた。
しかし僕達の速さは十分この世界でも異常で、数分でゴブリンはいなくなった。
流石に先ほどまでゴブリンの鳴き声でざわついていた場所が静かになったからか、建物と言っていいのか、粗末な穴倉からオーガが出てきた。
そのオーガは興奮し、僕達を威嚇してくる。
十分に状況はつかんでいるようだ。
「ラウール! 我このオーガから感じるのはゴブリンと似た気配。多分ゴブリンが進化してオーガになっているよ!」
「進化!! その素晴らしい響き……。この世界の魔物の進化は他の種族にもなるのか?」
「我感じているのはゴブリン! 遠くてわからなかったけど、このオーガはゴブリンだよ! ゴブリンオーガとでも言ったらどうかな?」
ゴブリンオーガ……。
もしかして、このゴブリンオーガが進化すると、ジェネラルとかキングになるのかな?
それともオーガの進化先にもなるのかな?
これは知りたい情報だな……。
「じゃあ私がやってもいい? ラウールとクロウがやりたいなら引くけど?」
特に自分でやりたいわけでもないので、僕達はサクラに任せることにした。
「じゃあ死んで!」
そうサクラが言いながら手の剣を振り下ろすと魔力の斬撃がゴブリンオーガを襲い、真っ二つとなった。
やはりあっけない。
ゴブリンの集落はあっけなく壊滅した。
僕達は全ての討伐部位を切り取ることをあきらめ、僕の亜空間収納の解体に任せることにした。
そして解体された討伐部位の右耳を袋に入れることにした。
魔石もあるので、そちらも取り出しておく。
価値が分からないが、ゴブリンオーガの革を魔法で鞄に変え、付与魔法でマジックバッグ化した。
マジックバッグに討伐部位と魔石を入れて街へと戻ることにした。
僕がマジックバッグを作っている傍らでは、サクラとクロウが集落にある価値のある物は全て回収してくれていた。
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