冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
都市の門前にて
門を潜る方法がわからないラウールは一度門番さんに身分を証明し、中に入ることができないか聞いたが、「今は誰も通ることが出来ません。」と言われた。
すぐに入れなくとも、魔王討伐があるだろうから、どうしたらいいのか確認するが、「わかりません。」と言うだけだった。
普段はいない門番さんだから、元々は都市の中で働いている騎士だろうが、急なことで方針が決まっていないのだろう。
僕は一度門から離れ、デーブンに魔王が出現したことを報告した。各所に連絡をとってほしいと依頼もした。
そのあとで僕たちはみんなで話し合った。
「とうとう魔王が出たね。強行突破でもいいけど、みんなはどう思う?」
「我も力業!」
「俺も!」
「私は反対です。」
「ちょっとみんな考えて! 正面から力業はダメよ! 目立たないようにするには外から全力で魔法を唱えたらいいのよ!」
サクラ・・・、それは力業だよ・・・。
「ゴメン! 僕が悪かった・・・。どうしようか? みんなが集まるまで待つ?」
「みんなが集まるまでなんて、どれくらいかかるのよ・・・。たぶん二十日はかかるんじゃないの?」
「勇者がいる場所が情報通りならね。でもその前に偉い人が動くんじゃない? 国とかギルドとか。」
「偉い人が~! 話し合う時間ばかり長い人たち? 待っていたら後手に回るわよ!」
そうなんだよね。
話し合いが長くても中身がないだろうから・・・。
どっちがいいかな?
後手に回るハンデと先手をとって楽をするのは・・・。
「我思う! ラウールはどっちがいい? ラウールが目立つのと回りが目立つの!」
ここは即答だろう。
「回りだね! 僕が目立つのは避けたい。」
「だったら我はラウールに言いたい! 待ったら?」
そうだよね。きっと僕たちならなんとかなる。何かが起こっても自分達だけは大丈夫だし、守りたい人がいる位置も遠い。
・・・
・・・
結局は少し離れたところでキャンプを始めた。
主役となる人物が集まるまでは黙っている。
一緒に行動するかは決めていないが、待つ姿勢だ。
~~~~~
日がたつにつれ都市の中から人が出てきて離れていく。
反面、騎士や冒険者が集まってくる。
誰かが指揮をしているのだろう。秩序ある行動をして、今まで出会ったこともある人物もちらほらいた。
交易都市群なこの地方。ここよりはトップダウンな指揮系統があっているのだろう。
一番始めに秩序ある行動を始めたのがガイア率いる冒険者ギルドだった。
次に戦闘力は低いが荷物運び情報ギルドだ。デーブンは少し遅れたが、指示をするところが多かったらしく、ちょっとだけ痩せて見えた。
国に所属する騎士が一番集まりが悪く遅れていたが、騎士が統制がとれてきたあたりで、都市の動きがなくなった。
第十三都市から出てくる者がいなくなり、禍々しい気配が強くなってくる。
クロウが言うには残っている生物は全て敵対している気配があり、ダンジョンを囲むように配置されているそうだ。
~~~~~
「俺はガイアだ! お前らは俺を知っているな! ようやく態勢が整った! あれから14日、勇者も急ぎ駆けつけた。これから魔王討伐に向かおうと思う! 命が惜しいやつは帰れ!! これは練習じゃない・・・、本番だ!」
「「「「ファー~~~!!!」」」」
「勇者の出番もあるぞ! コウキ、任せた!」
・・・・
・・・・
「私は・・・、いや、俺はコウキ・・・。今回召喚された勇者だ! ・・・・俺は何のために生まれ故郷から強制的に離されたのか・・・?」
・・・・
・・・・
「この世界を責めているわけではない!」
・・・・
・・・・
「俺は結果を出す・・・。これを成し遂げないと、何のためにここに来たかわからないじゃないか!!!」
「「「「ほぉーーーー!!」」」」 
「行くぞお前ら!!!」
「「「「ふぇーーーーいーーー!!!!!!!!!!」」」」
大歓声だ!
やるじゃないか。
内容は恨み辛みに聞こえるが、やる気が漲るなら何でもいい。
「次はデーブン、何かを頼む!」
デーブンには期待されているのかいないのか、微妙なテンションで話を降られている・・・。
「どうも~、荷物運び情報ギルドのデーブンで~す!」
・・・・
・・・・
つかみは失敗だ・・・。
憧れの目を向けている人もいるが・・・。
「静かですね!  ・・・・と、それはさておき、この世界の危機です!」
ゴクン
誰かの喉が鳴った
「俺は元々は護衛以来をしながら移動を続けるパーティーに所属していた」
・・・・・
「だが、ある冒険者に出会い、強さも必要だと考えた。」
・・・
「だが俺にはそこまでの力はなかった・・・・。戦闘力においてだが。」
ザワ
「俺には戦うことでみんなを幸せにはできない。だが違う行動でここまでこれた、そう戦い以外でがんばる! そこが大切だった 。俺の今の行動で何かが変わる! 俺のだぞ! ただの一般的な冒険者が目的を持っただけで・・・・。そう、今のお前たちの気持ちのように!」
ザワザワザワ!
「俺は願う・・・。お前たち一人一人が英雄になることを・・・。何か一つ頑張るだけでお前たちの価値が変わる・・・。俺がそうだったように、お前たちにしかできないことがある! やるんだ今、今やることで何かが変わる・・・・。俺はそれを信じている・・・。」
・・・・
・・・・
大勢の人の声で何を言っているのか聞き取れない。だが僕が二十年、いや、前世も合わせても経験がないほど声で世界が塗りつぶされている。
デーブン、お前の言葉は僕にも響いた・・・!
さあ出陣だ!
まずはダンジョン付近を制圧する。
いつも以上に精神的に満たされ、気合いが入りすぎてやり過ぎないか心配してラウールを見ているソフィアだった・・・。
すぐに入れなくとも、魔王討伐があるだろうから、どうしたらいいのか確認するが、「わかりません。」と言うだけだった。
普段はいない門番さんだから、元々は都市の中で働いている騎士だろうが、急なことで方針が決まっていないのだろう。
僕は一度門から離れ、デーブンに魔王が出現したことを報告した。各所に連絡をとってほしいと依頼もした。
そのあとで僕たちはみんなで話し合った。
「とうとう魔王が出たね。強行突破でもいいけど、みんなはどう思う?」
「我も力業!」
「俺も!」
「私は反対です。」
「ちょっとみんな考えて! 正面から力業はダメよ! 目立たないようにするには外から全力で魔法を唱えたらいいのよ!」
サクラ・・・、それは力業だよ・・・。
「ゴメン! 僕が悪かった・・・。どうしようか? みんなが集まるまで待つ?」
「みんなが集まるまでなんて、どれくらいかかるのよ・・・。たぶん二十日はかかるんじゃないの?」
「勇者がいる場所が情報通りならね。でもその前に偉い人が動くんじゃない? 国とかギルドとか。」
「偉い人が~! 話し合う時間ばかり長い人たち? 待っていたら後手に回るわよ!」
そうなんだよね。
話し合いが長くても中身がないだろうから・・・。
どっちがいいかな?
後手に回るハンデと先手をとって楽をするのは・・・。
「我思う! ラウールはどっちがいい? ラウールが目立つのと回りが目立つの!」
ここは即答だろう。
「回りだね! 僕が目立つのは避けたい。」
「だったら我はラウールに言いたい! 待ったら?」
そうだよね。きっと僕たちならなんとかなる。何かが起こっても自分達だけは大丈夫だし、守りたい人がいる位置も遠い。
・・・
・・・
結局は少し離れたところでキャンプを始めた。
主役となる人物が集まるまでは黙っている。
一緒に行動するかは決めていないが、待つ姿勢だ。
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日がたつにつれ都市の中から人が出てきて離れていく。
反面、騎士や冒険者が集まってくる。
誰かが指揮をしているのだろう。秩序ある行動をして、今まで出会ったこともある人物もちらほらいた。
交易都市群なこの地方。ここよりはトップダウンな指揮系統があっているのだろう。
一番始めに秩序ある行動を始めたのがガイア率いる冒険者ギルドだった。
次に戦闘力は低いが荷物運び情報ギルドだ。デーブンは少し遅れたが、指示をするところが多かったらしく、ちょっとだけ痩せて見えた。
国に所属する騎士が一番集まりが悪く遅れていたが、騎士が統制がとれてきたあたりで、都市の動きがなくなった。
第十三都市から出てくる者がいなくなり、禍々しい気配が強くなってくる。
クロウが言うには残っている生物は全て敵対している気配があり、ダンジョンを囲むように配置されているそうだ。
~~~~~
「俺はガイアだ! お前らは俺を知っているな! ようやく態勢が整った! あれから14日、勇者も急ぎ駆けつけた。これから魔王討伐に向かおうと思う! 命が惜しいやつは帰れ!! これは練習じゃない・・・、本番だ!」
「「「「ファー~~~!!!」」」」
「勇者の出番もあるぞ! コウキ、任せた!」
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「私は・・・、いや、俺はコウキ・・・。今回召喚された勇者だ! ・・・・俺は何のために生まれ故郷から強制的に離されたのか・・・?」
・・・・
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「この世界を責めているわけではない!」
・・・・
・・・・
「俺は結果を出す・・・。これを成し遂げないと、何のためにここに来たかわからないじゃないか!!!」
「「「「ほぉーーーー!!」」」」 
「行くぞお前ら!!!」
「「「「ふぇーーーーいーーー!!!!!!!!!!」」」」
大歓声だ!
やるじゃないか。
内容は恨み辛みに聞こえるが、やる気が漲るなら何でもいい。
「次はデーブン、何かを頼む!」
デーブンには期待されているのかいないのか、微妙なテンションで話を降られている・・・。
「どうも~、荷物運び情報ギルドのデーブンで~す!」
・・・・
・・・・
つかみは失敗だ・・・。
憧れの目を向けている人もいるが・・・。
「静かですね!  ・・・・と、それはさておき、この世界の危機です!」
ゴクン
誰かの喉が鳴った
「俺は元々は護衛以来をしながら移動を続けるパーティーに所属していた」
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「だが、ある冒険者に出会い、強さも必要だと考えた。」
・・・
「だが俺にはそこまでの力はなかった・・・・。戦闘力においてだが。」
ザワ
「俺には戦うことでみんなを幸せにはできない。だが違う行動でここまでこれた、そう戦い以外でがんばる! そこが大切だった 。俺の今の行動で何かが変わる! 俺のだぞ! ただの一般的な冒険者が目的を持っただけで・・・・。そう、今のお前たちの気持ちのように!」
ザワザワザワ!
「俺は願う・・・。お前たち一人一人が英雄になることを・・・。何か一つ頑張るだけでお前たちの価値が変わる・・・。俺がそうだったように、お前たちにしかできないことがある! やるんだ今、今やることで何かが変わる・・・・。俺はそれを信じている・・・。」
・・・・
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大勢の人の声で何を言っているのか聞き取れない。だが僕が二十年、いや、前世も合わせても経験がないほど声で世界が塗りつぶされている。
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