冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

デーブンと情報交換

最近のご都合主義的な出会いは何なのだろう?
クロウの八咫烏パワーか、僕の運のおかげか?

そんなことを考えながらも転移でデーブンに会いに行き僕たちの得た情報を伝えた。

さすがのデーブンも驚いていたが、協力すると返事をもらった。
この情報はこの世界の元の住人には伝えることはためらわれるので、勇者たちだけに伝わるようにお願いした。

今勇者たちは大地たちを入れてテザン皇国とサーシン王国、フイエウ共和国とばらばらな所に滞在している。
自分たちの実力をつけるため積極的に魔物を討伐し、採取依頼などもこなし知識も得ているそうだ。
活動資金はあるとはいえ、自分たちの活動で十分資金を獲得している。
さすが勇者だ。

その勇者とやり取りをするため、出どころは内緒でデーブンからと話、念話の腕輪を渡すことにした。
さすがのデーブンでも物を一瞬で届けるのは不可能と言うので、僕たちが各国の荷物運び情報ギルドに転移し、勇者に荷物が届くように手配した。

行く先々で僕たちの事を知るギルド員からは羨望のまなざしを向けられる。
まったく、デーブンは僕たちの事をどれだけ美化しているのか・・・。

それはさておき、街に戻って来た勇者それぞれに腕輪は届き、設定も手紙に書いてある通りに終えたようで、デーブンに連絡が届いた。

勇者には元教育係から聞いたことを伝える。
あっ、また名前を聞いていないことを思い出したがしょうがない。

出来るだけ覚えている外見・・・、どこにでもいる農夫・・・。

一応は外見も伝えた。
付け加えておそらく転生者なこと。
悪い神から刷り込まれているだけで、おそらくは性格は悪くないこと。
そんなことも話してもらった。

勇者同士も連絡が取れるようにしてほしいという事で、もう一度僕たちが各国を回り、勇者に合わないようにギルド員を通し腕輪をいったん回収した。

お互いの魔力を認識させるために預けたり渡したりと数日かけて設定したが、満足してもらえたようだ。
何といってもまだ子供。
仲間数人と行動しているとはいえ寂しかったようだ。

~~~~~

勇者からも情報を得られた。

勇者もさすがに運が良いのか、四天王の部下と名乗る魔物とは戦いになっていたようだ。
四天王なんて嘘だろ?と思っていたが、確認が取れなくて誰にも言っていなかったようだが、本当にいるとわかり驚いていた。
ただ、転生者が魔王であれば納得できる部分もあったようだ。

勇者があった四天王の部下も強かったようで、全員でかかり自分たちは無傷でとはいかず何とか倒したそうだ。
出会うまでに強くなっていたからどうにかなったが、旅に出る前の状態だったら殺されていたと言う。

そんなことを聞き僕たちは話し合った。
もっといい装備が必要になるのではないかと。
今苦戦している状態で、一応四天王と名乗る魔物と戦うと死ぬ可能性もあるのではないか?

若い勇者が死んでしまうと夢見が悪い。
僕たちが年長者として、少し自重を捨てて援助をした方が良いのではないかと。

決まってしまえば行動は早かった。
僕以外は魔物討伐を続ける。
そして僕、ラウールは装備品と装飾品の作成に取り掛かる。
勇者の得意武器を作り、見た目ではわからないように高性能な防具を作る。
荷物運びにも便利なように空間収納が出来る腕輪の機能も通信の腕輪に付ける。

結局また各国に転移することになった・・・。

~~~~~

面倒でも苦労しただけの感謝を得られた。
数日かかったが、作成した物を渡すとデーブンに感謝の言葉が届いたそうだ。

僕たちが行ったとは言わないように念を押していたため、謎の人物にはお礼を言っておいてほしいとデーブンから言われた。

僕たちが死蔵している中でも最高の素材を使い、僕の魔力も相当込めている。
途中でクロウからも謎パワーで強化してもらい、この世界でも有数の装備品になったのではないか。

デザインはちょっと中二っぽくなったが満足だ。

装備品の性能は貴族には黙っているように念を押し、僕たちの援助はいったん終了となった。

その後は僕も帝都の魔物討伐に出ている。
その間にも勇者からデーブンに報告が入っている。

勇者も装備の性能確認のため魔物を大量に討伐して強さを上げている。
今まで苦戦していた魔物も余裕で一人で倒せるようになったと言っている。

そんな報告を聞きながらダイチたちの事を思い出した・・・。

・・・・
・・・・

また同じことの繰り返しだった・・・。
同じ援助をした。
ダイチたちは喜んだ。
ダイチたちはダンジョンに向かった。
余裕が出た。


勇者の中でもセツナがテザン皇国で取り残されているが、今はダイチたちと一緒にダンジョンに行けるようになったそうだ。

貴族の部下がダンジョンの入り口までついてくるものの、行動範囲は増えている。
ダイチたちからの報告ではセツナの実力は初めは低かったが、強くなる速さは相当なものだと驚いている。

さすが一番恩恵を受けている勇者だ。
このまま狭い範囲で行動しなければいけないが、順調に強くなってほしい。

ダイチたちにはできるだけ連れ出すようにデーブンを通し伝えてある。


これで勇者の強化も終わった。


次は何をしようか考えるラウールだった。

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