冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
ダイヤ伯爵の紋章
僕たちとダイヤ伯爵が会う、いやどちらかと言うとクロウのお披露目を行う場所の連絡が来た。
オーノー商会には今は婚約者もおらず、妥協してもらえないかと言うことだった。
いくら探しても、貴族と身元を知られたくない者がこっそり会うのは無理だった。
僕たちのホームではないが、クロウに気配察知を任せ、危ない場面があった場合は破壊してでも引き返すことにした。
人数も多いより、僕とクロウだけの方が良いと話し合い、他の仲間は観光に出掛けている。
そして今、オーノー商会の前に到着した。
オーノー商会に到着すると、入り口に立っていた女が声をかけてきた。
案内役と言うことで、十階まで一緒に歩いた。
十階では以前入ったところではない、立派な部屋に案内された。
ここまでクロウの気配察知で敵は現れていない。
クロウは姿を消しているが念話で話しかけてくる。
暫しクロウと話をしているとドアが開き、ダイヤ伯爵と執事、護衛の騎士が入ってきた。
「今日はありがとうラウール。それで八咫烏はどこにいるんだ? もしかして考えが変わってしまったか?」
ダイヤ伯爵は怒るよりがっかりしている様子だ。
「いえ、一緒に来ていますよ。ただ姿を確認できないようにしているだけです。」
「なんと! ラウールはそんなこともできるのか! 俺は気配を消すことまではできるが・・・。」
驚いた顔をしながらも対抗しているのか?
「そこは内緒です。じゃあクロウ、姿を見せて。」
呼び掛けられたクロウは僕の肩という定位置に留まっている。もちろん三本足でしっかりと落ちないようにしている。
「おお~~!」
ダイヤ伯爵は立ち上がり、クロウに触れようとしたので僕も立ち距離をとった。
「あっ! すまん! 攻撃をしようとしたのではなく、つい触れようとしてしまった。悪気はないんだ!」
まーそうだろうけど紛らわしい。
「急な行動は避けてくださいね。攻撃されたと思って自衛するのも貴族相手では大変なことになりますから。」
そう僕が言うとダイヤ伯爵は貴族なのに頭を下げた。執事も騎士も特に何も言わない。
「すまなかった・・・。ただ、触れさせてはくれないだろうか?」
「我嫌!」
クロウがそう話すとまたダイヤ伯爵と今度は執事に騎士も驚いていた。
「話には聞いていたが、本当に話すんだんな・・・。」
とクロウの一言で触れることは叶わなかったが、ダイヤ伯爵は伝承や神話が好きな話しぶりだった。
八咫烏の話から想像するには、おそらく前世の伝承や神話について話をし、僕は聞き役になっていた。
~~~~~
ダイヤ伯爵が良い笑顔になりながら話していたが、話題が蜥蜴人間に移った。
あれからも尋問を続けているが、どこまでも口を割らない。
そこで今後は帝都まで移送されるようだ。
何故そんな貴重な情報を話したのか確認すると、直接の依頼は禁止されているので、ギルドを通してきちんと僕たちに依頼するとの事だ。
冒険者ギルドと荷物運び情報ギルドのどちらに指名依頼を出したら良いか確認された。
んー、迷うな。
受けるか受けないかでいうと、受けようか。
魔王には興味があるし、被害が大切な人に向かないように。
ギルドか・・・。
僕が自分で話してしまったことだし、指名依頼か・・・。
荷物・・・、冒険者・・・。
・・・
・・・
「わかった。サクラが反対しなければ、冒険者ギルドでお願い。荷物運び情報ギルドになると、冒険者も一緒になるでしょ?」
「そうだな。騎士もいるが、荷物運び情報ギルドに依頼を出して、冒険者ギルドに依頼をしないのは不自然だしな。」
「じゃあ僕たちが冒険者ギルドで依頼を受けたら、一緒にいく人が減るでしょう?」
「そうだな、俺と俺についている騎士とが行く。婚約者は残して行くし、帝都でも会わないようにしよう。」
「帝都でも会わないようにって・・・。何人いるんですか?」
「ははは・・・、まー、それなりにな。」
最後は笑ってごまかされたが、罠でもないようなので、依頼を受けることにした。
~~~~~
次の日には依頼を出しておくと話すため、僕たちは冒険者ギルドで手続きをした。
商人風な格好で誤魔化さなくていいほどあっさりとした対応だった。
高ランク冒険者として尊敬の目を向けられたが、敵意もなく淡々と話をした。
指名依頼も早速受け、ダイヤ伯爵と会い、次に会うのは移送開始日と説明を受けた。
移送はダイヤ伯爵の馬車を使用して、周りを僕たちが守る。騎士もいるため、馬車の守備は騎士に任せ僕たちは攻撃主体だ。
僕たちが警戒したのが馬鹿みたいに、帝国で姿をさらしても何も反応はない。
もともと他の国でも騒がれることもなかったが・・・。
冒険者活動を休止する前に少しは特徴を出そうと考えていたくらい目立たない。
それはいいのだが、目立たなすぎるのも面倒事が出てくるか?
ソフィアはエルフの姿、ヤマトは大柄な猫の獣人。サクラはこの世界で珍しい日本人顔。
クロウなんてこの世界では唯一の存在。
僕が一番普通。
このメンバーで目立たないのはどうして?
目立つ目立たない、僕はどっちがいいのかな?
何かわからないが、認められたい気持ちはあるんだなと思ったラウールだった。
オーノー商会には今は婚約者もおらず、妥協してもらえないかと言うことだった。
いくら探しても、貴族と身元を知られたくない者がこっそり会うのは無理だった。
僕たちのホームではないが、クロウに気配察知を任せ、危ない場面があった場合は破壊してでも引き返すことにした。
人数も多いより、僕とクロウだけの方が良いと話し合い、他の仲間は観光に出掛けている。
そして今、オーノー商会の前に到着した。
オーノー商会に到着すると、入り口に立っていた女が声をかけてきた。
案内役と言うことで、十階まで一緒に歩いた。
十階では以前入ったところではない、立派な部屋に案内された。
ここまでクロウの気配察知で敵は現れていない。
クロウは姿を消しているが念話で話しかけてくる。
暫しクロウと話をしているとドアが開き、ダイヤ伯爵と執事、護衛の騎士が入ってきた。
「今日はありがとうラウール。それで八咫烏はどこにいるんだ? もしかして考えが変わってしまったか?」
ダイヤ伯爵は怒るよりがっかりしている様子だ。
「いえ、一緒に来ていますよ。ただ姿を確認できないようにしているだけです。」
「なんと! ラウールはそんなこともできるのか! 俺は気配を消すことまではできるが・・・。」
驚いた顔をしながらも対抗しているのか?
「そこは内緒です。じゃあクロウ、姿を見せて。」
呼び掛けられたクロウは僕の肩という定位置に留まっている。もちろん三本足でしっかりと落ちないようにしている。
「おお~~!」
ダイヤ伯爵は立ち上がり、クロウに触れようとしたので僕も立ち距離をとった。
「あっ! すまん! 攻撃をしようとしたのではなく、つい触れようとしてしまった。悪気はないんだ!」
まーそうだろうけど紛らわしい。
「急な行動は避けてくださいね。攻撃されたと思って自衛するのも貴族相手では大変なことになりますから。」
そう僕が言うとダイヤ伯爵は貴族なのに頭を下げた。執事も騎士も特に何も言わない。
「すまなかった・・・。ただ、触れさせてはくれないだろうか?」
「我嫌!」
クロウがそう話すとまたダイヤ伯爵と今度は執事に騎士も驚いていた。
「話には聞いていたが、本当に話すんだんな・・・。」
とクロウの一言で触れることは叶わなかったが、ダイヤ伯爵は伝承や神話が好きな話しぶりだった。
八咫烏の話から想像するには、おそらく前世の伝承や神話について話をし、僕は聞き役になっていた。
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ダイヤ伯爵が良い笑顔になりながら話していたが、話題が蜥蜴人間に移った。
あれからも尋問を続けているが、どこまでも口を割らない。
そこで今後は帝都まで移送されるようだ。
何故そんな貴重な情報を話したのか確認すると、直接の依頼は禁止されているので、ギルドを通してきちんと僕たちに依頼するとの事だ。
冒険者ギルドと荷物運び情報ギルドのどちらに指名依頼を出したら良いか確認された。
んー、迷うな。
受けるか受けないかでいうと、受けようか。
魔王には興味があるし、被害が大切な人に向かないように。
ギルドか・・・。
僕が自分で話してしまったことだし、指名依頼か・・・。
荷物・・・、冒険者・・・。
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「わかった。サクラが反対しなければ、冒険者ギルドでお願い。荷物運び情報ギルドになると、冒険者も一緒になるでしょ?」
「そうだな。騎士もいるが、荷物運び情報ギルドに依頼を出して、冒険者ギルドに依頼をしないのは不自然だしな。」
「じゃあ僕たちが冒険者ギルドで依頼を受けたら、一緒にいく人が減るでしょう?」
「そうだな、俺と俺についている騎士とが行く。婚約者は残して行くし、帝都でも会わないようにしよう。」
「帝都でも会わないようにって・・・。何人いるんですか?」
「ははは・・・、まー、それなりにな。」
最後は笑ってごまかされたが、罠でもないようなので、依頼を受けることにした。
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商人風な格好で誤魔化さなくていいほどあっさりとした対応だった。
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移送はダイヤ伯爵の馬車を使用して、周りを僕たちが守る。騎士もいるため、馬車の守備は騎士に任せ僕たちは攻撃主体だ。
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