冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
国王とカーシン伯爵
戦争前からの出来事になる。
「カーシン。その冒険者を信頼していいのか?」
品の良い部屋で上座に座る者がカーシン伯爵に問いかけた。
「はい。私の息子、クロースからの情報から、信頼できる判断しました。」
「それで、どんな役割を与えるのだ。」
「それはこれから考えます。冒険者をそばに置くことを良しとしない者もおりますので。」
「そうか・・・、怪しいな。」
「怪しいとは?」
「強者が戦争に参加することは喜ぶことで、反対するものではない。そばに居ることだけを反対するのであればわかるが・・・。」
「その者たちは、戦争に参加することすらよしとは言っておりません。」
「背後にも注意しろよ。そして生きて帰るのだ。お前は王国にとって必要な人材だ。」
「ありがたき。それでは出発いたします。」
~~~~~
「陛下。無事勝利を納めました。」
「おうカーシン、聞いたぞ! 本当のことかあの報告は?」
「はい。私の目の前で起きましたので。」
「そうか・・・。凄まじいな・・・。」
「はい。あらかじめ出来ると思うと聞いておりましたが・・・、あれほどとは。そして、あの者が言う通り、王国の兵士の犠牲者は、裏切り者でしょう。あれから調査をいたしましたところ、帝国に通じていた証拠が出て参りました。」
「なんと・・・。」
「そこで相談なのですが、あの者たちは目立ちたくないそうです。」
「いや・・・、無理だろう? 顔は見えなくとも、あの出来事を起こした者へ報奨を与えないなんてことは、国としてあり得ない!」
「一番目立たない方法はございませんか?」
「いやっ、どうやっても目立つだろう。」
「それでは報奨だけで、裏切り者とは言え、王国兵士をも殺した罰は無いと言うことでよろしいですか?」
「もちろんだ! そして、敵になったことを考えると恐ろしい・・・。その者を放置しておいてもよいのか?」
「放置も何も、どうしようもないでしょう。ただ、あの者が大切のしている人物や物に害が及ばなければ、敵にはならないでしょう。」
「あの者が大切にしているものとは?」
「両親、仲間、良い関係を築いた数名。一番はその者たちでしょう。」
「よし! 徹底的に調べるのだ! どこかのバカが手を出して王国の敵にならないように!」
「御意!」
王国の一室で行われた会話だった。
敵に回すと途轍もない被害となる。
味方にも完全には引き込めないようだ。
無視も出来ない。
だから、この先のことは信頼できるものたちで考えようと決めた国王だった。
「カーシン。その冒険者を信頼していいのか?」
品の良い部屋で上座に座る者がカーシン伯爵に問いかけた。
「はい。私の息子、クロースからの情報から、信頼できる判断しました。」
「それで、どんな役割を与えるのだ。」
「それはこれから考えます。冒険者をそばに置くことを良しとしない者もおりますので。」
「そうか・・・、怪しいな。」
「怪しいとは?」
「強者が戦争に参加することは喜ぶことで、反対するものではない。そばに居ることだけを反対するのであればわかるが・・・。」
「その者たちは、戦争に参加することすらよしとは言っておりません。」
「背後にも注意しろよ。そして生きて帰るのだ。お前は王国にとって必要な人材だ。」
「ありがたき。それでは出発いたします。」
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「陛下。無事勝利を納めました。」
「おうカーシン、聞いたぞ! 本当のことかあの報告は?」
「はい。私の目の前で起きましたので。」
「そうか・・・。凄まじいな・・・。」
「はい。あらかじめ出来ると思うと聞いておりましたが・・・、あれほどとは。そして、あの者が言う通り、王国の兵士の犠牲者は、裏切り者でしょう。あれから調査をいたしましたところ、帝国に通じていた証拠が出て参りました。」
「なんと・・・。」
「そこで相談なのですが、あの者たちは目立ちたくないそうです。」
「いや・・・、無理だろう? 顔は見えなくとも、あの出来事を起こした者へ報奨を与えないなんてことは、国としてあり得ない!」
「一番目立たない方法はございませんか?」
「いやっ、どうやっても目立つだろう。」
「それでは報奨だけで、裏切り者とは言え、王国兵士をも殺した罰は無いと言うことでよろしいですか?」
「もちろんだ! そして、敵になったことを考えると恐ろしい・・・。その者を放置しておいてもよいのか?」
「放置も何も、どうしようもないでしょう。ただ、あの者が大切のしている人物や物に害が及ばなければ、敵にはならないでしょう。」
「あの者が大切にしているものとは?」
「両親、仲間、良い関係を築いた数名。一番はその者たちでしょう。」
「よし! 徹底的に調べるのだ! どこかのバカが手を出して王国の敵にならないように!」
「御意!」
王国の一室で行われた会話だった。
敵に回すと途轍もない被害となる。
味方にも完全には引き込めないようだ。
無視も出来ない。
だから、この先のことは信頼できるものたちで考えようと決めた国王だった。
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