冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
今の【黒猫】の全力
あっという間に開戦だ。
あれから帝国貴族からの宣戦布告があり、戦争状態になった。
王国も準備は進めており、国境近辺で戦端が開かれた。
まだ小競り合いと言う程度だが、お互いに死者は出ている。
ラウールは死者が出ている事に心を痛めたが、自分の出番がまだだという事で何とか動かずにいた。
それもこれも、【黒猫】が今回の総大将、カーシン伯爵の傍にいることを良しとしないものがいた。
それでもカーシン伯爵が上手く事を運び、黒ローブのフードで顔を隠しながら、護衛と言うことでそばにいる。
これは予想内であったため気にも留めなかったが、先んじて攻撃することが出来なかった。
僕は後悔していたが、今、この時点で目の前に敵がいる状況になり、心を平静に保とうとしている。そう、とうとう敵と向かい合ている状況だった。
隣では、敵を目の前にしたカーシン伯爵が相手に怒鳴っている。
「帝国とはいかに卑怯か!? 我が忠誠を誓う王国の地を狙うとは!!」
相手の偉そうな人物も怒鳴りつけた。
「この地は誰のものでもない! 我が帝国に差し出すのだ!! 我は帝国の次期後継者の先兵である!!」
おい・・・、この地は誰のものでもないなら。帝国の者でもないだろう・・・。
「そうはさせない! 今のバランスで平和な世の中になっているのだ! ここで争うことで、また戦争の時代にしたいのか!!」
カーシンが叫び返した。
「そうではない! だまって帝国にすべてをよこせば何も問題ない!!」
相手の偉そうな人が叫ぶと、ラウールの心の傷がうずいた。
黙って!! 何を! 偉いと思っている者に従えと!!
殺気が充満しだした・・・。
その充満した殺気を感じた者は、カーシン伯爵の傍にいることを反対したことを後悔した。
戦争の後に敵にはしたくないとラウールを見ていた。
「くっ! 帝国の者よ! それでは開始しようではないか!? どちらが生き残れるかを!」
殺気を浴びたカーシン伯爵は早々にあきらめた。
「おう! 王国の者よ! 我らの精鋭の力を見よ! 行け!」
wawaw--gaga--waーwowowowo--!!!
戦端は開かれた。
目の前で本気の攻撃が繰り広げられている。
「じゃあお願い、サクラもクロウも合わせて・・・。」
「「わかった!」」
「「「我が願いを聞け 我らの前にある敵対する魔力は我に来い すべてを喰らいつくせ我が魔力 我に従う魔力よ 我に協力する魔力よ この地の魔力よ 我は願う 今敵対する声明を拒絶することを 我が願いは平穏 平穏を崩す者は敵 敵は滅ぶべき者 一間選べ 天雷の裁き!」」」
その瞬間静寂が一間訪れた。
味方はもちろん、敵も静まり返る。
そして次の瞬間、稲妻が駆け巡り轟音が響く。
稲妻が敵陣、味方の陣営を駆け巡り、命を散らす・・・。
あ~あれは裏切りの光・・・
あ~あれは敵対する者への罰・・・。
味方にも裏切り者がいたようだ。
この魔法は、僕にもだが、それよりもこの国に害するものを罰する詠唱。
詠唱で罰を与える範囲を決めたのだが・・・。
思っていたよりも味方陣営にも罰が・・・。
「・・・ラウール? 味方の被害はなかったのでは?」
カーシン伯爵が聞いてきた。
「味方? この魔法は、王国に敵対するものを攻撃するように設定した魔法。僕だけではなく、サクラとクロウも一緒に唱えているので、僕だけの判断ではないですよ。」
・・・・・
・・・・
カーシンは考えた。
味方にも単純に攻撃するのなら、ここまで決まった人物だけに攻撃は行かないと。
攻撃を喰らったものに、自分自身が怪しんでいたものもいることも確認していた。
・・・
「今攻撃された者は王国の敵だ!!」
カーシン伯爵は宣言していた。
そして目の前で生き延びている帝国兵士にも言った。
「お前たちは王国に敵対していないものと考える。だから投降しろ!! 悪いようにはせん!! 武器を置け!!」
そう言われた兵士たちはすぐに武器を置き、手を万歳の様に上げて降参している。
「ラウール? 言いたいことは色々あるが、それは全てが終わった後でな! 今はこの戦争を終わらせる。幸いお前たちの姿を確認できたのは俺の傍にいる者たちだけだ。」
そう、この辺の人たちは、僕たちの詠唱を聞いている。
「俺のこの声を聴いている者よ! しばらくは他言無用だ! 国王には俺から説明する!」
あ~、そうだよな。僕たちのことは国王には報告は行くよな。
僕は覚悟はしていたが実感した。
そして大量虐殺も・・・。
「俺の声が聞こえた者よ。俺たちは勝利した! すべての勝利は王国へ!! すべての不利益は俺にもってこい!! いくらでも背負ってやる!」
!!
カーシン伯爵・・・。
かっこいいよあなたは。
僕たちの憂いを除こうと・・・。
帝国との関係は悪くなるのかもしれない。
しかし今は両親の生活環境が守れたことを喜んでおこう。
「ラウールとサクラ、ありがとう!! ここまで犠牲が少ない戦争もないぞ!! 防衛戦とはいえ、これは俺たちの勝利だ!! これから嫌であろうが、国王には会ってもらわなければいけない。俺が無理は言わせないが、頼む! 何かあっても王国だけは見捨てないでくれ・・・。国王はいい奴だ! 周りの奴らは置いておいても・・・。お前たちは俺が守る!!」
守るって・・・。
何かが起きるんだろうな・・・。
覚悟はしておく。
ただ残念のなのは、帝国に旅することが難しくなっている事かな?
そう余計なことを考えながらも時間は過ぎていく。
戦場からは人の気配がなくなっていき、人だったものもなくなっていく。
地形も均され、何事もなかったような状態になっていく。
宿で休みながら時間が過ぎ、僕たちはどうなるのか?
この先の心配をしているラウールだった。
あれから帝国貴族からの宣戦布告があり、戦争状態になった。
王国も準備は進めており、国境近辺で戦端が開かれた。
まだ小競り合いと言う程度だが、お互いに死者は出ている。
ラウールは死者が出ている事に心を痛めたが、自分の出番がまだだという事で何とか動かずにいた。
それもこれも、【黒猫】が今回の総大将、カーシン伯爵の傍にいることを良しとしないものがいた。
それでもカーシン伯爵が上手く事を運び、黒ローブのフードで顔を隠しながら、護衛と言うことでそばにいる。
これは予想内であったため気にも留めなかったが、先んじて攻撃することが出来なかった。
僕は後悔していたが、今、この時点で目の前に敵がいる状況になり、心を平静に保とうとしている。そう、とうとう敵と向かい合ている状況だった。
隣では、敵を目の前にしたカーシン伯爵が相手に怒鳴っている。
「帝国とはいかに卑怯か!? 我が忠誠を誓う王国の地を狙うとは!!」
相手の偉そうな人物も怒鳴りつけた。
「この地は誰のものでもない! 我が帝国に差し出すのだ!! 我は帝国の次期後継者の先兵である!!」
おい・・・、この地は誰のものでもないなら。帝国の者でもないだろう・・・。
「そうはさせない! 今のバランスで平和な世の中になっているのだ! ここで争うことで、また戦争の時代にしたいのか!!」
カーシンが叫び返した。
「そうではない! だまって帝国にすべてをよこせば何も問題ない!!」
相手の偉そうな人が叫ぶと、ラウールの心の傷がうずいた。
黙って!! 何を! 偉いと思っている者に従えと!!
殺気が充満しだした・・・。
その充満した殺気を感じた者は、カーシン伯爵の傍にいることを反対したことを後悔した。
戦争の後に敵にはしたくないとラウールを見ていた。
「くっ! 帝国の者よ! それでは開始しようではないか!? どちらが生き残れるかを!」
殺気を浴びたカーシン伯爵は早々にあきらめた。
「おう! 王国の者よ! 我らの精鋭の力を見よ! 行け!」
wawaw--gaga--waーwowowowo--!!!
戦端は開かれた。
目の前で本気の攻撃が繰り広げられている。
「じゃあお願い、サクラもクロウも合わせて・・・。」
「「わかった!」」
「「「我が願いを聞け 我らの前にある敵対する魔力は我に来い すべてを喰らいつくせ我が魔力 我に従う魔力よ 我に協力する魔力よ この地の魔力よ 我は願う 今敵対する声明を拒絶することを 我が願いは平穏 平穏を崩す者は敵 敵は滅ぶべき者 一間選べ 天雷の裁き!」」」
その瞬間静寂が一間訪れた。
味方はもちろん、敵も静まり返る。
そして次の瞬間、稲妻が駆け巡り轟音が響く。
稲妻が敵陣、味方の陣営を駆け巡り、命を散らす・・・。
あ~あれは裏切りの光・・・
あ~あれは敵対する者への罰・・・。
味方にも裏切り者がいたようだ。
この魔法は、僕にもだが、それよりもこの国に害するものを罰する詠唱。
詠唱で罰を与える範囲を決めたのだが・・・。
思っていたよりも味方陣営にも罰が・・・。
「・・・ラウール? 味方の被害はなかったのでは?」
カーシン伯爵が聞いてきた。
「味方? この魔法は、王国に敵対するものを攻撃するように設定した魔法。僕だけではなく、サクラとクロウも一緒に唱えているので、僕だけの判断ではないですよ。」
・・・・・
・・・・
カーシンは考えた。
味方にも単純に攻撃するのなら、ここまで決まった人物だけに攻撃は行かないと。
攻撃を喰らったものに、自分自身が怪しんでいたものもいることも確認していた。
・・・
「今攻撃された者は王国の敵だ!!」
カーシン伯爵は宣言していた。
そして目の前で生き延びている帝国兵士にも言った。
「お前たちは王国に敵対していないものと考える。だから投降しろ!! 悪いようにはせん!! 武器を置け!!」
そう言われた兵士たちはすぐに武器を置き、手を万歳の様に上げて降参している。
「ラウール? 言いたいことは色々あるが、それは全てが終わった後でな! 今はこの戦争を終わらせる。幸いお前たちの姿を確認できたのは俺の傍にいる者たちだけだ。」
そう、この辺の人たちは、僕たちの詠唱を聞いている。
「俺のこの声を聴いている者よ! しばらくは他言無用だ! 国王には俺から説明する!」
あ~、そうだよな。僕たちのことは国王には報告は行くよな。
僕は覚悟はしていたが実感した。
そして大量虐殺も・・・。
「俺の声が聞こえた者よ。俺たちは勝利した! すべての勝利は王国へ!! すべての不利益は俺にもってこい!! いくらでも背負ってやる!」
!!
カーシン伯爵・・・。
かっこいいよあなたは。
僕たちの憂いを除こうと・・・。
帝国との関係は悪くなるのかもしれない。
しかし今は両親の生活環境が守れたことを喜んでおこう。
「ラウールとサクラ、ありがとう!! ここまで犠牲が少ない戦争もないぞ!! 防衛戦とはいえ、これは俺たちの勝利だ!! これから嫌であろうが、国王には会ってもらわなければいけない。俺が無理は言わせないが、頼む! 何かあっても王国だけは見捨てないでくれ・・・。国王はいい奴だ! 周りの奴らは置いておいても・・・。お前たちは俺が守る!!」
守るって・・・。
何かが起きるんだろうな・・・。
覚悟はしておく。
ただ残念のなのは、帝国に旅することが難しくなっている事かな?
そう余計なことを考えながらも時間は過ぎていく。
戦場からは人の気配がなくなっていき、人だったものもなくなっていく。
地形も均され、何事もなかったような状態になっていく。
宿で休みながら時間が過ぎ、僕たちはどうなるのか?
この先の心配をしているラウールだった。
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