冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

ラウール16歳

僕ラウールは16歳になった。
この一年の成長はこんな感じだ。


 「ステータス!」


 名前:ラウール 
職業:冒険者 
LV:72→98 
HP:890→1722 
MP:2320→2946 
 体:777→1587 
 心:2145→2598 
 運:91 
ユニークスキル:すくすく育つ・看る 
 スキル:解析・学習・アイテムボックスX・忍びの技・魔法(全)・戦闘(全)・解体・自然回復(全)・状態回復(全)・空間転移・空間把握 
 加護:才能の神の加護・創造神の加護 
 称号:地球人・心は中年・才能の神が見てる人・両親への信頼・両親からの信愛・ジェノサイド・乗り越えた者・逃亡者・ダンジョン攻略者中級・漆黒の翼・黒猫・無神経・後悔先に立たず・神に逢える者 


 *運以外は100が25歳の平均値


 能力のピークは一般的な人では25歳と言われている世界で、僕は魔力も高く、神の力も加わっているのでもっと先になると思う。だけどももうここまで強くなっている。
ようやく成長期になってきたのか、ステータスの延びは今までより大きくなっている。


 今のステータスではどこまで1対1で倒せるのかを知りたいが、比較することが出来ない。
Sランクのミノタウルスの変異種も多分1対1でも倒せると思うが、これがドラゴンとかになると、どれくらい強いのか想像もつかない。


ダンジョンでお宝さがしと戦いが続いたから、次は何をしようかな?


 今はサクラのロマン武器、大鎌のいいやつを探したいとも考えているけど、作ってもらうのがいいか、ダンジョンに潜り続けるかは考え中だ。


 ~~~~~~~


 「おめでとうラウール! 16歳になったね! 今日は私がお祝いするから、楽しみにしてて!」
サクラは笑顔を浮かべてラウールに話しかけてきた。
ここはまだ宿屋わかば。
 今日の予定は全てサクラが立ててくれている。


 僕は誕生日をサクラとクロース、クリスくらいにしか教えていない。
 両親はもちろん知っているが、この街で僕の誕生日を知っているのは、サクラ位だ。


 朝食はいつも通り宿屋で食べ、サクラに言われるがまま、街に出た。


[ラウール、今日は私のいう事を聞いていてね。お祝いしたいから色々と考えてるんだ!」


 「ありがとうサクラ。じゃあ今日はお任せするよ。」


そうラウールの返事を聞くと、ラウールを連れて、街の外に出た。
 街の外に出て1時間程度歩いたところに湖がある。そこまでサクラとここまでの旅の思い出を語りながら移動していた。


 湖につくとサクラは、魔導コンロを取り出した。


 「ラウール?私がこの世界に来て初めて気合を入れて料理をふるまいたいんだけど、出来るまで待っててくれるかしら?」
そうサクラが下ごしらえをした材料を次々と取り出した。


ラウールはこれまでサクラがもしかしたら作るかもよ、と言いながらも作ってくれなかった料理をすると言ってくれてうれしかった。
サクラは前世で料理についてのトラウマがあると思っていた。それを乗り越えて作ってくれる・・・。
とてもうれしい出来事だった。


 「サクラ、じゃあ作るところを見ていてもいい?」


そう言うとサクラはちょっと恥ずかしがりながらも、
 「いいわよ!私の手際を見て驚かないでね?」
と言いながら、料理に取り掛かっていった。


サクラの料理の手際は良かった。
 良かったと言うかすごかった。
1つの作業をしていたかと思うと次の作業に取り掛かり、更に次の作業に取り掛かりと、あっという間に目の前にごちそうが並んでいく。
 温度まで考えていて、温かいものは温かいうちに出すように、順番まで考えられているようだった。


ザザザザ!
シャシャシャシャ
 ジュージュージュー!


いいにおいが漂ってくる。


・・・・・
 ・・・・・
 ・・・・・


目の前で料理をしているサクラは楽しそうだ。
 時々笑顔?と言うかにやにやしながら料理を作っている。
その姿を見た僕までニヤニヤしてしまう・・・。


 「はいラウール完成よ! 一緒に食べよう!」


 目の前には、
 野菜炒め。うまそうな肉のステーキに見たことのないようなソースがかかっている。それに様々な食材が煮込まれたスープ。そして主食に米!
 僕が大好きな食事が目の前にあった。


 「おいしそ~! 早速食べてもいい!?」


 「もちろん! 全部食べてね!」


 「「じゃあ! いただきまーす!!」」


そう言いながら2人は食事を開始した。


 「うまい! うまいよサクラ!!」


 「ほんと!」


 「ほんとだよ!! うまい! こんなうまいご飯は初めてだ!!」


 「うれしよラウール! また作ってあげるね!」


 「ほんと! うれしいよ!」


そう2人は何が何だか褒めたりお礼を言ったりと、はたから見るとカップルか? と言うような甘い雰囲気を漂わせていた。


そして食事を食べ終わり、一息ついたときにサクラは一つの箱を取り出した。


 「ラウール。これは私からの誕生日プレゼント・・・。喜んでもらえたら嬉しいんだけど・・・。」


ラウールは笑顔で受け取り、
 「開けてみてもいい?」
と聞き、返事をもらってから中身を見た。


 【銀の指輪:呪い耐性付与】
 銀色の指輪だった。そしてこの付与は高いものなのでは・・・。
 値段を持ち出すのも無粋だけど、サクラは無理していないのか?


 「ありがとう! 本当にうれしいけど、大丈夫?」


 「ん~、やっぱり気にした? けど大丈夫。私も色々と頑張ってたのよ? 一人の時間もあったでしょ? その時にね。それで、私もお揃いの指輪を買っちゃった!」


 「お揃い? ちょっとびっくりした!? でも効果は呪いに耐性が付くから、僕達にはぴったしだね。パーティーでお揃い装備もいいね!」


 「ふふふふっ。そうね!」


2人は幸せそうだった。
 同郷と言う所から始まった2人の旅だったが、確かな絆が築かれていることがよくわかる1日だった。

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