冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
【闘牛の迷宮】のボス
【闘牛の迷宮】のボスの間の前まで来ている。門の前に列はなく、順番待ちはないようだ。そこで、一気に行こうと、ラウールは門に手をかけた。
 「開かない・・・。」
 今誰かがボスの間にいるようだ。そうすると討伐するか、冒険者が倒されるかしないと門は開かない。
そこでラウールとサクラは、いったん休憩することにした。食事はとっており、夕食には早い時間。そう、この2人は通常は数日かけるダンジョンを1日で攻略しようとしていた。
そして、休憩しようとアイテムボックスXに手を入れ、飲み物を取ろうとしたその時、門が開き、冒険者たちが駆け出してきた。その冒険者たちは、
 「くそっ!こんな時に変異種か!! 大丈夫かアラン!」
 「くっ!!ちょっときついな。この傷は深いようだ・・・。俺を置いて行ってくれデボルト・・・。」
 「仲間を置いていけるわけないだろ! 大丈夫だ! 何とかする! ビビアン! 回復魔法を!」
 「ごめんデボルト・・・、もう魔力が・・・。変異種から攻撃を受けたクムートを回復したらもう限界だった・・・。」
 「すまん・・。俺が深手を負ったばっかりに・・・。ポーションももうない・・・。」
 「仕方がないじゃないか! 変異種が出る事なんてほとんどなかったのに・・・。俺たちも復帰をちょっと焦っていたが、予想はできなかった・・・。」
 目の前の冒険者たちはラウール達の存在を認識していない。それだけの何かがあったようだ。
しかし目の前のアラン?と言う人物は腹部からの出血が凄く、今すぐにでも回復する必要がある。
いい人たちであってくれ。
そう思いながらラウールは冒険者たちの近くに行き声をかけた。
 「僕は回復魔法を使えますが、手助けは必要ですか?」
そう言うと初めて冒険者はラウールに気づき、ビックリした表情をしていた。
しかし深手を負った仲間が心配なのか、
 「頼む! ここから出たら払えるだけのものは払う! 俺の金で足りなければ、装備も売ってでも払う!! 頼むから仲間を・・・。」
そう言って、ラウールの実力もわからないのにすがってきている。
うん、悪い人ではなさそうだ。そしてこのくらいなら、
 適当に詠唱し、
 「ヒール・・・。」
そう言うと目の前のアランと言われた男の傷は、巻き戻しがされたように回復していった。
 「「「「うお~!!」」」」
 「ヒール?こんなのヒールじゃない・・・。もっと高位の魔法・・・。」
そうビビアンと呼ばれた冒険者が呟いている。
そのあとは冒険者たちにものすごく感謝された。
 仲間が死にそうだったこと。回復魔法が使える冒険者が近くにいた幸運。すべてに感謝していた。
その冒険者たちは帰還すると言う。
 帰還は転移陣でと言っていたので、ラウール達がボスを討伐したらラウール達が先につくが、次の日には会えると思うと言うことで、明日の待ち合わせで、冒険者ギルドで会う事とした。
 【木陰の光】Cランクの冒険者パーティーだった。
 *Cランクの魔物は、Cランクの戦闘力がある冒険者が3人いると勝つことが出来るくらい。
そして、中にいる変異種は黒いから上位種だと言われ、ラウール達にもやめておいたほうが良いと言っていたが、そこは自己責任で先に進み、厳しそうなら逃げるからと伝えた。
さすがに決心が固いと思ったからか、【木陰の光】は帰還するために戻っていった。
 ~~~~~~~~~
ボス部屋に入ったラウールの目の前には、黒いミノタウルスがいた。
 【ミノタウルス変異種】黒いミノタウルス:3ⅿ弱くらいの身長:人と牛が合わさったようなごつい肉体:黒い巨大な斧を持っている。
 「ブモ~!!」
いきなりミノタウルスは突進してきた。そして目の前まで迫られると、斧を振り上げた。
 「「ちょっ!!!」」
ラウールとサクラはそれぞれ左右に離れ躱した。
 「ボボボ!!」
とサクラに向け走り出した。
サクラに向かうミノタウルスに向け、ラウールは「アイスニードル!」と鋭利な氷を飛ばした。
しかしミノタウルスは、魔力を感じたのか、斧でアイスニードルを防いだ。
 「大丈夫かサクラ!!」
 「大丈夫よラウール!! けど、強い!!」
そう言ってサクラはストーンバレット!と弾丸のような石の塊を大量に飛ばした。
しかしミノタウルスはその攻撃も斧ではじき、あたった魔法でも、表面を傷つける程度だった。
 「ラウール!今までの魔物程度で考えていたらダメージも与えられない!? どうする!」
 「サクラ! 今の力で全力で行くぞ! 自分で得意なやり方で攻撃するぞ!!」
そうラウールが言うと2人はそれぞれの攻撃を開始した。
ラウールは月光に魔力をまとわせミノタウルスに駆け寄り、サクラは魔力を込めてミノタウルスの足をめがけて、エアカッターを放った。
ラウールの動きに対応しようとしていたミノタウルスは、サクラのはなったエアカッターを完全には躱せず、左足の膝から下を切断された。
ミノタウルスはバランスを崩し、倒れこみそうになった時、ラウールが首を狙い攻撃をした。
ミノタウルスは斧で剣を防ごうとしたが、ラウールはそのまま斧に剣を力いっぱい叩き付けた。
ミノタウルスはそのまま床に押し付けられた。
その瞬間にサクラは大鎌でミノタウルスの首を狩った。
 魔力をまとわせた刃は、すっと切り裂いた。
 「ふ~・・・。倒した?ラウール大丈夫?」
 「ふ~、大丈夫だよサクラ。首が離れているから、倒したよ。疲れた・・・。」
 2人はあっさりとSランクの魔物を倒した。
しかしそれは今までとは全然違った。
 余裕をもって対決すると逆にやられる可能性がある。
 全力を出したときには勝つことはできる。
この緊張感は今まで味わったことがなかった。
これではもっと接戦となる時、長期戦となるときは、やられる可能性がある。
 2人は危機感を持った。
これが大型で、もっと防御が強ければ・・・。
もっと攻撃力が高く、自分たちがダメージを食らうなら・・・。
もっと僕達より早く動ける魔物だったら・・・。
 今の現状ではSランクのミノタウルス程度が精一杯なレベルだと感じた。
ぎりぎりで勝てるくらいでいいなら、もっと強くてもいいかもしれない。
しかし2人は安全圏を残したい。
 旅が目的な2人は、ぜいたくな悩みをしていた。
 強くなると心に決めた。安全に旅をするために。Sランクが安全圏を残して倒せる程度の魔物だと。
 全力の魔法を叩き込んだら・・・、もっと楽かな?
そう思いながら、転移陣に行き、ダンジョンの入り口に戻るラウール達であった。
 採取:Sランク ミノタウルスの体 ミノタウルスの魔石込み ミノタウルスの巨大斧
 宝箱:牛革のコート(特殊効果なし)
 「開かない・・・。」
 今誰かがボスの間にいるようだ。そうすると討伐するか、冒険者が倒されるかしないと門は開かない。
そこでラウールとサクラは、いったん休憩することにした。食事はとっており、夕食には早い時間。そう、この2人は通常は数日かけるダンジョンを1日で攻略しようとしていた。
そして、休憩しようとアイテムボックスXに手を入れ、飲み物を取ろうとしたその時、門が開き、冒険者たちが駆け出してきた。その冒険者たちは、
 「くそっ!こんな時に変異種か!! 大丈夫かアラン!」
 「くっ!!ちょっときついな。この傷は深いようだ・・・。俺を置いて行ってくれデボルト・・・。」
 「仲間を置いていけるわけないだろ! 大丈夫だ! 何とかする! ビビアン! 回復魔法を!」
 「ごめんデボルト・・・、もう魔力が・・・。変異種から攻撃を受けたクムートを回復したらもう限界だった・・・。」
 「すまん・・。俺が深手を負ったばっかりに・・・。ポーションももうない・・・。」
 「仕方がないじゃないか! 変異種が出る事なんてほとんどなかったのに・・・。俺たちも復帰をちょっと焦っていたが、予想はできなかった・・・。」
 目の前の冒険者たちはラウール達の存在を認識していない。それだけの何かがあったようだ。
しかし目の前のアラン?と言う人物は腹部からの出血が凄く、今すぐにでも回復する必要がある。
いい人たちであってくれ。
そう思いながらラウールは冒険者たちの近くに行き声をかけた。
 「僕は回復魔法を使えますが、手助けは必要ですか?」
そう言うと初めて冒険者はラウールに気づき、ビックリした表情をしていた。
しかし深手を負った仲間が心配なのか、
 「頼む! ここから出たら払えるだけのものは払う! 俺の金で足りなければ、装備も売ってでも払う!! 頼むから仲間を・・・。」
そう言って、ラウールの実力もわからないのにすがってきている。
うん、悪い人ではなさそうだ。そしてこのくらいなら、
 適当に詠唱し、
 「ヒール・・・。」
そう言うと目の前のアランと言われた男の傷は、巻き戻しがされたように回復していった。
 「「「「うお~!!」」」」
 「ヒール?こんなのヒールじゃない・・・。もっと高位の魔法・・・。」
そうビビアンと呼ばれた冒険者が呟いている。
そのあとは冒険者たちにものすごく感謝された。
 仲間が死にそうだったこと。回復魔法が使える冒険者が近くにいた幸運。すべてに感謝していた。
その冒険者たちは帰還すると言う。
 帰還は転移陣でと言っていたので、ラウール達がボスを討伐したらラウール達が先につくが、次の日には会えると思うと言うことで、明日の待ち合わせで、冒険者ギルドで会う事とした。
 【木陰の光】Cランクの冒険者パーティーだった。
 *Cランクの魔物は、Cランクの戦闘力がある冒険者が3人いると勝つことが出来るくらい。
そして、中にいる変異種は黒いから上位種だと言われ、ラウール達にもやめておいたほうが良いと言っていたが、そこは自己責任で先に進み、厳しそうなら逃げるからと伝えた。
さすがに決心が固いと思ったからか、【木陰の光】は帰還するために戻っていった。
 ~~~~~~~~~
ボス部屋に入ったラウールの目の前には、黒いミノタウルスがいた。
 【ミノタウルス変異種】黒いミノタウルス:3ⅿ弱くらいの身長:人と牛が合わさったようなごつい肉体:黒い巨大な斧を持っている。
 「ブモ~!!」
いきなりミノタウルスは突進してきた。そして目の前まで迫られると、斧を振り上げた。
 「「ちょっ!!!」」
ラウールとサクラはそれぞれ左右に離れ躱した。
 「ボボボ!!」
とサクラに向け走り出した。
サクラに向かうミノタウルスに向け、ラウールは「アイスニードル!」と鋭利な氷を飛ばした。
しかしミノタウルスは、魔力を感じたのか、斧でアイスニードルを防いだ。
 「大丈夫かサクラ!!」
 「大丈夫よラウール!! けど、強い!!」
そう言ってサクラはストーンバレット!と弾丸のような石の塊を大量に飛ばした。
しかしミノタウルスはその攻撃も斧ではじき、あたった魔法でも、表面を傷つける程度だった。
 「ラウール!今までの魔物程度で考えていたらダメージも与えられない!? どうする!」
 「サクラ! 今の力で全力で行くぞ! 自分で得意なやり方で攻撃するぞ!!」
そうラウールが言うと2人はそれぞれの攻撃を開始した。
ラウールは月光に魔力をまとわせミノタウルスに駆け寄り、サクラは魔力を込めてミノタウルスの足をめがけて、エアカッターを放った。
ラウールの動きに対応しようとしていたミノタウルスは、サクラのはなったエアカッターを完全には躱せず、左足の膝から下を切断された。
ミノタウルスはバランスを崩し、倒れこみそうになった時、ラウールが首を狙い攻撃をした。
ミノタウルスは斧で剣を防ごうとしたが、ラウールはそのまま斧に剣を力いっぱい叩き付けた。
ミノタウルスはそのまま床に押し付けられた。
その瞬間にサクラは大鎌でミノタウルスの首を狩った。
 魔力をまとわせた刃は、すっと切り裂いた。
 「ふ~・・・。倒した?ラウール大丈夫?」
 「ふ~、大丈夫だよサクラ。首が離れているから、倒したよ。疲れた・・・。」
 2人はあっさりとSランクの魔物を倒した。
しかしそれは今までとは全然違った。
 余裕をもって対決すると逆にやられる可能性がある。
 全力を出したときには勝つことはできる。
この緊張感は今まで味わったことがなかった。
これではもっと接戦となる時、長期戦となるときは、やられる可能性がある。
 2人は危機感を持った。
これが大型で、もっと防御が強ければ・・・。
もっと攻撃力が高く、自分たちがダメージを食らうなら・・・。
もっと僕達より早く動ける魔物だったら・・・。
 今の現状ではSランクのミノタウルス程度が精一杯なレベルだと感じた。
ぎりぎりで勝てるくらいでいいなら、もっと強くてもいいかもしれない。
しかし2人は安全圏を残したい。
 旅が目的な2人は、ぜいたくな悩みをしていた。
 強くなると心に決めた。安全に旅をするために。Sランクが安全圏を残して倒せる程度の魔物だと。
 全力の魔法を叩き込んだら・・・、もっと楽かな?
そう思いながら、転移陣に行き、ダンジョンの入り口に戻るラウール達であった。
 採取:Sランク ミノタウルスの体 ミノタウルスの魔石込み ミノタウルスの巨大斧
 宝箱:牛革のコート(特殊効果なし)
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