冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

高ランク討伐依頼

サクラはラウールから自分のステータスを見る方法を聞いて練習した。
 練習と言っても、ステータスと言えば見えるもので、難しいものでもない。
そして、他の人のステータスを見れるわけでもないので、なんとなく自分の強さは普通の人の何倍強い程度の確認だが。


そしてステータスを見たサクラは、自分のステータスをラウールに教えだした。


 「ラウール、私、普通の人の10倍位強いみたい。魔法よりだと思うけど、MPが2000はある!体は400位だけど・・・。だけどこれって強いよね?」


 「強いと思うよ。僕もそれくらいはあるし、体に関いて言えば、僕は・・・、ちょっと待ってね。うん、800は超えてる。」


 「うわ~、私より強いね。」


 「数字だけではね。後はスキルとか経験でも違うと思うから。僕は8歳から冒険者だし、その前から鍛えられてたから、ひいきをなくしても強いと思うよ。」


 「さっすが~、チートオブチート! だけど私も頑張るね。」


 「そうだね。僕たちはまだまだこれからなんだから頑張ろうよ。」


 「だけどラウール?私たちって今のところ人相手には無双してるけど、魔物相手だとどれくらいの魔物迄倒せるんだろう?」


 「僕にもそこはわからないんだよね・・・。人間で一番強い相手は黒ローブ?魔物は何だろう。ワイバーンにあったこともあったけど、そんなに強そうでなかったしね。どうだろう?」


2人はどのくらい強くなっているのか気になってきた。
これからも先、魔物とは対峙していくと考えると、ここで一度ランクの高い魔物も討伐してみるのもいいのではないかと。


 「ラウール、冒険者ギルドに行って、ラウールが受けられる討伐依頼で、一番強い魔物討伐をしてみない?」


ん~と考えるポーズをしたラウールだが、
 「そうだね、一回行ってみようか。」


そう話し合った2人は朝食をとった後、冒険者ギルドに向かった。


 ~~~~~~~~~


 冒険者ギルドにて2人は高ランク依頼票を確認した。


 【アースドラゴンのうろこをとってきてほしい:ダンジョン内で討伐可能】
 【クリスタルゴーレムを討伐し、腕位の素材を募集:ダンジョン内に存在】
 【ゴブリンが増えていて、上位種が出現した可能性があり。ボス討伐もしくは調査を依頼したい:詳しくは受付で】
などと、ダンジョン内の依頼が多い。そして移動してくるまでの間、魔物が多かったのは、ゴブリンが増えて、街道に弱い魔物が押し出されてたのかな?
そう2人で話をしていたが、出来たら移動時間が少ない依頼がよかったため、じっくりと依頼票を確認していた。


・・・・・・
 ・・・・・・


決まらない・・・。
 何がいいのか・・・。
 受付で聞いてみる?
そうすることにした。


 受付の列に並び、ラウール達の順番が来た。目の前には茶髪ボブカットのベテランぽい人がいた。
 「本日のご用件は?」


 「今日は、依頼を見繕ってほしいんだけどいいかな?」
と冒険者プレートを提示した。


 「あら、そんなランクなのね。私はシトカと申します。ん~、少しだけお話を聞かせてね?」


そう言ってラウールとサクラ、シトカでどういった依頼を受けるのか話し合った。
ラウールの受けることが出来、あまり時間がかからず、高ランクの魔物と戦ってみたい。そういった説明をされ、シトカもいくつか質問をしてきて、どんな依頼がいいか考えている。


・・・・・
 ・・・・・


「この依頼なんかはどうですか?高ランクに確実に会うにはダンジョンがやはり最適です。街の周辺でも、高ランクの魔物の目撃情報はありますが、見つけるまでにかかる時間は予想がつきません。それでしたら、初めから時間を計算してダンジョンに入ることをお勧めします。そして、短くて、出来るだけ高ランクの魔物がいるダンジョンが、【闘牛の迷宮】で、全10階層ですが、迷宮ボスがミノタウルスになっています。Cランクの魔物ですが、時折変異種の出現も報告されています。普通では黄土色の皮膚ですが、変異種は黒いほど強いようです。今までで1番強かった変異種はSランクのパーティーを招集して討伐しました。」


 「ラウール?話を聞いてどう思う?」


 「ん~、もう少し情報が聞きたいかな? シトカさんダンジョンのボスは討伐するまでは同じなの?」


 「そうです。ボスは討伐するまで変わりません。ですから、今のボスを予想することが出来ませんが、今のところ帰ってこない冒険者の報告はありませんので、通常種が出現しているものと思います。ダンジョン自体の難易度はさほど高くはありませんし。ちなみに罠もほぼなく、代わりに宝物の出現も稀です。うまみは魔物の肉が売れる事ですかね。」


 「肉・・・、フォレストホーンも出現するのですか?」


 「フォレストホーンはまれですね。それでも討伐した場合は、高く肉が買い取られることから、不人気でもなく、人気でもないダンジョンになっています。


その話を聞いてラウールとサクラは少しだけ小声で話し合った。そしてこのダンジョンにしようと。


 「じゃあこの依頼を【黒猫】が受けます。よろしくお願いします。」


 「はい、ではミノタウルスの魔石採取の依頼の手続きを・・・。はい出来ました。この依頼を進めておいて言うのも変ですが、変異種の場合は無理せずに逃げてくださいね。AランクとCランクの2人では、通常種までが適切な難易度だと思いますから。このダンジョンは、ボスから逃げることが出来ますから。」


そういって、撤退の方法も教えてくれた。
 通常のダンジョンは部屋に入ったら、中の魔物を倒しきるまでは出ることが出来ない。しかし稀に戻ることが出来るダンジョンがあると言う。変異種が発見されるダンジョンに多いという事だ。


 色々な説明を受けた2人は冒険者ギルドを出て、ダンジョンに向かった。
2人が走れば、遠いとは言えない距離にある。

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