冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

対面 ご貴族様の息子

依頼を受け、顔合わせの当日となった。


さすがにご貴族様・・。貴族。いきなり集合はない。


 僕は冒険者ギルドに向かっている。


 貴族の護衛は初めてで、礼儀をどうしたらいいのか考えているうちに冒険者ギルドに到着した。そして、あれからずっと僕は【希望の家】に居候状態だった。


 ~~~~~


 冒険者ギルドまではカシマスさんとは別行動をした。親しくはなっているが、【希望の家】として依頼を受けたカシマスさんと、僕という関係がここにはある。やはり、家族同然と仲がいいくらいでは、これ以上の距離を詰めないようにしたほうがいい。別れがつらいから・・・。


そう思っているうちに冒険者ギルドについた。ギルドではもう当然のように2階に向かう。
 今回はギルマスの部屋ではなく、会議室だ。


 伯爵の息子であるからには、専属の護衛もいる。狭い部屋では、集まれないだろう。僕は1人・・・・。いつもソロ・・。
カシマスさんも【希望の家】のメンバーを2人連れ3人。
 伯爵家は何人のメンバーを連れて来るのか?


 ~~~~~~~~


 「おう!今回はよろしく頼む。俺はクロース。よろしくな。」


 僕はキョヲツカレタ。
 親と一緒で気さくだな。お金を払う場面で払わずに不意を突かれるような人ではないな・・・きっと・・。
 「今回はよろしくお願いします。ラウールと申します。ただラウールと呼んで下さい。」


 面白そうなものを見た顔で視線を追ってきたクロードは、
 「おう!父上から聞いているが、強いんだってな! 一度俺を守ているクリスと戦っているところが見てみたいところだ。」


クリス? 隣にいる僕より少し年上のような子かな?
 「めっそうもない。僕なんて一介の冒険者です。貴族様の護衛と戦うなんて・・。」


 「あまり言うと嫌味になるぞラウール! 強い奴が言う言葉ではない。周りがかわいそうだ。」


そういいながらみんなで自己紹介や、今回の護衛依頼の話しをした。今回は護衛で隣の国のハンブートまでの護衛依頼だ。フイエウ共和国とサーシン王国の貿易拠点である街だ。そこまでの依頼は思いのほか長期間に及ぶものになる。スタスデの街からサーシンまでの距離と同じくくらいの距離。おそらく進行速度を考えると1か月の期間を予想する。そうなるとここで良い関係を築いておくことも必要だろう。


 「この後、宴会をしませんか?僕はお酒を飲めませんが、15歳を過ぎている人なら飲んでもいいのでしょ?だったら、貴族とか冒険者とか、庶民とか関係なく、長い期間一緒に移動する仲間として行動しませんか?」
 僕的には賭けだった。これで乗ってこない貴族なら、一緒には1か月の単位では一緒にいられないと・・・。


 「いい案だラウール! どこにする?」


のってきたよこの貴族!?
 「希望の家の拠点に、食べ物やお酒を運び、そこで親睦を深めるのはどうでしょう?」
ここまで降りてこれるか試してしまった・・・。


 「おう!いいな! じゃあ準備してくるから、夕方に待ち合わせでいいか?」


 僕はびっくりしながらも
「じゃあおいしいものを準備しておきますね。」と答え、別れたのであった。


 「(前世で自炊していたことを思い出せ・・・。今世で食べたことのない料理。ほっぺが落ちるどころでなくなくしてやる)」


とクロースの返事がうれしく、久しぶりに舞い上がっていた・・・。


 自分が思っていた貴族像が違っていたことを考えていて・・・。

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