冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
散歩の終了
盗賊の拠点を壊滅後、盗賊のリーダーだけを生かし、街へ引き返すことになった。
カシマスは、ロドリゲスとローリーの死体をどうしたいか聞いてきたが、無言で首を振り答えた。
 僕は生まれた時だけ見た人を、親とは思えないと思っていた。しかし目の前にすると、いろんな感情が渦巻いた。そしてそれは、僕の動きも頭も鈍らせ、盗賊である人を討つことが出来なかった。
そして、自分自身の感情が揺さぶられたことにも困惑している。やはり、産んだだけの人でも、親は親で、特別な感情が残るのか?幸せにしてくれた父様、母様に悪いことをしているようで、気分が晴れない。
そんな状態でも、拠点をそのままにしておくわけにはいかず、カシマスの言葉で、拠点は焼き払うことになった。拠点にはどこからか奪ってきたものも大量にあった。それをそのままにしていくわけにはいかず、僕は特別な道具を持っていると説明して、全ての物を順番にアイテムボックスXに入れていった。もちろん偽造の袋に入れていくのだが・・・。
 荷物をすべて回収し、討伐した証拠となるよう、盗賊のリーダーを縛り連れてきた。そして「燃えろ」と言う言葉の後に、空から大量の火の雨を降らせた。拠点を囲んだ壁はそのままにしているので、森が燃えることはないだろう。ある程度燃えたことを確認し、帰路についた。
 ~~~~~~~~~~
 盗賊を連れているため、移動の速度はゆっくりだ。しかし、日が暮れる前に街につくように速度は調整していた。しばらく無言で進んでいたのだが、カシマスが突然口を開いた。
 「私が言う事ではないと思うけど・・・。私はクラン【希望の家】のリーダーをしている。そこにはいろいろな事情を抱えた人が一緒に暮らしている。家族を持っているメンバーは自宅を持っているが、一人で生活してきたものは、大体はクランの拠点で一緒に生活をしている。私は、クランのメンバーは家族だと思っている。メンバーの中には親に捨てられた者や、売られたもの、裏切られた者など様々な人がいる。しかし、私はメンバーが大切だ。そして善良な街の人々が大切だ・・・。大切なものが傷つくことが無いようにすることが、私の一番大切なことだ。」
と一息つき
「ラウール君にとって、育ててくれた親は大切な人。それでいだろう。そして産んでくれた両親。この人がいなければ、君はこの世にいなかった。だから、恨んでも・・・、恨んでもいいから、一つだけ・・・、この世に生まれさせてくれたことだけは感謝しよう。生まれていなければ、君の大切な人にも出会えなかったんだから。だから君の手で産んでくれた親を殺さなくてよかったんだ。子が親を殺すことは、自分をも否定するから・・・。だから、君の両親の死の責任は、年長者である僕、そして悪者の盗賊に押し付けるんだ。」
そうカシマスは言い、また言葉を発せずに歩き出した。
 僕はカシマスさんの言葉を聞いて考えていた。確かに僕を売った最低の親。しかし、この世に生まれさせてくれた親。大切な親は育ててくれたミック、ララ。産んだだけの親がロドリゲスとローリー。どんな最低な親でも・・・。
ああそうか・・・。僕がこだわっていたんだ。育ての親と僕が勝手に決めていたんだ。
どちらも結局は、親は親。
ただ大切な人は誰かだけ考えていたら良かったんだ・・・。
 ~~~~~~~~~
スタスデの街の門までたどり着くことが出来た。
 「カシマスさん!! 色々ありがとうございます!! おかげで吹っ切れました!! 」
 
 「それはよかった。何かあれば年長者をたよってね。」
 「はい!ありがとうございます! それでは盗賊にあってしまって、リーダーを連れてきたことの報告をお願いしますー!!」
そういってラウールは門番にプレートを見せ、宿に向かい走っていった。
 「(しまった! ラウール君が行ってしまった・・。僕一人でギルドマスターに説明するのか・・・)』
 走りながらラウールは、カシマスさんに謝るのであった。 
カシマスは、ロドリゲスとローリーの死体をどうしたいか聞いてきたが、無言で首を振り答えた。
 僕は生まれた時だけ見た人を、親とは思えないと思っていた。しかし目の前にすると、いろんな感情が渦巻いた。そしてそれは、僕の動きも頭も鈍らせ、盗賊である人を討つことが出来なかった。
そして、自分自身の感情が揺さぶられたことにも困惑している。やはり、産んだだけの人でも、親は親で、特別な感情が残るのか?幸せにしてくれた父様、母様に悪いことをしているようで、気分が晴れない。
そんな状態でも、拠点をそのままにしておくわけにはいかず、カシマスの言葉で、拠点は焼き払うことになった。拠点にはどこからか奪ってきたものも大量にあった。それをそのままにしていくわけにはいかず、僕は特別な道具を持っていると説明して、全ての物を順番にアイテムボックスXに入れていった。もちろん偽造の袋に入れていくのだが・・・。
 荷物をすべて回収し、討伐した証拠となるよう、盗賊のリーダーを縛り連れてきた。そして「燃えろ」と言う言葉の後に、空から大量の火の雨を降らせた。拠点を囲んだ壁はそのままにしているので、森が燃えることはないだろう。ある程度燃えたことを確認し、帰路についた。
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 盗賊を連れているため、移動の速度はゆっくりだ。しかし、日が暮れる前に街につくように速度は調整していた。しばらく無言で進んでいたのだが、カシマスが突然口を開いた。
 「私が言う事ではないと思うけど・・・。私はクラン【希望の家】のリーダーをしている。そこにはいろいろな事情を抱えた人が一緒に暮らしている。家族を持っているメンバーは自宅を持っているが、一人で生活してきたものは、大体はクランの拠点で一緒に生活をしている。私は、クランのメンバーは家族だと思っている。メンバーの中には親に捨てられた者や、売られたもの、裏切られた者など様々な人がいる。しかし、私はメンバーが大切だ。そして善良な街の人々が大切だ・・・。大切なものが傷つくことが無いようにすることが、私の一番大切なことだ。」
と一息つき
「ラウール君にとって、育ててくれた親は大切な人。それでいだろう。そして産んでくれた両親。この人がいなければ、君はこの世にいなかった。だから、恨んでも・・・、恨んでもいいから、一つだけ・・・、この世に生まれさせてくれたことだけは感謝しよう。生まれていなければ、君の大切な人にも出会えなかったんだから。だから君の手で産んでくれた親を殺さなくてよかったんだ。子が親を殺すことは、自分をも否定するから・・・。だから、君の両親の死の責任は、年長者である僕、そして悪者の盗賊に押し付けるんだ。」
そうカシマスは言い、また言葉を発せずに歩き出した。
 僕はカシマスさんの言葉を聞いて考えていた。確かに僕を売った最低の親。しかし、この世に生まれさせてくれた親。大切な親は育ててくれたミック、ララ。産んだだけの親がロドリゲスとローリー。どんな最低な親でも・・・。
ああそうか・・・。僕がこだわっていたんだ。育ての親と僕が勝手に決めていたんだ。
どちらも結局は、親は親。
ただ大切な人は誰かだけ考えていたら良かったんだ・・・。
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スタスデの街の門までたどり着くことが出来た。
 「カシマスさん!! 色々ありがとうございます!! おかげで吹っ切れました!! 」
 
 「それはよかった。何かあれば年長者をたよってね。」
 「はい!ありがとうございます! それでは盗賊にあってしまって、リーダーを連れてきたことの報告をお願いしますー!!」
そういってラウールは門番にプレートを見せ、宿に向かい走っていった。
 「(しまった! ラウール君が行ってしまった・・。僕一人でギルドマスターに説明するのか・・・)』
 走りながらラウールは、カシマスさんに謝るのであった。 
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