冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

外伝3 ギルマス ランバード視点

兄から珍しく連絡がきた。なんでも、兄のギルドの有望冒険者が旅に出たという。
 兄が有望と言うのは珍しいことだ。


 兄が言う有望な奴はまだ12歳!! 
Bランクになっているという。Bランク冒険者は一つの到達点だ。強制依頼もあり、冒険者としてやっていく覚悟が必要だ。危険な状況でも、自分を顧みず、依頼に向かっていく。
その覚悟がない奴はCランクで支援を受けずに過ごしている。


Cランクが悪いわけではない。Cランクまで来た冒険者は、犯罪者を殺す経験を持っている。あの感覚は魔物とはまた違う。人間という同種を殺す・・・。
 魔物でも同種を殺すことはまれである。それはやはり特別なことである。


それを若干12歳で・・。
それもそのあと更にランクアップ試験を受けてランクを上げている。
そんな人物は天才か、、、紙一重か?


そのあとの兄のメッセージも鳥肌が立つ。


 姿で判断するべからず
 あなどると自分の身の危険がある
漆黒の翼が見える前に
 さわぎを収めることが
平和へのカギ






 ギルドが騒がしい、何事だ?
 俺は1階に向かった。
そこで目にしたものは、兄が言っていた特徴を持つものが困惑している場面だった。


あの兄があせる事・・・元Sランク冒険者の兄・・・。目の前にかなわない敵が現れた時にも冷静に、全員が命を保ったまま退却する手段を考える事ができる兄・・・。
その兄が警告したこと。


おれは必死に謝罪した。
なぜか依頼と言ってしまった。
しかしそれが功を奏し、依頼を受けてくれ、矛を収めてくれた。
ありがたい。
これは・・・Bランク依頼だな・・・。


 騒ぎはあまり起こさないでくれよ


 ラウール・・・お願いします・・・。

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