冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

初めての護衛依頼開始

ラウールは待ち合わせの場所に歩いている。まだ時間は十分に間に合う。
 「あー、楽しみだし不安だな~。どんな人たちなのかな~。」
 護衛依頼を受けるにあたり、顔合わせと言うものが無かった。ランクさえ条件に達してたらいいとういスタンスのようだった。比較的安全とはいえ、少し不安もある。
そう考えながら、待ち合わせの場所に到着した。そこには一台の馬車が止まっていて、外に一人の男が立っていた。見たまま商人のようで、おそらく今回の依頼者だ。


 「おはようございます!護衛依頼を受けたラウールです。あなたが依頼主のロドリコさんですか?」


・・・・・僕を見た目の前の男が口を開いた。


 「おはようございます。私はロドリコですが、あなたがラウールさんですか?Dランクと聞いていましたけど・・・。」


 「そうです。ラウールです。まだ小さいですけど、ちゃんと依頼をこなしてDランクになっています。オークくらいなら余裕ですよ。」


 「・・・・そうですか、ちょっと驚きました。もっとごつい男が来ると思ってましたから。そういえば、冒険者のランクだけ聞いて、年齢は聞いていませんでした。今回はよろしくお願いしますね。」


 「はい!頑張ります」


ロドリコとあいさつを済ませ、他のメンバーを待つ。さすがに話題がないから、少し離れた場所で街を行きかう人を見ながら待つ。少しすると、5人と4人のパーティーを組んだ冒険者も現れた。
 商人とあいさつを済ませているところで、僕も合流した。


 僕が近づいていくと冒険者たちはいっせいにこちらを見た。
 「はじめまして!ラウールです。今回ソロで依頼を受けました。よろしくお願いします!」


・・・・・・・
 ・・・・・・・
 ロドリコが先に口を開く
「ラウール君はDランクの冒険者です。今まできちんと依頼を受けてきていると言っていました。今回はこのメンバーで進みたいと思いますので、よろしくお願いします。」


・・・・・・


「おいおい、本気か?俺たちとこいつらの9人のほうがいいんでないか?こんなガキは足手まといで邪魔になるぜ。」と斧を担いだマッチョが言い出した。


 「子供ですか・・・?足手まといかはわかりませんが・・・、ん~どうしたものでしょうね?」と剣を持った男が、パーティーメンバーであろう4人に向かって話しかけていた。


 「大丈夫です。ロドリコさんにも言いましたけど、オークくらいなら余裕で倒せますので。不安なら、サーシンの冒険者ギルドのギルマスに聞いてみてもいいですよ、少し時間の無駄になりますけど?」


 時間と言う話をしてみたところでロドリコさんが反応した。
 「今回はきちんと冒険者ギルドが受理したからここにラウール君がいます。時間もあまりとりたくないので、このメンバーでよろしくお願いします。」


 『けっ!足を引っ張るなよガキ!俺たちは手助けしないからな!!』と言葉を吐き捨てながら、斧使いはパーティーメンバーに話をしに行った。


 「僕たちも、危なくなっても助けることが出来ないかもしれませんので、自分の身は自分で守ってくださいね。できる限りは、力を合わせて依頼を達成したいと思っていますからね。僕はフルートです。【放浪の羊】とパーティー登録しています。僕がリーダーをしていますので、何かあったら声をかけてくださいね。」
そういいながら、フルートさんもパーティーメンバーと話し始めた。


・・・・・


 みんなのことは何もわからない・・・。ロドリコさんに聞いておかなければ。初めての護衛・・。前途多難だな~。


ロドリコさんが言うには
一緒になったパーティーは
5人:【放浪の羊】リーダー:フルート(男)剣使い  ニック(男)短剣使い 気配を探るのが得意  コーフット(男)槍使い  クーフット(男)弓使い デーブン(男)荷物運び兼道具使い Cランク  護衛依頼を生業にして、街から街へと移動。根無し草


4人:【破壊の斧】リーダー:ビルン(男)マッチョ;大斧使い  ハーシン(男):盾使い 盾で攻撃を防いだところを、ビルンが攻撃するスタイル  ラエラ(女)回復魔法使い ビビアン(女)剣使い 遊撃 臨機応変に立ち回る  Dランク  拠点をサーシンに移した。その為、サーシンの地理や特徴を知るため、色々な依頼を受けている


 と言う簡単な説明があった。僕の事も教えておいてくれると言っていた。


 「さー出発しましょう。今回は薬に混ぜる貝殻の入手が目的です。時間があるほど採れますので。できるだけ移動の時間は少なくしたいです」


そうロドリコさんが話し、いつもの門を抜けて浜辺につながる道へと進んだ。
ちなみに今日もスコットさんが門番だったから、冒険者の中で僕にだけ「ラウがいれば大丈夫だろうけど、無理はするなよ!ドラゴンが出た時だけは逃げろよ~!」とスコットジョークが飛び出した。
・・・・他の冒険者の不思議な視線を浴び、先に進み始めた。

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