冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

外伝1 受付嬢 アリサ視点

私はギルドの受付


最近冒険者ギルドの様子が変わった。今までは毎日が喧騒に紛れ、それでもいつもの冒険者がお酒をのみ、情報交換し、時に喧嘩をしていた。
けれど、ある日、一人の少年が冒険者ギルドの扉を開いてから、雰囲気が一変した。


あの子、ラウールくんが冒険者登録したときの事が、記憶に新しい。
『漆黒の翼』
二つ名がついてしまった。
そのあとは、気まずそうに冒険者ギルドに来ては地道な依頼をこなしていた。他の冒険者にも気を使い、できるだけ普通にしてもらえるように、お話をしていた。あの小さな体で大きな冒険者にお願いしている姿は、普通であればほほえましいが、恐れられてる姿を見ると少し悲しい。あの子は時々何かを恐れているように見える。ベテランの冒険者も、力量は認めながらも、何かを感じ取ってるようで、普通に接しようとしてくれている。
私も、受付として長く冒険者ギルドに関わっているからか、その人の内面が少しはわかる気がする。
ラウールくんは、やさしい子、そして私では計りきれない子。
依頼は完璧にこなし、8歳とは思えない丁寧な対応をしている。依頼主の満足度も高く、採取物の品質は高い。街中の依頼も、痒いところまでてが届いている様子が、依頼達成の報告書からもうかがえる。
あの年の子が何故そこまでできるのかはわからないけど。
それでも願わくば、よい友を、よい仲間を得てほしい。両親も実力のある冒険者だけど、いつまでも一緒に依頼を受けることはできないと思う。
冒険者を続けてほしいけど、できたら、もっと少年の姿を見せてほしい。口調の事はよけいだったかな?それでも少年らしい幸せをもってもらいたいと思ってしまう。


頑張って!
ラウール君
応援してる

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