冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

ゴブリンと戦いたい

冒険者ギルドに入ると、みんな視線を逸らす状態に慣れてきたころ、僕もEランクまで上がっていた。結構早い昇格みたいだ。所詮チート、他の冒険者より効率が良い。欲しいものを探せるし、大量に物を運べる。今では一人でも依頼をこなしていた。冒険者は僕の事を知っているから、絡んでくる新参者以外はおとなしいものだ。


なんでこんなことになっているかはさておき、今日はとうとう一人で討伐依頼を受けたいと思っている。
今までは両親が見ている前でだけ魔物と戦っていたけど、初めて一人で魔物と戦う許可をもらった。強さのお墨付きは今までももらっていたが、そこはかわいい子供に無理をさせたくない両親の思いがあったようだ。


もうすぐ9歳。その前にファンタジーな魔物を一人で討伐しよう。
やはりここは定番のゴブリンがいいかな~と考えながら冒険者ギルドに入っていく。


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いつものアリサさんの受付の列に並んでいる。他の冒険者にはお願いして、順番を守るように言ってからは、順番を譲られることもなくなった。高ランク者は僕に話しかけてくれることもある。ありがたいことだ、さすがに子供の気持ちでは、避けられるのはつらいものもあるから・・・。


「おはようございますラウさん。今日はどんなご用件ですか?」


「おはようございますアリサさん。今日は初めて討伐に出かけたいと思います。それで、このゴブリンの討伐依頼ですけど、依頼を受けてもいいですか?」


「ラウールさんのランクでは大丈夫です。まずはプレートを見せてください。』
ぼくはプレートを手渡すと、アリサさんは手元の四角い箱にプレートを乗せていた。
『はい、登録は終了です。ゴブリンを討伐したらまたギルドに来てください。ゴブリンは常設依頼ですので、討伐数を決めておりません。1匹500Gのお渡しになりますが、魔石も買取できますので、採取することをお勧めします』


「ありがとうございます。ゴブリンは街道沿いでも出現するみたいなので、早速行ってきますね。」


「おきをつけて。それでですが、そろそろもう少し砕けた口調でもいいのではないですか?もともと冒険者の口は悪いものですが、ラウールさんはちょっと丁寧すぎますよ。」


そんなものなのかな、僕はあまり両親以外と話すことが無かったからな~。友達も今はいないし・・・・。ちょっと悲しいけどそろそろ友達も欲しいな。だけど、中の人が中年で、今の年と同じ年って・・・。ん~ちょっと無理かな。けど、ここは少し口調も変えていこうかな、まだ子供だし!!


「わかったよ、ありがとう。今度からはこれくらいで話すからよろしくね!」


「そのほうがいいですよ、まだ子供なんですから。では行ってらっしゃい。」




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冒険者ギルドから出て、僕は街の外に向かっている。


外に出るためには門番の人に一声かけるのだが、今日は顔見知りのスコットさんが門番の日のようだ。


「よう!ラウール!今日も依頼か?」


軽く手を挙げ


「そうだよ。今日は初めて一人で討伐依頼を受けたんだ!」


少しスコットは顔をしかめながら
「大丈夫なのか?強いのは聞いてるが、リックもララもいっしょでないんだろ?」


「そうだよ、今日は一人で行くんだ! 大丈夫、危なそうなら、すぐに逃げる約束で来たから!」


「ん~心配だな~~、2匹以上いたら逃げろよ、あいつらも集団で来るとてごわいからな。」


「ありがと~、無理しないから心配しないで、時間もないから行ってきまーす!」


「本当に気をつけろよな~!」


お互い手を振り、町の外に駆けだした。


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まずはゴブリンを探さないとな。
この世界のゴブリンは、Fランクの魔物。魔石は小さい。身長130㎝、力は成人男性と同じか、少し強い。体が小さい分すばしっこい。緻密な作戦を立てるほど頭は良くない。種族によっては武器や、魔法も使う。上位種は頭が良い場合もある。


上位種はめったに人里近くには来ないから、まずはノーマルなゴブリンを探そう。
「早く気配が引っかからないかな~。」
とラウールは歩いていく。



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