かのわらし

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出会い

ふと、目を覚ますとそれは当然のように居た。

見た目は15歳くらいの女の子。
髪は濃い茶色でボブ、服は和服だ。
僕の部屋で座って読書をしている。
僕はこの女の子を知らない。

「ねー、君は誰?」
と尋ねると

「かのはかのよ」
そう口を開く。

「どこからきたの?」

「仲良くなったら教えてあげる」
そう言いながら口に手を当て、微笑んだ。

その姿を見て僕は恋に落ちた。
同い年くらいの女の子がとても可愛くて綺麗で上品に微笑んでいる。

「僕はたける、15歳!」

「元気いっぱいだね」

「元気はあった方がいいでしょ?」

「んふふっ」

「よろしく」

「よろしくね」

これがかのとの初めての出会いである。

 僕は15歳の中学3年生。
兄弟はおらず、父親は単身赴任で母親と二人で暮らしている。

「学校に行く準備しなきゃ」

「・・・」

「かのは行かないの?」

「かのは行かない」

「このまま部屋にいるの?」

「たけるが行くなら帰る」

「そうだよねー…また来るの?」

「たけるが望むなら来る」

「来てほしいな」

「…私は帰るね」

そういうとかのは本を閉じて部屋を出る。
僕は引き止めたくて続いて部屋を出る。

「待って!」

「どうしたの?そんなに慌てて」

しかし目の前にいたのは母親だった。

「今起こしに行こうと思ったの、ご飯できてるわよ」

(どうして…)

僕は家中を探し回った。
しかしかのはいなかった。

「何か探し物?」

「僕と同い年くらいの女の子見てない?」

「いるわけないじゃない。怖いこと言わないで」

その瞬間僕はゾッとしてしまった…。

(かのは…人間じゃないのかもしれない)

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