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ココロの距離感

近衞

9話【date】

 土曜日。



世間で言うところの休日だ。



今週は文化祭、佑磨の正体、
ビクトリアの解散等…



今週は怒涛の毎日を過ごした。




そして昨日、佑磨からのお誘いを受け
裕海は待ち合わせ場所に向かっている。




「裕海さんにお礼がしたい…か」



昨日佑磨が口にした台詞をそのまま呟く。






「…あ!裕海さん」



背後から声をかけられる。



「あ、佑磨君!おはよう」



「おはよう、裕海さん。」




黒いカジュアルなストレートパンツに、
青いカッターシャツ。

その上に白の薄手の
パーカーを羽織っている。




180cmと高尚な彼のスタイルの良さを
全面的に醸し出している。




それに比べて私は…泣



黒い長めのスカートに
黒のTシャツにブラウンのジャケット…



地味…地味すぎるよぉ…



隣はモデル雑誌の表紙を飾った17歳。



それに比べて私は…泣(二回目)




「そうだ、佑磨君。
今日はどこに行くの?」




「裕海さん、甘いもの好きだよね?」



「うん、好きだけど…」



「今日、ケーキバイキングで高校生の
2人組は1時間500円食べ放題やってる
お店知ってるから、そこに行こうかと。」



「い、1時間500円!?」



「うん。あと…ちょっとごめん」





ふと、私は佑磨君に抱きしめられる。







カメラのシャッター音が響き、
抱きしめていた力は弱くなった。



「ゆ、佑磨…君…?」



突然のことに、私の心臓は跳ね上がる。



「ご、ごめん、裕海さん。行こう!」



佑磨は裕海の手を取り、
目的地へと向かった。

















「並んでるね…」



店には高校生の長蛇の列。



「これ、入るのいつになるかな…」



「大丈夫だよ。すいませ〜ん」



と、佑磨は近くの店員さんに、



「予約してた加藤です。
か、カップル割で、お願いします」



と、少し頰を赤く染めて言った。



「かっ、カップル…!?」



そういえば、この列に並んでる人達って
みんな男女の2人組…!



「ご予約の加藤様ですね。
お待ちしておりました。此方にどうぞ」



「い、行こう!裕海さん!」



「う、うん!」













2人は席に着席し、
出された水を口に含む。



だが、2人はお互いの様子を伺って
身動きを取れなかった。


「ゆ、裕海さん…その…さっきの写真は
カップル割を使うために…」




「う、うん…それは…別に…いい…」



桃色の雰囲気が2人を包む。
それは今この店にいる客のほとんどは
そうなのだが、この2人は別格だ。



「ゆ、裕海さん…僕…」




「わ、私、ケーキ取ってくるね!」



耐えかねた裕海は席を立った。







1人になった席で佑磨は溜息をついて、



「なんで上手くいかないんだろ…」



と、忙しなく動く雲を見て呟いた。


































「はあ…美味しかった…」




「す、すごいペースだったね…」



佑磨は裕海の健啖家っぷりに
少し引いていた。



開始15分で店の全種類のケーキを制覇する
と、そこからはダ◯ソンの掃除機の如く。



「ふぅ…やっぱり甘い物は格別だよ」



「はは…裕海さんほんと甘い物に眼がないね。」



「甘い物は神様からの授かりものだよ!」




「何そのパワーワード」




と、他愛ない話をしながら
2人は少し歩いた喫茶店で一息ついていた。





裕海は街行く女性を見ながら、
その煌びやかな姿に想いを馳せる。




「…裕海さんどうしたの?」



「え?いや、別に、何でもないよ?」




「…服、欲しいの?」



「へっ?いや、別に…」



佑磨は立ち上がって、




「よし、裕海さん!服買いに行こう!」



「え?い、いや、私は…」



「お金なら大丈夫!さ、行こう!」



「ちょ、佑磨君!?」



会計を済ませ、
佑磨は裕海の手を取り街へと繰り出した。

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