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ココロの距離感

近衞

0話【始まり➁】

 静寂。













だが、それは数秒と持たない。














憧憬が現れるのを、
今か今かと待ち構える。













大音量で音楽が流れ、
その喧騒に負けないくらいの
歓声が響き渡る。














ライトが当てられ、
その歓声は更に沸き上がる。














《みんな!元気かー!》













その声に、観客はペンライトを振り
応える。













悲鳴をあげる、卒倒する…
リアクションは様々だ。













爽やかな声と容姿を振りまき、
憧憬は現れた。













《聞いてくれ!俺たちビクトリアの
始まりの唄を!!》



















髪を固め、オールバックにした
憧憬が前に出る。



















《フォイア》














曲名が明かされ、
観客のボルテージはさらなる飛躍を
見せた_____…


















































「いやー、今日も良かったよ!佑磨君」






ライブが終わり、汗だくになった俺たちは
控え室へと向かう。





坊主頭の中年の男性が、
僕に賞賛を送っている。




「ど、どうも…」





「この調子で頑張ってね!それじゃ!」




と、男性は去っていく。














俺は控え室へに入り、
用意された水を口に含んだ。





「ふう…」





僕の名は城山佑磨。





最近デビューを果たしたビクトリアの
唯一の高校生メンバーだ。




とはいえど、ビクトリアは
僕を含めメンバー3人はだけ。





ジザァニァーズ事務所、新たな挑戦!


というコンセプトで、
僕達は1年前に結成した。





僕は既にソロで歌やダンス、舞台、
ドラマの主演を務めたりしている。



そのため、結成は辞退したのだが…




「まあまあ、やってみようよ!」





養護施設上がりの僕を拾ってくれた
ジザァニァー胸元さんに誘われ、
渋々結成した。





「ははは、それでさ」



「面白いね、それ」





と、仲良く話しながら歩く2人。




彼らはビクトリアのメンバーで、

片方はリーダーの田中雅樹さん。
もう一方は相棒の杉山エイジさん。



2人とも大学生で、
ジザァニァー胸元さんが連れてきた。




…だけど、どうも好きになれないんだよな。




2人とも結成してデビューする前は
それなりにやってたんだけど、

デビューした途端にレッスンに来なくなったし、

羽振りが良くなって
周りにも高圧的になった。




雅樹さんは俺のこと無視するし…



「…はあ。」



俺はシャワールームに向かう。





























「あいつマジうぜえよな」





「ああ、気持ち悪い。」




「なにがフォイア、だよ
ダサいんだよクソッ」




「ま、すぐにスキャンダルで
消えるだろ。」




「だな。ははははは!」














俺は、脱衣所で2人の声を聞く。














ほぼ毎日、僕の悪口をシャワールームで
のたまっている。




…正直、気分がいいものじゃない。






































僕はそっと、脱衣所を後にした。

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