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ココロの距離感

近衞

1話 【再開】

 4月。



あれから時も立ち、遂に入学式を迎えた。



肌寒さはあるものの、
暖かさも感じるようになってきた。




桜舞う校門で、私は彼を待つ。








「桜が綺麗ですね」














待ち焦がれた、あの声。














知らない場所で困っていた私を
助けてくれた、あの声。








私は、思わず振り向いた。
















「お久しぶりです。牧田さん。」




「お、おおお久しぶりです、
かかか、加藤…君」




「ふふ。落ち着いて、深呼吸して下さい。」




「ご、ごめんなさい」



私はゆっくり息を吸って吐く。




「クラス発表、見ましたか?」



「い、いえ、まだ…」



まだ緊張は消えない。




「僕たち、同じクラスみたいですね。
1年間、よろしくお願いします。」







「あ、そ、その…よろしくお願いします…」





「僕らは同級生なんだから、
もう敬語もやめよう。
さ、教室に行こうか。」




「あ、はい…うん…分かった。」



2人は、隣り合って教室へと向かった。




「待たせてごめんね。色々忙しくて」




「い、いや、そんなに待ってないから」




「…ふふ…まるでデートみたいだね」




「でっ、でっ、デート…!?」




「ごめん、驚かせたね。
ただの冗談だから、忘れてくれるかな?」




「あ…う、うん…」




冬でもないのに、
顔の体温が上がっていることが
明確に分かってしまう。





そんな彼の横顔を見ながら、
私は彼と高校生活の一歩を踏み出した。

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