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ココロの距離感

近衞

プロローグ2〜名前〜

「そ、その…ごめんなさい…」



「いえいえ、お気になさらず」



私は彼と帰路についていた。



今日初めて会った、名前も知らない
男の子の胸の中で泣いてしまった。



「あ、あの…本当に、洗わなくて大丈夫ですか…?」



私が顔を押し付けた部分は涙と鼻水で
カピカピになっている…



はうう、恥ずかしい…



つい先程のことを思い出し、
私の顔は赤く染まっていく。



「特待生合格ですよね。
すごいですよ。」



「あ、いえ…ありがとうございます。」



少し落ち着いた後合格者案内の封筒
を開いた結果、特待生の
オプションがついていた。



それに私は更に泣いてしまって
また彼に慰めてもらったのである。



「特待生は授業料3年間免除、
入学金4分の3カットかあ…」



「たまたまです…私が…こんな…夢みたい」



「でも、貴女が頑張った結果です。
胸を張りましょう。」



と、彼は微笑む。



私は思わず眼をそらした。





と、駅前に到着する。



「あ、僕ここなので…」



「あ…その…ありがとうございました。」




「いえいえ、どういたしまして。」




と、彼は改札へと向かっていく。








「…っ!」






心が締め付けられる。















このままで、いいの?












私の心に響く声。

















そして、私は駆け出していた。






「あ、あの!」






「は、はい?何ですか?」



と、彼は少し驚いた様子だった。




「わ、私、牧田裕海って言います!
あ、貴方の名前を教えてください!」




彼は少し微笑んで、



「加藤佑磨です。また、入学式で。」



「は、はい…」



と、彼は今度こそ改札を通過していった。





「…なんなんだろう…この気持ち。」






私の胸は、
夜までその鼓動を止めはしなかった。

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