がーるずベースボール!

近衞

56話⚾︎ファイナル⚾︎

 Bランク戦決勝
ソニックがーるずVS御茶ノ水 9:30〜



大型電光掲示板に、大きく映し出される。



場所は日本国東部地区球場。
ここで再び、雨宮高貴
雌雄を決する時がやってきたのだ。



試合開始15分前、両軍がベンチで
その火蓋が切られるのを今か今かと待ち構えている。






…だが、雨宮は異変を感じていた。




「玉原…何故出ない?」



スターティングメンバーの中に玉原の名は無い。



あの記事を眼にはしたが、
決勝では出てくると思っていた。



自分を野球の世界に引きずり込んだ
最大の好敵手の不在に、
雨宮は不満を募らせる。



「…玉原」



「雨宮君!」



御茶ノ水にマネージャーとして帯同する
矢澤智春やざわちはるが雨宮の隣に座る。



「どうした?矢澤」



「何か不満そうにしてたから気になって。…あの監督さんのことだよね」



「…ああ。玉原に何かあったみたいだな」




「や!智春!」



活発そうな印象を与える声で
やって来たのは、姉の矢澤千冬やざわちふゆだ。



智春の2つ上の大学1回生で、
チームの正捕手を務める。



千冬が19歳、雨宮が18歳、智春が17歳
と綺麗に揃う。



「姉さん、どうしたの?」



「いや、またナンパしてるなーって」



智春は顔を一気に赤く染めて、



「なななななな、ナンパじゃないひかりゃ!」



「矢澤、日本語がおかしくなってるぞ。」



「あひゃひゃひゃひゃ!智春って
ほんと分かりやすいよね〜」



「ね、姉さん!」



義弟あめみや君!うちの妹こんな感じだから
いつでももらってやってね!
あ、婿入りでもいいよ!」



「ね、姉さん!もうやめてえ!」



ベンチに笑い声が響きわたる。



決勝戦、緊張する皆を笑顔にする役目を果たした千冬は誇らしげだ。



「ううう…」



赤い顔で俯く彼女を、雨宮は何も言わず
優しく頭を撫でた。



「雨宮君…?」



横にいる雨宮を上目遣いで見上げる。



「よしよし」



「あ、雨宮君、わ、私」



「あ!みんな見て!夫婦で惚気てる!」



「姉さああん!!」


















一方、ソニックがーるずベンチ。



響子、聖川のバッテリーがベンチの前で
キャッチボールをする乾いた音が鳴り響く。


「あちらはなんだか余裕そうね」



「甘く…見られて…るんで…しょうか?」



「いや、相手にいいリーダーがいるんだろうな。Aランクへの登竜門、その決勝だ。
緊張しない訳がないさ。」



「さすがに決勝まで来たのは伊達じゃねえってことか。」




「そうなるな。響子!」



ベンチ前で投げ込みを行う響子を呼ぶ。



「絶好調だよ!いつでもいける!」



「よし、そろそろ整列だ。」




御茶ノ水の選手達がベンチ前に整列したのを見てこちらも整列を完了させる。




試合開始、2分前。



「いいか!お前達は充分闘える!
だから思い切って行ってこい!!」




返事を返した皆は、審判のコールを待つ。


















昨季9戦1勝からここまで来るのは長かった。














選手としてではなく、今度は監督として。














「…俺が必ず、
みんなをあそこへ連れて行く…!」

















そして、
試合開始の火蓋が今、切って落とされた。















ソニックがーるず スターティングメンバー

打順 守備位置   名前   

1番 セカンド    相川優あいざわゆう 

2番 ショート   駒田春香こまだはるか 

3番 キャッチャー 聖川理玖ひじりかわりく 

4番 ファースト  井上優姫いのうえゆうき 

5番 サード     樹原芽衣きはらめい 

6番 ライト      船田紗枝ふなださえ 

7番 センター     八幡絵里やはたえり 

8番 レフト       ドロッセル 

9番 ピッチャー   湯浅響子ゆあさきょうこ 















ソニックがーるずVS御茶ノ水

試合開始。



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