がーるずベースボール!
53話⚾︎撤回⚾︎
決勝進出を果たした俺達は、
変わる事なくいつもの河川敷で
白球を追い続ける。
変わったことといえば、
練習にワッセルさんら報道陣が
見に来始めたことくらいかな。
決勝の先発は完封勝利を収めた愛李華か、
エースの響子かと質問されたくらいには
俺達は少し名が通り始めた。
そして、俺のランク戦出場の件だけど…
《玉原君、よく考えたね》
「…はい。ご迷惑をおかけしています」
《驚いたよ。まさかメディアを使うとは。言い出した時は卒倒する所だったよ。》
以前、大和田から電話を受けた際。
通達を撤回させることができなかった
高貴はランク戦出場の許可を得るため、
ある手段を講じた。
以前、ワッセルさんがグラウンドに来た時に提示した条件。
それは、俺の出場停止を大々的に報道し
それからも取材を続けることだ。
二つ返事でOKしてくれたワッセルさんは、試合終了後こんな記事を書いた。
【ソニックがーるず選手兼任監督、
玉原高貴に日野構から謎の出場禁止令】
という見出しに続いて、
【チームの主砲を務める玉原高貴選手(16)は、日野構からの突然の通達に
屈することなく采配を振るう。】
【某Aランクチームの監督は、
理由が説明されずに理不尽に禁止するのは言語道断、とコメントしている】
…とまあ、俺に対して日野構から謎の通達が来たという体でワッセルさんに伝えた。
大和田会長やスチュワーデス会長との
邂逅に関しては話してはいない。
まあ、実際急に来たので
あながち間違ってはいないのだが…
それのおかげで、現在
日野構は対応に追われているようだ。
《だが、君の考えは読める。
世論を味方につけて通達の内容を撤回させる、ということだろう?》
「…はい。栗原メイアも、存在を明らかにされるのは不本意でしょうし…」
《嫌なら禁止令を解け、か》
「…はい。お二人の意思だけでは
どうにもならないなら世論の力を
使えばどうにかできるかも、と思いまして」
《一歩間違えれば危険を被るが、
逆に訴えかけやすくなったよ。
君の勇気ある行動を必ずモノにしてみせるよ》
「…はい。よろしくお願いします。」
さて、今日結果が出るはずだ。
練習が終わり、
打撃練習をしながら彼はその時を待つ。
「来た!」
彼はすぐさま携帯電話を取り、
「はい、玉原ですが…」
「さて、呼び出した理由を聞こうか」
真っ暗で、自分がどうなっているのかすら
見えない一室。
どれだけ近付けようが自分の手すら見えないこの場所に、2人はいた。
「 。」
「そうか。フッ…止むを得まい、か。」
男は口角を少し釣り上げ、
「まあ、それも一興だ。
とこれで、あのメールの件だが…」
「 。」
「フ…まあ良かろう」
瞬間、部屋の照明が照らされる。
「我々の理想を果たせるなら、
それもまた一興というものだ。」
誰もいない会長室で一人、
大和田は笑みを浮かべていた。
変わる事なくいつもの河川敷で
白球を追い続ける。
変わったことといえば、
練習にワッセルさんら報道陣が
見に来始めたことくらいかな。
決勝の先発は完封勝利を収めた愛李華か、
エースの響子かと質問されたくらいには
俺達は少し名が通り始めた。
そして、俺のランク戦出場の件だけど…
《玉原君、よく考えたね》
「…はい。ご迷惑をおかけしています」
《驚いたよ。まさかメディアを使うとは。言い出した時は卒倒する所だったよ。》
以前、大和田から電話を受けた際。
通達を撤回させることができなかった
高貴はランク戦出場の許可を得るため、
ある手段を講じた。
以前、ワッセルさんがグラウンドに来た時に提示した条件。
それは、俺の出場停止を大々的に報道し
それからも取材を続けることだ。
二つ返事でOKしてくれたワッセルさんは、試合終了後こんな記事を書いた。
【ソニックがーるず選手兼任監督、
玉原高貴に日野構から謎の出場禁止令】
という見出しに続いて、
【チームの主砲を務める玉原高貴選手(16)は、日野構からの突然の通達に
屈することなく采配を振るう。】
【某Aランクチームの監督は、
理由が説明されずに理不尽に禁止するのは言語道断、とコメントしている】
…とまあ、俺に対して日野構から謎の通達が来たという体でワッセルさんに伝えた。
大和田会長やスチュワーデス会長との
邂逅に関しては話してはいない。
まあ、実際急に来たので
あながち間違ってはいないのだが…
それのおかげで、現在
日野構は対応に追われているようだ。
《だが、君の考えは読める。
世論を味方につけて通達の内容を撤回させる、ということだろう?》
「…はい。栗原メイアも、存在を明らかにされるのは不本意でしょうし…」
《嫌なら禁止令を解け、か》
「…はい。お二人の意思だけでは
どうにもならないなら世論の力を
使えばどうにかできるかも、と思いまして」
《一歩間違えれば危険を被るが、
逆に訴えかけやすくなったよ。
君の勇気ある行動を必ずモノにしてみせるよ》
「…はい。よろしくお願いします。」
さて、今日結果が出るはずだ。
練習が終わり、
打撃練習をしながら彼はその時を待つ。
「来た!」
彼はすぐさま携帯電話を取り、
「はい、玉原ですが…」
「さて、呼び出した理由を聞こうか」
真っ暗で、自分がどうなっているのかすら
見えない一室。
どれだけ近付けようが自分の手すら見えないこの場所に、2人はいた。
「 。」
「そうか。フッ…止むを得まい、か。」
男は口角を少し釣り上げ、
「まあ、それも一興だ。
とこれで、あのメールの件だが…」
「 。」
「フ…まあ良かろう」
瞬間、部屋の照明が照らされる。
「我々の理想を果たせるなら、
それもまた一興というものだ。」
誰もいない会長室で一人、
大和田は笑みを浮かべていた。
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