がーるずベースボール!

近衞

51話⚾︎仲間のためなら⚾︎

《1回の表、ソニックがーるずの攻撃は、
1番、センター八幡やはたさん》




1回を0に抑えて裏の攻撃。



相手は技巧派投手の中谷と
ブルースの主砲、強肩捕手の大場だ。




「よっしゃあ!愛李華!」



八幡は愛李華を見据えて、



「あたしに任せな!あんな奴の球、
軽くホームランにしてらあ!」




と1回スイングをした後、
八幡は打席に向かった。






「頼もしいなあ」




「まずボールに当たるかしら」




「頑張って…です!」













まだ高貴が監督になる前、
彼女は悪態をついて響子を傷つけてしまったことがあった。



響子が陰で涙を流す姿を見て、
自身の愚かさを知ったのだ。





それ以降、彼女は仲間を傷つける者を
誰であっても許さない正義感を
備えるようになった。




「…許さねえからな」




「あ?」



大場は何かを呟いた八幡を見る。




「あたしはあんたらを許さねえ。
痛い目を見てもらうぜ」



八幡は中谷を鋭く睨みつけて言った。



「へっ、可愛くねえなあ、ボインちゃん。
その胸どんくらいあんの?」



八幡は歯を鳴らし、バットを構えた。







中谷はMAX137kmと球速はAランクに比べて平均レベルだが、4種類のツーシームを
巧みに操る投手だ。




左右を苦にしない投手のため、
左打者での攻勢は簡単ではない。




「さて、内角高めから行くか」




内角高めの指示された中谷は
頷いて投げ込む。









キィン!



「ファール!」




引っ張った打球は1塁の右に飛ぶ。





「へー、やるねえボインちゃん。
俺の彼女になんない?」




「ケッ!寝言は寝て言えクソ野郎」




大場はヘラヘラと嗤い、
再び内角高めを要求する。



だが、球種はツーシームだ。



左打者の内側に変化するツーシームで
詰まらせようとする目論見。




中谷は投げ込んだ。












ボールは要求からボール1つ高いコースに
投げ込まれる。


















だが、八幡は肘をうまく折り畳み、
バットを振り抜いた。













快音を響かせた白球はライトに向かって
飛んで行く。













その打球は勢いを止めることなく、
ライトスタンドに飛び込んだ。




ライトスタンドを筆頭スタンドから
歓声が上がり、八幡はそれを背に
ダイヤモンドを周る。






「うっそぉ…」




大場はライトスタンドを見て
呆然としていた。




一周した八幡はホームベースを踏み、
スクリーンに1点が表示される。




「君、あまり女の子に変な発言しないように」



大場の態度に痺れを切らした審判が
注意を施す。




「すいませーん」



が、反省の色は見えない。




中谷はマウンドの土を蹴り上げ、
悔しさを露わにする。




「中谷、大丈夫だ!あっちの先発は
あいつだ!すぐに点は取れる!」




大場は聞こえる大きさの声で
中谷にゲキを飛ばした。












「ナイスホームラン!八幡!」




聖川がいの一番に出迎える。




「結構飛びましタネ!」




「すごい…です!」




「おう!…でもまあ、なんかスッキリ
しねえな」




「元々ズレたスイングをしてるのだから、ちゃんとしたバッティングなんてあなたにはできないわ」




「っせえな!」





「ははは、でもいいホームランだよ!」




「おー!あんがとな!」




八幡は精神統一をする愛李華を見て、




「どうだ愛李華!あたしのホームラン!」




と、八幡は愛李華を抱きしめながら言った。




「す、すごいです!すごいですから離してください!苦しいです!」




八幡のふくよかな胸に顔を押し付けられた
愛李華は苦しそうにしながら抵抗する。




高速を解かれた愛李華は、




「う、打ってもらってありがとうございます!私頑張って抑えますね!」



と、愛李華は笑顔でその言葉を述べた。




「…愛李華」




八幡は再び愛李華を抱きしめる。




「八幡先輩…?」





「お前は1人で戦ってるんじゃねえ。
みんなで闘ってんだ。
だから、1人で思いつめんじゃねえよ」





「べ、別に思いつめてなんて…」




「そうだよ、愛李華。
昨日から話しかけても反応しなかったし。」




「お、お姉ちゃん!?」




「愛李華が頑張ろうとしてるのは
よく知ってるの。だから、よければ
私達を頼ってくれないかな?」





「そうだよ!愛李華ちゃん!
高貴もそう思うよね?」




「ああ。仲間に頼るのも悪くないぞ、
愛李華。」




「み、みなさん…」




愛李華の眼には涙が浮かぶ。







「はい!よろしくお願いしますね!」






と、いつもの笑顔を見せてくれた。





2番相沢にヒットが飛び出し、
さらに攻勢への足がかりを生んだ。





「理玖!一発頼むよ!」




「お願いします!聖川先輩!」




聖川は少し驚いた表情を浮かべるが、





「ああ!任せてくれ!」



と、決意の意味を込めた笑みを浮かべ
聖川は打席へと向かった。








「愛李華」




高貴が愛李華を見て、




「今日は任せるぞ」




と、彼女に言った。




「はい!頑張ります!
見ててくださいね!あ・な・た!」




「あ、あなたあ!?」




「おい愛李華!悪ノリがすぎるぞテメエ!」




響子と八幡が驚き、高貴は苦笑いを浮かべた。














出会いは最悪、第一印象も最悪…






でも、みんなはそんな私を
受け入れてくれた。













チームの一員に、慣れたかな。


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