がーるずベースボール!

近衞

50話⚾︎セミファイナル⚾︎

 準決勝、ソニックがーるずvsブルース。



現在東部地区球場には多くの報道陣が
待ち構えており、その目線の先には
ソニックがーるずの選手が
一塁側ベンチを陣取っていた。




雨宮を打ち崩した唯一の存在であり、
御茶ノ水おちゃのみずの対抗馬として期待がかかる。



先日、ドロッセルの父、ワッセルが書いた記事が大きな反響を呼んでいる。






【MAX152キロ右腕の選手兼任監督の下克上!】



と大きな見出しで始まったこの記事。





【Cランク戦の決勝で雨宮を打ち崩した的確な手腕、エースで4番としても活躍し、
チームを牽引するスター候補。


その打棒もさることながら、
センターとしての守備能力やスピードこそが彼最大の魅力であり、ファンディレイクの監督、球宮唯たまみやゆいもその実力を認める。】




ん?球宮さん?




てか優勝の瞬間も掲載しているし、
ちゃっかり俺とドロッセルの写真まで…





と、まあ結構な記事を書いてくれた。





完全試合を達成した雨宮大地の対抗馬だけあって注目度は高いようだ。




後攻のソニックがーるずナインは
守備位置についている。




そして試合開始を告げる審判の宣告がなされ、サイレンが鳴り響いた。









ソニックがーるず スターティングメンバー

1番 センター   八幡 絵里やはたえり

2番 セカンド     相沢 優あいざわゆう   

3番 キャッチャー   聖川 理玖ひじりかわりく

4番 ファースト    井上 優姫いのうえゆうき

5番 サード       樹原 芽衣きはらめい

6番 ライト       船田 紗枝ふなださえ

7番 レフト     ドロッセル

8番 ショート      駒田 春香こまだはるか

9番ピッチャー   樹原愛李華きはらあいか












試合前日。




練習が終了し、解散となった時だった。




「高貴さん!」




愛李華が駆け寄り、




「明日、先発させてください!」




と、姉の芽衣を彷彿とさせる眼で
俺を見据えていた。




「元からそのつもりだよ」


「え…?」


「明日の先発は愛李華で行く。
しっかり頼むぞ」


「あ、ありがとうございます!」



「お前が昔どうされていたのかはよく知らない。だけど、今のお前はあの時とは
一味違うんだとその球で教えてやれ!」


「はい!」











その愛李華の立ち上がり。



1、2番をテンポよく打ち取って
ツーアウト。



《3番、ピッチャー中谷君》




因縁の相手、
中谷は少し黒い笑みを浮かべながら
右打席に立つ。



「さぁて…バカスカ打ってやるか」




中谷はあえて、バッターボックス内側
ギリギリに立つ。




「…インコースは投げさせない構えか」




聖川は高貴からの情報を思い出す。




「此奴はインコースが好物らしいな…」




聖川は愛李華にサインを出す。




外角にシュート、というサインに頷き
ボールを投げ込んだ。




「ストライーク!」




中谷は見逃して愛李華を見据えるが、
相変わらずその表情は黒い。




彼は今までの試合において、
インコースを最も得意とする
典型的なプルヒッターだ。




だが打席の内側ギリギリに立ち、
相手にインコースを投げさせないことで
アウトコースにも対応している。





事実、ブルースのポイントゲッターは
中谷であり、Bランク戦通算打率は4割を越える。



投手としても打たせてとる技巧派な
投球でここまでの失点は3。




その脅威となる打撃力を警戒し、
バッテリーは慎重な配球を心がける。




2球目の外角のスライダーをカットして
ツーストライク。




それでも、黒い笑みを浮かべている。




「…得体がしれないな」




聖川は外角にストレートを要求し、
ストライクゾーンからボール2つ離れた
所にミットを構えた。







愛李華は頷き、構えた場所に投げ込む。








「まずい…!少し内側に…!」














しめたという表情で中谷は腕を伸ばして
そのボールを流し打ちした。














強い打球が三遊間を襲う。














が、サードの芽衣がこれを好捕。














1塁に向かってボールを投げ込み、
井上がこれを掴んだ。






「アウト!スリーアウトチェンジ!」





芽衣の好プレーに会場が沸き、
中谷が呆然とする。




愛李華は安堵の表情を浮かべ、
ベンチに下がっていった。





芽衣は愛李華の元へと駆け寄り、




「大丈夫!お姉ちゃんに任せて!」



頼もしい姉の言葉に、




「ありがとう、お姉ちゃん!」




と、妹は笑顔で応えた。





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