がーるずベースボール!

近衞

45話⚾︎Bランク⚾︎

 日本国東部地区球場。



日本国では、Bランク以下の
ランク戦はここで開催される。



Bランクに上がれば試合で勝利すると
給金が支給される。



つまり、Bランクからは
セミプロフェッショナル選手として
このグラウンドに立つのだ。



Bランクの総チーム数は20。
即ち、Aランクへの登竜門と言える。



Aランクからは待遇面でも経済的な支援が
行われる。



そのため、Bランクの選手達は
死にものぐるいで上を目指す。








そしてその第1試合。



早速、ソニックがーるずの
出番がやって来たのである。

















「…。」



ナインはベンチ前で緊張感を肌身で感じていた。



一抹の不安と、大いなる高揚感。




選手達の心を支配し、
体の奥底から力を沸かせる。




「整列!」




「行くぞ!」



「「「「「「おおおー!!」」」」」」








主将として任命した聖川の声が響き、
彼女らはホームベースまで向かっていく。





「礼!」






「「「「「お願いします!!」」」」」







両チームの掛け声を持って、
ランク戦開始の火蓋が切られた。





ソニックがーるずは後攻。
Cランク王者として、ある程度の
アドバンテージが与えられている。



「…頼むぞ。みんな」










【ソニックがーるず 
スターティングラインナップ】

打順   守備位置    名前   背番号

1番 センター    八幡 絵里やはた えり   8

2番 セカンド      相沢 優あいざわ ゆう       4

3番 キャッチャー    聖川 理玖ひじりかわ りく    2

4番 ファースト     井上 優姫いのうえ ゆうき    3

5番 サード          樹原 芽衣きはら めい     15

6番 ライト       船田 紗枝ふなだ さえ     9

7番 レフト       ドロッセル    7

8番 ショート       駒田 春香こまだ はるか      6

9番ピッチャー    湯浅 響子ゆあさ きょうこ        1

控え ピッチャー   樹原 愛李華きはら あいか  10










ソニックがーるずナインは守備につき、
今か今かとその合図を待つ。




1番バッターが打席に立ち、



「プレイボール!」






瞬間、試合開始を告げる合図とサイレンが
球場に鳴り響く。









待ってましたと響子は小さなテイクバックから投げ込んでいく。









「スタァァイ!」







独特なコールが上がり、
ストライクがカウントされる。








響子の2球目。








スローボールにタイミングを外され
ツーストライクとした。





3球目、サインはインコース高めの
ストレート。







響子は小さく頷き、ボールを投げ込んだ。





「ストライク!バッターアウト!」







その後、2番打者をセカンドゴロに打ち取りツーアウトとした。





















だが。













状況はツーアウト1、3塁。




順調に来ていたはずだったが、
少し甘く入った球を3、4番に連打された。



さらにバッターは5番…
初回からピンチを迎えている。







「さすがにBランク…甘い球は逃さないな」




正直、みんなの動きが固い。





さっきの4番の当たり、本来なら
ランナーを3塁まで行かせるほどの
ものではないのだが…




「連携も稚拙だ。私がしっかり
しなければ…」





キィン!





甲高い音を立てて飛球した白球は、
右中間へと伸びていく。




「センター!」








聖川の声が響いて、
八幡はさらにスピードを上げる。





ライトの船田も追っていく。






打球はセンターとライトの真ん中へと
落ちていき…






「待て、船田はクッションに備えろ!」





聖川が叫ぶが、船田には届かない。










「私が…やらなきゃ!」












船田は手を伸ばした。














が。














ドガッ!!














瞬間、鈍い音がこだました。










交錯した八幡と船田は転倒。




打球はフェンスに当たりフェアが
宣告された。





「や、八幡さん!?」





船田は八幡の体を揺するが、
反応はない。







慌ててカバーに来たドロッセルが
ボールを内野へと返した。










だが時既に遅く、バッターランナーは
ホームイン。





3-0。初回から最悪の形で失点した。






「そ、そんな…私…」




船田は呆然としたまま立ち上がれない。





「八幡!船田!大丈夫か!?」





ベンチから走って来ていた
高貴が呼び掛ける。




続いて3人の救護班がタンカを持って
やってきた。





「や、八幡さんが…」




船田は今にも消え入りそうな声で
高貴に話す。




高貴は八幡の容態を確認し、




「さっき頭から落ちていたな…
脳震盪の可能性がある。救急車を!」




「は、はい!」




3人のうち2人はタンカで八幡を運び、
1人は救急車を要請する。




八幡はそのままグラウンドを後にした。





「…船田」




「ひっ…!」




何か言われるのでは、と
船田は怯えきっていた。





「…センターに入ってくれ。」




「え…?わ、私が!?」




「ああ。ライトには愛李華に入らせる。」




「そ、そんな…私…」




船田は眼に涙を溜め、




「私…交代した方が…」




「甘ったれたことを言うな!!」




船田は高貴の声に思わず驚いて、




「八幡が今のお前を見て満足すると思うか!?ちゃんと謝りたいなら、八幡の
代わりをやり遂げるんだ!船田!」




高貴は船田の肩を掴み、
語りかけるようにそう言った。




「船田サン、やりましょウ!」



「船田、ミスは誰にでもある。
だが、その後の姿勢が大事なんだ。
八幡のランク戦にかける思いを、
無駄にするな」





船田は少し俯いた後、




「…うん!やる!八幡さんにちゃんと
顔向けできるように頑張る!」



と、涙を拭って立ち上がった。



「よし、頼むぞ、船田!」



と、高貴は船田の肩に手を置いて言った。



「うん!任せて!」



と、船田は笑顔で返し、
それを見た高貴は微笑み返して
ベンチへと戻る。




他のメンバーも、
守備位置へと戻っていく。




















「八幡さん…」













「この試合、絶対勝つから!」


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