がーるずベースボール!
44話⚾︎託すもの⚾︎
窓から星を眺める。
夜空に輝く星々は一つ一つが力強く輝きを
発し、自分の存在を主張する。
明日のランク戦に思いを馳せながら、
高貴は少し前の出来事を思い出していた。
それは、合宿から帰った時のこと。
廃棄された木材で自作したポストを
確認する。
「ん?封筒…日野構から?」
高貴は中身を確認する。
「…俺をランク戦出場禁止に!?
どういうことだ!?」
「そういうことです。」
「か、釜田さん!?」
高貴は驚いて思わず飛び退いてしまう。
まるでキュウリを見た猫だ。
「失礼しました。
大和田会長からお電話です。」
と、携帯電話を差し出された。
「は、はあ…どうも…」
と、携帯電話を耳にやる。
「もしもし、玉原ですけど…」
《突然すまない。大和田だ。
封筒は行っているかね?》
「は、はい。あの…これって…」
《書いている通りだ。
スチュワーデス殿も承諾している》
「急に何故こんな…」
《少々込み入った事情があってね。》
「事情…ですか。」
《ああ。私とスチュワーデス殿に
共通のメールが届いたのだよ。》
「メール…」
《差出人は…》
《栗原メイアだ。》
「え…!?」
「メールの現物です。」
俺は釜田さんからメールをコピーした紙を受け取る。
【件名:玉原高貴のランク戦出場について
かねてより考えを巡らせていた
ならず者のランク戦出場に関してですが、
私の意見は玉原高貴の出場を認めない
という形で固まりました。そろそろ
頃合いかと思いますので。失格
に決まりでしょう。
体良く彼を諌めてください。
猫舌は災厄を生みますよ。
栗原メイア】
「こ、こんなの、誰かの悪戯じゃ…」
《そう信じたいが、
メールアドレスは栗原メイアのものなのだ。》
「どういうことです?まるで栗原メイアが生きているみたいで…」
《これは国の上層部しか知らない話だが、コンピュータの類は全て栗原メイアが
作り出した人工知能が管理している。
その人工知能を栗原メイアとして、
我々はコンピュータを使用しているのだ。》
「…じゃあもしかして俺達は
栗原メイアに監視されている…?」
《そう考えてもいいだろう。
栗原メイアからメールが送られることは
かなり珍しい事だ。
だから君がこの指令を無視すれば、君の
チームは解散させられるかもしれない》
「な…」
高貴は開いた口が塞がらなかった。
自分達の行動が、栗原メイアに監視されている…
連日に渡る驚愕な真実との邂逅に、
高貴の頭は追いついていない。
《スチュワーデス殿もこれに関して
調査を進めている。私も動くつもりだ。
だから君は、しばらく休みなさい。》
「そんな…それじゃチームはどうなるんです!?俺がいなきゃ…」
《君は、チームメイトを信じられないのかい?》
「っ…!」
《あのチームは、君のワンマンチームではない。私はそう思うがね。》
「…分かりました。」
《苦しい選択だろうが、
必ず、出場できるようにする。
だから、今は耐えてくれ。玉原君。》
「…はい。ご迷惑をおかけします。
ありがとうございました。」
と、高貴は携帯電話を釜田に返した。
「よろしいのですね?」
「…はい。ありがとうございました。」
「そうですか。私はこれで。」
釜田は腰を曲げ、去っていった。
「…すまない…」
誰もいない、音もしないプレハブで
彼はポツリと呟く。
「頼んだぞ…みんな。」
夜空に輝く星々は一つ一つが力強く輝きを
発し、自分の存在を主張する。
明日のランク戦に思いを馳せながら、
高貴は少し前の出来事を思い出していた。
それは、合宿から帰った時のこと。
廃棄された木材で自作したポストを
確認する。
「ん?封筒…日野構から?」
高貴は中身を確認する。
「…俺をランク戦出場禁止に!?
どういうことだ!?」
「そういうことです。」
「か、釜田さん!?」
高貴は驚いて思わず飛び退いてしまう。
まるでキュウリを見た猫だ。
「失礼しました。
大和田会長からお電話です。」
と、携帯電話を差し出された。
「は、はあ…どうも…」
と、携帯電話を耳にやる。
「もしもし、玉原ですけど…」
《突然すまない。大和田だ。
封筒は行っているかね?》
「は、はい。あの…これって…」
《書いている通りだ。
スチュワーデス殿も承諾している》
「急に何故こんな…」
《少々込み入った事情があってね。》
「事情…ですか。」
《ああ。私とスチュワーデス殿に
共通のメールが届いたのだよ。》
「メール…」
《差出人は…》
《栗原メイアだ。》
「え…!?」
「メールの現物です。」
俺は釜田さんからメールをコピーした紙を受け取る。
【件名:玉原高貴のランク戦出場について
かねてより考えを巡らせていた
ならず者のランク戦出場に関してですが、
私の意見は玉原高貴の出場を認めない
という形で固まりました。そろそろ
頃合いかと思いますので。失格
に決まりでしょう。
体良く彼を諌めてください。
猫舌は災厄を生みますよ。
栗原メイア】
「こ、こんなの、誰かの悪戯じゃ…」
《そう信じたいが、
メールアドレスは栗原メイアのものなのだ。》
「どういうことです?まるで栗原メイアが生きているみたいで…」
《これは国の上層部しか知らない話だが、コンピュータの類は全て栗原メイアが
作り出した人工知能が管理している。
その人工知能を栗原メイアとして、
我々はコンピュータを使用しているのだ。》
「…じゃあもしかして俺達は
栗原メイアに監視されている…?」
《そう考えてもいいだろう。
栗原メイアからメールが送られることは
かなり珍しい事だ。
だから君がこの指令を無視すれば、君の
チームは解散させられるかもしれない》
「な…」
高貴は開いた口が塞がらなかった。
自分達の行動が、栗原メイアに監視されている…
連日に渡る驚愕な真実との邂逅に、
高貴の頭は追いついていない。
《スチュワーデス殿もこれに関して
調査を進めている。私も動くつもりだ。
だから君は、しばらく休みなさい。》
「そんな…それじゃチームはどうなるんです!?俺がいなきゃ…」
《君は、チームメイトを信じられないのかい?》
「っ…!」
《あのチームは、君のワンマンチームではない。私はそう思うがね。》
「…分かりました。」
《苦しい選択だろうが、
必ず、出場できるようにする。
だから、今は耐えてくれ。玉原君。》
「…はい。ご迷惑をおかけします。
ありがとうございました。」
と、高貴は携帯電話を釜田に返した。
「よろしいのですね?」
「…はい。ありがとうございました。」
「そうですか。私はこれで。」
釜田は腰を曲げ、去っていった。
「…すまない…」
誰もいない、音もしないプレハブで
彼はポツリと呟く。
「頼んだぞ…みんな。」
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