がーるずベースボール!

近衞

38話⚾︎でーと⚾︎

 合宿3日目。



今日も砂浜で走り込んだ後、
グラウンドで特守と特打。




そして俺は、外野ノックを受けながら
昨日の記憶を思い出す。






昨日はとんでもない夜だった。



結局、
3人の誤解を解くのに1時間弱かかった。




 何より聖川の反応・様子と俺の説明が
全く噛み合わず、

やましい事はない、と言っても
信用されなかった。



「ぐ…聖川のマッサージの意味がねえ…」



昨晩球宮さんに関節を決められて
悲鳴を上げる体を無理矢理動かす。




朝まともに挨拶を返してくれたのは
聖川と球宮さんだけだった。




「くそ、何で俺がこんな目に…」



と、呟いた後
俺は白球を追うのだった。




























































さて、もう恐怖になりつつある夜が
やってきた。



「で、何故俺はここに呼び出されたんです?」



俺の前には、球宮さん、響子、聖川、八幡
が立っていた。



「ふふん。今から君には、
昨日働いた狼藉を贖ってもらいます!」



と、黒い笑みを浮かべた球宮さんが
高らかに宣言する。



「…ちゃんと説明はしたんですが」



「あれ〜?そうだったかな〜?」



と、惚けたそぶりを見せ、
俺の右腕に自分の両腕を絡ませる。



「今から君には、ここの4人と砂浜でデートをしてもらいまーす!」




「はあ!?」



「あ?文句あんのか?高貴」



「無いよね?」



「…はい」



2人の剣幕に押され、
渋々了承せざるを得なくなる。




「じゃあ、まずは私から。
行ってきまーす!」



と、俺は球宮さんに引っ張られ
砂浜へと向かった。























「海、綺麗ですね。」



「うん。夜になったら月の光でこうなるのよ。」



月の光が反射し、
水面は幻想的な輝きを放っている。



「あの、球宮さん、くっつきすぎ…」



「あれ〜寒いな〜」



と、
球宮さんは更に胸を腕に押し付けてくる。




「あれ?高貴君顔赤い?」



「…赤くありません。近いです。」



「高貴君はいつになったら私の
想いに応えてくれるのかな〜?」



「そ、それは…」



球宮は胸の押し付けを少し緩め、




「冗談よ。すぐにとは言わないわ。」



「すいません…」



「気にしないで。
私はいつまでも待ってるわ。」



2人は歩きながら、そんな会話を交わす。











「…で、あの3人のことどう思う?」



「…どうって…」



「気付いてるんでしょ?3人が貴方を
愛しているのを。」



「っ…!」



「貴方、何を迷ってるの?
…良ければ聞かせてもらえないかしら」



球宮は、子どもに語りかけるように
高貴に問いかけた。












「…俺には、親が居ません。」





「…!」






「ご存知ですよね?だから、家族…
っていうものが何なのか分からないんです。」




「…ソニックがーるずのみんなは、
家族同然じゃないかしら?」






「…そう…かもしれません」






「でも、不安なの?」





「もし誰かを選んで、家族ができたら…
俺は、その人達にどう接すればいいんでしょうか?

俺を、受け入れてくれるんでしょうか?」





「どうしてそう思うの?」




「俺は記憶の改竄を受けています。
つまり、俺の記憶のどこかに
科学者の禁忌となる何かがある。」



高貴は足元にある貝殻を拾い、
月の光にかざす。



「それが明らかになった時、
俺が選んだ人は、俺のせいで苦しむ
ことになる。

だから、彼女らとは一線を越えない。
そう心の中で決めています。」



「…自分のせいで、その人を苦しめてしまう、と?」




「…はい」



「そう」




「…すいません、男のくせに優柔不断で」




「謝らなくていいわ。貴方の言い分は、
貴方にしか分からないことだもの。」




「…」



俺は貝殻を地面に置く。




「…何で、3人は俺なんかを好きになったんでしょうか?」




「…急にどうして?」



「…俺は少なくとも、貴女を含め
3人の女の子を袖にしてしまいます。

でも、俺なんかにそんな魅力は
あるんでしょうか?」




「魅力があるかないか、はともかく。
…それ以外は、私には分からないわ。」



「…そう…ですよね。」










「…じゃあ、戻りましょうか。」




「…はい。」



俺は球宮さんを連れ、
旅館に戻っていった。

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