がーるずベースボール!

近衞

37話⚾︎おもてなし➁⚾︎

 朝。



誰もいない和室で、
俺は筋肉痛がする体を起こす。



そして、昨日の記憶に想いを馳せた。



…昨日はとんでもない夜だった。



結局あの後何も無いまま
4人は部屋を出てったし…



「はあ…」



溜息をついて、俺は支度をする。















朝4人に会った時球宮さんは普通に
挨拶を返してくれたが、


他の3人は顔を赤くした後無視された。



「…はあ」



「おう!玉原!今日は元気が無えな!」



と、レンの巨漢が近づいてくる。



「…いや、何でも無いよ」



「そうか?ならいいんだかよ。
今日はぜってぇお前の球打ってやるからな!」



「おう。また4三振ノーヒットにしてやる。」



「へっ!今に見てやがれ!じゃあな!」



と、レンは意気揚々と旅館を後にした。



「…俺も行くか。」



と、俺も砂浜へと向かった。
































午前中は砂浜で走り込み、
午後に特守と特打のあと
レンを5打数5三振にした後。



俺は夕餉と入浴を済ませ、
再びこの部屋に戻ってきた。




「ふう…」



時刻は21時12分。



「そろそろ明日に
備えて眠るとするか…」



と、布団に入ろうとした時。





コンコン



と、扉を叩く音がする。



「はーい」



と、来訪者に入室を促した。




「や、やあ…玉原」



来訪者は聖川だった。



絹で織り込まれた青い生地に、
向日葵の模様を描いた浴衣を
黄色い帯でその体を締める。



元々聖川は名家のお嬢様。
その所作に無駄なところは全くなく、
そのただずまいに高貴は見入っていた。



「聖川?どうしたこんな時間に」



昨日の姿も相まって、
俺は少しどぎまぎしてしまう。



「そ、その…き、昨日の…」



「き、昨日?」



「言っていたであろう?
ま、マッサージを…その…明日も頼みたい…と」




「ああ、確かに言ったけど」



「だ、だから…来たぞ」



聖川は俺にうつ伏せになるように促し、
俺はそれに従う。



せっかく来たのを追い返すわけには
いかないし…



冗談のつもりだったんだが…



と、聖川の施術は始まった。











「ううう…あああぁあぁ〜」



俺もうオヤジやな。



「やっぱ聖川のマッサージは聞くな〜」



背中の毒気が抜けて行く気がする。



「それは何よりだ。私も来た甲斐がある」



と、背中に指マッサージをしながら
聖川は答える。



「聖川はいい嫁になるぅぁいぁぁ〜」



「にゃあっ!?」



突然素っ頓狂な声を上げて、
聖川はたじろぐ。



「ん。どうした、聖川」



「い、いや、なん、で、も、ない」



なんか言葉が途切れ途切れだが…



「そうか。ならいいんだが…」



「…助平」



「何か言ったか?」



「何でもない!」



と、1番痛い部分を押す。



「ぎゃー!!」



「ふんっ、仰向けになれ」



いてて、と押された部分をさすりながら
仰向けになった。






と、その時。



コンコン。


「高貴君、居るかしら?」




「あれ?玉原さ」






その瞬間、頭から毛布をかけられた。



「な、何を…」



「し、静かにしろ…あの女にバレたら…
何が起きるか…」



と、目の前にいる聖川に制止される。





それに納得し、俺は口を閉じる…が。




いや待て。














これ聖川と同じ布団の中で密着
してるじゃないか!?



俺はその事実に気付いたのと同じ
タイミングで、
聖川の顔も赤く染まっていく。




「し、仕方が…ないだろう。
咄嗟に体が動いてしまったのだから…」


俺の言いたい事が分かっているのか、
顔の下にいる聖川が小声で呟く。



女の子の体が密着し、
まるで体温が共鳴反応を起こしたかのように互いは熱くなる。



女の子の体ってこんなに柔らかいのか…?



ついそんな事を考え、
聖川を意識してしまう。






丁度、聖川を抱きしめるような体勢に
になっていた。



「ひ、聖川…苦しくないか?」



「あ、ああ…大事ない」



そ、そうか…良かっ…















いや良くない!




こんな美人抱きしめてたら
俺の心臓は破裂する!





現在進行形でバクバク言ってるよ!




やばい、聖川にも伝わって…!









ん?





いや待て、これ俺じゃないぞ?




俺じゃないなら…




「す、すまない。私の心臓が…」



聖川!?



なんで聖川の心臓がこんな…




異性に抱きしめられたら
みんなこんなになるのか…!?




聖川の激しい鼓動が俺に伝わりながら、
俺は思考を巡らせる。





「こ、こ、高貴」



「え?」



聖川、今高貴って呼んだよな?




「ひ、聖川?」



「い、今は理玖、と呼んでくれ…」



「あ、ああ…分かった」




赤く染めた顔で上目遣いをされ、
断れなくなる。







「こ、高貴は…子どもは将来何人欲しい?」



「こ、子ども?え…と…2人…かな」



「ふ、2人か…な、なるほど」





何を納得してるんだ?理玖!?




「こ、高貴、眼を閉じてくれ」




「こ、こうか…?」




すっ…と、俺は眼を閉じた。


















激しく波打つ鼓動。






蒸気する顔。









この状況に脳は麻痺する…













それらを恥ずかしさと共に抑え込み、
小さな体を高貴に寄せる。




















乙女の柔らかい唇が、
今想い人の唇へ_____……
































「なーにしてるのかな?聖川さん?」









突然聞こえた球宮さんの声に
思わず眼を開いてしまう。









で、理玖は何でこんなに近いんだ!?




「聖川さんって見かけによらず大胆ね」





するとドタバタと足音が
近づいてきて、






「理ーーー玖ーーー!ダメー!」




「聖川あああ!!てめえ抜け駆けかああ!!」



2人が部屋に入ってくる。




理玖は更に俺にしがみついて、




「ち、違う!これは、その…そ、そう!
高貴に昨日頼まれた夜伽だ!!」



俺は驚いて理玖を抱き締めてしまう。



ん?何か手に柔らかい感触が…





いや焦りすぎてとんでもないこと
口走ってますけど!?




「確かに、昨日そんな事言ってたわよねえ〜〜?」




「いや待て、明日も頼みたいぐらいって
言ったけど、よ、夜伽なんて」




「問答無用だあああ高貴いいい!!」



「信じられないよ!」




「待て!やましい事をしようとしてたわけじゃ…」




球宮さんは俺を指差しながら、




「乙女の胸を鷲掴みにしておいて、
何故そんな事を言えるのかしら?」



と、自分の手に眼をやる。









俺は全身の血の気が引いていくのが分かる。




俺の手は、
聖川の双丘を鷲掴みにしていた。



「こ、高貴…その…む、胸に自信はないのだが…」



と、聖川は俺の手に自分の手を添える。



「す、すまん!理玖!」



と、俺はすぐに手を離す。



聖川はまだ惚けているようだ。



「…ねえ、湯浅さん、八幡さん
聞こえたわよね?」




「はい、聞こえました。球宮さん」




「おう。確かに聞こえたぜ」




3人が段々阿修羅に見えてきた。





「今、聖川の事、理玖って言ったよな。
普段てめえそんな風に呼ばねえよな。
どういうことだ。説明しろや!!」




「え?いや、あの…それは…その…」



「こ、高貴…」



聖川が相変わらず
顔を真っ赤にしながら、




「こ、子どもは…3人…で、
いいのだな…?」




聖川ああー!

このタイミングでその発言は核兵器だぞ!




球宮は溜息をついて、



「やってしまいましょう。
そして次は聖川さんにしたことを
私達にしてもらいましょうか」



「「了解」」






「ま、待て早まるな!」




てか球宮さん今同じことをしてもらうとか
言わなかったか!?



「高貴君」「高貴」 「高貴」


「ま、待て、早まるな!」













「「「天誅うううう!!」」」







































「う、うわあああああああああああ!!」













































その後、高貴は地獄を見た。

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