がーるずベースボール!

近衞

35話⚾︎ヤキモチ⚾︎

 午後の練習は、ファンディレイク所有のグラウンドで行われていた。


午前とは打って代わり、主に技術練習。


特守、特打。


これを1時間ごとに交代して2セット。


15分のランニングの後、
それは行われた。


13時45分に練習を開始し、
18時30分まで追い込みまくる。



俺は外野の特守、特打、内野の特守の後
バッティングピッチャーを務めていた。



「来やがれ玉原!今日こそてめえのストレートをかっ飛ばしてやらあ!」



昼休憩の時に仲良くなったレンが吼える。



「行くぞ!レン!」



「おお!来やがれ!」

























「…すみません、球宮さん」



「…!」



「今、頭の中ぐちゃぐちゃで、
整理がついてないんです。だから…」



「…そうね。あんな話の後だもの。
変な事言ってごめんなさい。」



「いえ…その…」



「あ、早く戻らないとお昼食べられないわ。戻りましょ!」



「球宮さん!」



高貴は球宮の腕を掴み、


「今はこんな返事しかできませんけど、
必ず、球宮さんの気持ちを」



「みなまで言わなくていいわよ。
分かってるわ。楽しみにしてる。」


球宮は高貴に笑顔を見せた。



「さ、行きましょ!」
















18時32分。



練習は終了し、
各々が宿舎へと戻っていく。



「高貴君」


「玉原さん、どうしましたか?」



「お疲れ様、これ、ドリンクよ」



と、球宮は高貴にペットボトルの
ドリンクを手渡す。



「わざわざありがとうございます。」


と、高貴はドリンクをあおる。



「ぷはっ!やっぱ練習後のスポーツ
ドリンクは格別ですね!」



「ふふふ。それ、私が既に一口飲んだ後なんだけどね。」



「ぶはっ!?げほっ、がほっぐはっ」



「ふふふふ、冗談よ、面白いわね。高貴君は」



この女、小悪魔や。



「あ、あの!」



ふと、響子、聖川、八幡の3人が
球宮の前に並び立っていた。



「あら?どうしたのかしら?湯浅さん」



「あの…その…えと…」


なんだか3人の顔が赤くなっていく。


響子?なんでこっちをチラチラ見てるんだ?



何かに気付いた球宮さんが、


「高貴君、あっちでレンが自主練してるわ。ちょっと相手して来てくれる?」


「あ、はい。分かりました。」



球宮さんに頼まれた通り、
まだマシンで練習を続けるレンの元へと
俺は向かった。






「さて、話は何かしら?」


と、既に手品の種を知ったかのような顔で3人を見る。



「え…えと…その」



「だ、だからよ、お前が高貴と」



「つ、付き合っているのか!?」



ふふ、と球宮は微笑んで。



「さあ?どうかしら?」



3人は一瞬固まるが、



「て、てめぇ、ご、誤魔化してんじゃねえ!」



「そ、そうだ!しょ、正直に」



「じゃあ、貴女たちはどうあって欲しいの?」



「ふぇっ!?」


響子が素っ頓狂な声を上げ、


「い、いや、それは、あの」


「た、玉原は我々の監督だ!
だから…その、い、異性交遊は…」



「て、てめえみてえな性悪そうな女と
つ、付き合ってちゃシャレにならねえ!」




酷い言われようね、と球宮が
溜息をついた後。



「じゃあ、こうしましょう。
貴女たちに高貴君を賭けた試合をして貰います。」



「し、試合!?」



「な、何をさせる気だ!」



「変な事はさせません。
その内容は___…」








































途中から勝負形式となり、レンを
5打数4三振ノーヒットと抑え込んだ
俺は、自分の部屋に戻っていた。



チームメイトはみんな女子高生なので、
唯一の男子である俺は
この3人用の和室を1人で使う。



だだっ広い分、なんだか落ち着かない。



俺は座布団に座り、



「飯はうまいわ、風呂はでかいわ…
ほんと、Aランクは格が違うな」



と、部屋を眺めながら感心していた時。
コンコン、と扉からノックをされた。




「はい、どうぞ」



すると、部屋に入ってきたのは
球宮唯だった。


白を基調とした生地に、

金色の菊の装飾を施された振袖を黒い帯で引き締めている。



流れるような綺麗な所作に、
高貴はつい見惚れてしまう。


「こんばんは、高貴君」



「こ、こんばんは…あの、どうして…」



「今日は高貴君にちょっとお願いがあって」



「何です?俺にできる事なら…」


入ってきて、と球宮は呼びかける。













「し、失礼します!」



「はあ!?」



入ってきたのは、3人の和服女子。



「3人には、誰が1番高貴君をおもてなし
できるかを競ってもらいま〜す!」



「い、いや…響子、聖川、八幡…なんで」



普段制服と野球のユニフォームしか着ないから、今の3人はかなり新鮮だ。


響子は桃色の生地に白い秋桜を施した振袖を紫の帯で引き締めている。


聖川の振袖は、
青色の生地に赤い百合の花が装飾され、
シンプルな白い帯でそれを纏う。


八幡の振袖は緑色の孔雀の羽を装飾され、
赤い帯でその体をしぼり込む。


高貴からの視線に気付き、
3人は視線を逸らした。



「…高貴のエッチ」



と、響子は聞こえない声で呟いた。



「さて、高貴君」



「は、はい」


俺は少し上ずった声で返事をする。



球宮は高貴の後ろに回り込み、
胸の膨らみを高貴の背中に押し付けながら



「今日の夜は長いわよ?」



と、耳元でささやいた。






「…俺、何をされるんだ?」



高貴の溜息に似た呟きが、
部屋中にこだました。

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