がーるずベースボール!

近衞

33話⚾︎合宿、スタート⚾︎

 ファンディレイクの監督、
球宮唯の誘いを受けた俺達は

東部地区から西部地区へと電車で移動し、
所定の湾岸へと到着した。



そこから球宮の使いの人の案内で、
高級旅館で荷物を整理した後

俺達は一足早く海の潮風を感じていた。



「玉原、本当にここが所定の場所…
なのだな?」



「ああ、さっき使いの人もここでお待ちくださいって言ってたし…」




そう言われてから15分。

一応、練習開始は9時30分で
今9時20分だからまだ大丈夫だが…








「遅くなってごめんなさーい!」




聞き覚えのある撫でやかさを感じる美声が
砂浜に響き渡る。




「「「おはようございます!!」」」



それに続いて、皆洗練された軍隊のように朝の挨拶を行う。



俺達も、出来る限りの声で返した。



「来てくれてありがとう!高貴君!」


球宮は純白のワンピースに麦わら帽子
という格好で、高貴の前に現れた。



「いえ、わざわざお誘い頂いて
ありがとうございます。」



「もう!そんな仰々しくしなくて
いいって言ったのに!」



と球宮は頰を膨らませ、
不満な意思をアピールする。



「いえ、年上の方ですので。」



「久しぶり!高貴っち!」


続いてファンディレイクでサードを守る
橋本花音が手を振りながら駆け寄る。



「ああ、久しぶり、橋本」



「あー!花音だけはタメ口なんだー!
いいなー!私もタメ口がいい!」



と、子どものような台詞を言った後
再びリスのように頰を膨らませる。



「球宮さん、貴女年頃の淑女なんですから」



「あら?私のこと淑女なんて言ってくれるの?嬉しいわ。」



と、一回転してワンピースを少しだけ
翻し、あざとく嬉しさをアピールする。



いい香りがするな、と少し思ってしまう。



「淑女をエスコートするのは、
紳士の努めですのよ?」



と高貴の腕に自身の腕を絡ませながら
上目遣いで微笑む。



む、柔らかい感触が…

これは90?いや95…




ん?背中にレーザーポインターが…




「球宮さん、練習が始まりますので…」



「じゃあ、終わったら私の所に来てくれる?大事な話があるから。」



「…?はい、分かりました。」



大事な話…?と思考を巡らせるが、
心当たりが無い。













瞬間、高貴は右の頬に柔らかい感触を
感じ取った。





球宮の唇が、高貴の頬に触れる。













時間が止まったかのような錯覚を覚えた。














「貴様ああ!離れろ女狐ええ!!」



「てめえひき肉にされてえのかああ!!」



八幡と聖川の声を聞いて、
意識が覚醒する。




「じゃあね♪」



と、彼女は手を振り
自身のチームの元へと向かって行った。




「…愉快な人だな」



「何鼻の下伸ばしてんの?高貴」



響子が怒気を孕んだ声で問う。



「ん、伸びてないぞ?」



「高貴のエッチ」





「何でそうなる!?」




「知らない、高貴の馬鹿」



と向こうに行ってしまった。




「何なんだ?あいつ…」




「「おい」」



「何だよ」



「「死ね」」



「…は?」



2人も向こうに行ってしまった。




「玉原君、行こか」



相沢は高貴の肩に手を置く。



「ああ…」































「あー、終わったー!」



響子は砂山に倒れこむ。




「ああ…想像以上だ。」


聖川も隣に倒れこむ。



いや、倒れ込んでいないメンバーは
誰もいない。



俺も、砂浜に横たわっていた。



9時30分から始まり、今は12時30分。

内容は、とにかく走り込みなどの
基礎トレーニングだ。



バランスの悪い砂浜。

湾岸沿いの横から来る強い浜風。



この2つの要素が、
さらに練習の過酷さを強大化させていた。



「高貴君!」



高貴は顎を上げて、
しゃがんで自分の顔を覗き込んできている
球宮の顔を見て、


直ぐに立ち上がる。



「失礼しました。何でしょうか?」



「練習前に約束してたよね。
私の所に来てねって。」



「ええ。覚えていますよ。」



「ふふっ。嬉しい。さ、こっちに来て」




球宮は高貴の手を引いて歩き出す。



「おっと…」



「ふふ、まるでデートだね」
































「おい、響子、八幡」


「うん」


「おう」



3人は立ち上がり、



「「「行こう」」」






響子、聖川、八幡の尾行作戦が決行された。



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