がーるずベースボール!

近衞

32話⚾︎試練⚾︎

 翌日。




学校の授業が終わり、
ミーティングを開いた。




「…みんな、昨日は勝手に抜け出してごめん。」




教卓で、響子は皆に向かって頭を下げる。




目的は、響子の謝罪の場を設けること。




響子は、自分の言葉で、
何故あんな行動に出たのかを説明した。




「言い訳にしかならないけど、
もう一度だけ、私にチャンスを下さい!」





と、響子は再び頭を下げた。







「顔を上げてくれ、響子。」





聖川は席を立ち、響子を抱きしめた。





「すまない。響子がそんなに苦しんでいたというのに、私は気づく事すらなかった」





「だから、もう一度だけでいい。
私達を頼ってくれ。」






瞼が熱くなる。



「うん…ごめんね…理玖…」




「水臭えなあ響子!」



「全くやで。私ら何のためにおるんかわからへんやんか。」



「響子サン、聖川サン、私達を置いていかないでくださイ。」



「そうだよ!みんな行こ!」





と、皆は席を立ち2人の元へと集まる。




「みんな…」



「安心なさい。もう貴女を1人にはしないわ。それと、気付いてあげられなくて
ごめんなさい。」




「みんな…ごめんね…」








挫けそうな仲間を励まし、手を取り合う。










【仲間】という存在の本来の姿が
そこにあった。






































「さて、落ち着いたか?響子」



「うん、時間取らせてごめん。」



まだ眼は赤く、時折嗚咽が漏れそうに
なってはいる。



だが、その眼は真っ直ぐに
先を見据えていた。



「実は、ファンディレイクの監督から
合宿のお誘いを頂いた。」




教室が少しざわつく。 



「来週の木曜日からの4連休、
一緒に練習しないか、とな。」






「…ファンディレイクが、
これまた何でウチらと?」




「球宮さんのご好意…としか。」

 

「…何を…考えて…いるんでしょうか…」




「当てつけか?あの性悪そうな女」




と、各々は疑問の声を上げる。












「行こうよ」




1番最初に同意したのは響子だった。




「そうだな。強豪の技を盗める
良い機会だ。行かない手はないな!」




と、聖川も続いて同意する。




「私も同感です。このチームはまだまだ
弱ですから。」




愛李華もそれに続く。





「…俺も行くべきだとは思う。
だが、強制はしない。」




と、最後に高貴が付け加えた。




「何を言っているのかしら?
私達は行かないとは言っていないわよ。」




「ああ。むしろあの女の鼻を明かしてやりてえと思ってたとこだ。」




「あんだけコテンパンにされたけど、
強いのは事実やしなあ。」




「強く…なりたいです!」





続々と上がる仲間達の声に、
高貴は笑みをこぼす。






「分かった。球宮さんにはそう伝えておく。来週が楽しみだな。」





「ああ!必ずリベンジを果たすんだ!」








皆の決意を胸に、
ミーティングはつつがなくお開き
となった。
























































「ええ、分かっているわよ。 ︎ ︎」





灯りひとつない暗い部屋で、
球宮は呟く。



「貴方のお気に入りは直ぐにここに来るわ。だから、もう少しの辛抱よ。」




「 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎__…」




「でも本当に良いの?
何が起こるか分からないわよ?」





「 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎。」




「…分かったわ。貴女がそう言うなら。」





パッ、と部屋の明かりが戻る。





病室用のベッドに焼け焦げたヘルメットが
置かれただけの殺風景な部屋。




球宮はヘルメットを優しく撫で、





「…ごめんなさい、高貴君。」


球宮は扉へと歩き出す。



「私は、貴方を」

























































「悲しませる、かもしれない。」

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