がーるずベースボール!

近衞

6話⚾︎ランク戦、開始⚾︎

ランク戦。



Sランクチームとなる為に、
各チームが死力の限りを尽くす。



4月〜5月にC級、7月中にB級、
8月〜9月にA級のランク戦を行う。



その王者が、S級チームとなるのだ。



この日本国内に存在する、
Aランク10、Bランク20、
Cランク10の計40個のチームを
試合によりランク付けする。



優秀なチームは賞金が支払われるプロ選手となり、富と名声が手に入るのだ。



上の階級に上がれるのは1チームのみ。



そして今日、
玉原高貴率いるソニックがーるずが、


Bランク昇格をかけた闘いに挑む。









場所はいつも練習をしている河川敷。



だが今日は、一味違う。



C級のランク戦とはいえど、
国技である野球の試合を見れると合って、
観客の数も多い。



響子の両親の姿も見える。



負けたら終わりのトーナメント形式。



ベンチに入れば、自ずと緊張感がほどばしる。



かくいう俺も震えてる。



スターティングラインナップが発表され、
一気に会場のボルテージは上昇。



全員が守備に就き、審判が右手を挙げる。


「プレイボール!!」


運命のランク戦が、今、始まった。








【ソニックがーるず 
     スターティングラインナップ】

1番センター               八幡
2番ショート               駒田
3番セカンド              相沢
4番サード                  玉原
5番キャッチャー       井上
6番ファースト           聖川
7番 ライト                 船田
8番ピッチャー          湯浅
9番 レフト                ドロッセル












ワンボール、ツーストライク。



打者2人を抑えて、ランナー無し。



「絶好調!」



いつも通り、冷静に。


だが、






キィン!


金属バット特有の音を立てて、
白球はライト前へ。



「打たれちゃったか…」


「大丈夫だ、響子!次を抑えよう!」


「うん!」



響子は先日高貴から教わった
クイックモーションに切り替える。



球威は少し落ちるものの、
盗塁を防ぐことができる技。



良くこんなの思いついたな、となる所だが
今はバッターに集中する。







その初球を痛打された。




白球は弧を描いて左中間に落ち、
八幡は懸命に追いかけていく。







ボールが内野に返ってくる時には、
ランナーは2塁3塁へ到達していた。


「ど、どうしよう…」


「大丈夫だ響子!切り替えろ!」


「う、うん!」


そうだ、いつも通り、いつも通り…!











「ボールフォア!!」


「う、嘘…満塁…」


心臓が跳ね、汗が噴き出す。







疑心暗鬼が、心を蝕んでいくのが分かった。










「どうしよう…!私のせいでこんな…」


息は浅くなり、前を見るのが怖くなる。

















ふと、肩が暖かくなった。


「大丈夫だ。響子。」


高貴の手だった。


「え…?」


いつの間にか、タイムがかかっていたようだ。


内野のみんなが響子を囲んでいた。


「思いっきり投げていいのよ。」


眼鏡を直しながら、駒田は言う。


「で、でも…」


聖川が響子の右手を握って、


「打たれたら打ち返せばいい。
響子がいつも言っているではないか!」


井上がミットで口元を隠し、


「だ、大丈夫、ですよ。」


「ウチらが守ったるわ。ほな!」


内野は散っていく。


だが、自然と心臓の高鳴りは穏やかになっていた。


「…よし!」


意を決した一球。












甲高い音が鳴り響く。



3塁線、大きな体を懸命に伸ばし、
高貴がボールを掴み取っていた。











「アウトおお!」


その体を張ったプレーに観客が沸く。


高貴のファインプレーが、響子を救った。


「響子!」


響子は声のした方を見る。


そして高貴は、


「な?大丈夫だったろ?」


響子は笑顔を浮かべ、


「うん!」


拍手が止まない中、
ナインはベンチへと戻っていく。


響子は右肩に触れる。



そこにはまだ、高貴の残してくれた暖かさが残っていた。









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