がーるずベースボール!

近衞

3話⚾︎選手兼任監督⚾︎

 17時30分の夕焼け。



見ているだけで圧巻だ。
一句献上したくなる。



まあ、さっきソニックがーるずの
ミーティングがあって、とてもそんな気分じゃ無いんだが。













話は1時間前に遡る。


響子の呼びかけで教室に集められた
ソニックがーるずのメンバー。


聖川以外全員同じ学校の同級生だから、
30分足らずで集まった。





「で、何の用だ?響子。野菜の栽培があるから早く帰りたいんだが。」


「そこ!無駄話禁止!
えっとね、今年もランク戦に出ようと思うの。」





ランク戦。


日本、イギリスの2ヶ国で野球は国技として扱われている。



俺たち日本国の中では、
設立された野球チームは”ランク”を
与えられる。



ランクは上からS、A、B、Cと
分けられ、Sランクは王者の証とされる。



各ランク毎にトーナメントを行い、
優勝したチームは上のランクに上がり、

1番無様な負け方をしたチームは
ランクを下げられる。



そしてAランクの優勝チームは、
前年の覇者Sランクチームと闘う資格を得るのだ。



Aランク以上はランク戦に出るだけで月30万円の給金が出る。



Bランクはランク戦に勝利した場合給金が出る。



Cランクはアマチュアだ。給金は出ない。



ちなみに俺たちはCランク。



すなわち弱小だ。


まあ去年設立したチームだから仕方がない所はあるが。




「そもそも出れんのか?」



「何か問題あるの?」



「無えだろ、そんなもん」




口を挟んだのは、
チーム1の俊足である八幡絵里やはたえり



高校2年生でありながら
出るとこはでてひっこむとこはひっこむ。



さらに制服を着崩しているから、
男の俺には目のやり場に困る。



八幡は俺の視線に気づいて顔を赤くし、
胸の谷間を隠しながら、



「ど、どこ見てんだよ…馬鹿やろ…」



ヤハタェ、お前は純粋な乙女や。



「いいえ、頭の悪い貴女には分からないでしょうけど、問題はあるわ。貴女の服装のように。」


「ああ?なんだとてめえ!」



次に発言したのは、
ショートを守る
チームの風紀委員駒田春香こまだはるか



学業成績も優秀で、頭の良い女の子。



赤い髪をシュシュでポニーテールにして、
黒縁の眼鏡をしている。



制服を着崩すこともない真面目な性格だから、八幡とよくもめている。



「ほら、ミーティング中だよ。」



2人を仲裁するのは、
チーム1の強肩かつ常識人の
船田紗枝ふなださえ


黒髪を短く切りそろえたショートボブが特徴で、

個性的な仲間が多いチームをまとめる
冷静沈着なリーダー的存在だ。





「ほんま、仲がええなあ〜」


「良くない!」



関西弁のゆったりとした声を発したのは、
チームのクリーンナップを担う
相沢優あいざわゆう


猫目でマイペース。


でもバッターボックスに立てば
見事なバットコントロールで
ヒットを打つバッターだ。





後ろで引っ込み思案なキャッチャー、
井上優姫いのうえゆうきがオドオドしてる。


金髪碧眼と目立つ容姿だが、
本人は引っ込み思案なんだよなあ。





「ランク戦には、監督の存在が不可欠でス。」



ドロッセルが、その喧騒を押しのけるように口を開く。


長い茶髪が目を引く日本とイギリスのハーフの女の子。


普段は元気で活発な女子高生だが、
メリハリを付けられるいい性格をしてる。






「あ?どういうことだ?」


「ランク戦は、昨日の練習試合とは違って公式戦だ。」


「だから、監督の存在が必須という訳なのだ。」



聖川が更に、


「昨年はチーム設立直後で大目に見てもらえたが、さすがにもう言い訳出来なかろう」


「そうか、監督居ないんだったな。」


「そこで、みんなを呼んだの!」





響子に視線が集まる。



「なんや考えがあるんか〜〜?」


「どうする気なの?」



ふふん、と響子は俺を指差して、
























「高貴に、選手と監督をやって貰えばいいんだよ!」





「はあっ!?」










響子の発言に、俺は驚きを隠せない。



「選手兼任監督、ということかしら?」



「そう!高貴は私と理玖に野球を教えてくれたから、野球の事は良くわかるはずだよ!」



聖川は立ち上がり、

「盲点だった!だが賛成だ!
私は湯浅の意見を支持する!」




相沢は挙手し、

「うちも賛成や。昨日も試合の指示を玉原君が出しとったしなあ。」




ドロッセルは微笑みながら、

「私も賛成でス。」





睨み合っていた八幡と駒田が、

「ま、悪くねえな。」


「貴女と意見が合うなんて、明日は雪ね。」


「ああ!?」


「まあまあ!でも、私も賛成だなぁ。
その、玉原君なら納得するっていうか…」


矢継ぎ早に言われ、言い返せない。





「お前ら…」


「ダメ…かな?高貴?」


ぐっ…そんな上目遣いで俺を見るなぁっ…!






「こっ、玉原!」


こっ、玉原(二回目)。


顔をほんのりと赤くした聖川が、



「わ、私からも頼む!
私達の監督になって頂きたい!」


聖川は勢い良く頭を下げる。




「やめろ聖川!頭を上げてくれ!」


普段は凛としてる聖川が頭を下げるとは…


「な、ならば…やってくれるか…?」



お前も上目遣いをおお…!


「…はあ、分かったよ。」


もう、観念した。


こいつはこうなったら効かねえんだよな。


で、折れるのは俺だ。



「で、では!」


「俺は厳しいぞ。着いてこれるか?」


「もちろんだよ!ねえ、みんな!」


響子の言葉に、皆笑顔を浮かべる。



「よろしくなぁ〜〜監督〜〜」


「ああ、こちらこそだ。」


「よーし、みんな、明日から頑張ろう!」



「「「おおおーー!!!」」」










まあ、あいつらとする野球は楽しい。


それは、事実だからな。

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