元魔王の人間無双
人選
授業が始まる前の休み時間、オレは席に座っているとセレスが近づいてきた。
「ガゼル、競技何に出るか決めた?」
「ん?競技って何のことだ?」
オレは何のことかわからず訊き返した。
「え?昨日ルシル先生が言ってたよ。明日競技会の参加メンバーを決めるから出場競技を決めておくようにって。聞いてなかったの?」
オレは記憶を思い起こしてみるがそんな覚えはない。
というか、昨日真面目に授業を受けた記憶がない。
・・・多分寝てたな。
「呆れた。アンタよくそんなんで首席になれたわね」
オリビアが腕を組んで呆れ顔で近づいてくる。
「来週から魔法競技会が始まるのよ。国王様自ら観戦しにきて優勝した学校にはトロフィーを授与されるの。アンタも少しは気合入れなさいよね」
そう言って魔法競技会のパンフレットを見せられた。
それによると、大会は一年生だけの新人戦と何年生でも出場できる本戦とがあるようだ。
参加する学校は、オレが通っているディアフォード魔法学園の他にも四校出場するみたいで、競技のことも詳しく載っている。
飛び回るマトを破壊し、破壊した数で競うシュート・ブレイク。
動かないマトをお互い二十本自分の陣地に保有し、そのマトを守りながら相手のマトを破壊する対戦形式のパワー・ブレイク。
様々な障害物を乗り越えゴールを目指し、そのタイムを競うトライヤル・レース。
他にも変身魔法を使いその再現度を競う芸術部門の競技や模擬戦形式の実戦を想定した競技など様々だ。
オレはめんどくさそうなので早急に出場しないことを決める。
「オレは出場しないでおくよ」
オレがそう言うとセレスが驚く。
「えっ?ガゼル出ないの?君なら出場すれば優勝できると思うけど?」
「悪いけど興味がないんだ」
オレは普通に暮らしたいだけ、目立つことは避けたい。
大勢に見られる前で実力を披露するなんてやめておいたほうがいい。
注目されて何か面倒ごとに巻き込まれる未来が容易に想像できる。
先生が来て出場選手を決め始めてもオレは立候補しなかった。
今日の授業もすべて終わり、家に帰ろうと廊下を歩いていると、生徒会長キース・グランハルトを見つける。
こんな時は、オレが長年をかけて編み出した秘技『隠キャラ特性』を使おう。
顔を下に向け、気配を消してモブキャラになりきる。
通り過ぎようとすると、向こうから話しかけられる。
「よぉ。誰かと思えばガゼル・レイヴァルドじゃないか。丁度よかった、お前に話したいことがあったんだ」
秘技はあっさりと破られた。
げ、話しかけられた・・・。
それに話があるってなんだろう?面倒なことじゃなければいいけど・・・。
「お前、魔法競技会はどの競技に参加するか決めたか?」
余程大切な内容なようでキースの眼がオレの眼を見つめる。
だが、その手の話なら答えは決まっている。
「はい。出場しないことに決めましたけど・・・」
するとキースは驚きを露わにしてきた。
「お前ほどの実力があれば、優勝の一つや二つできるだろうに。今回は三連覇がかかった大事な大会だ。それでも出場しないのか?」
キースはオレに出場して欲しいようで、説得するようなことを言ってくる。
だが、オレの中で答えは決まっている。
「すいません、興味が無いので」
そう言うと、おれはさっさとこの場から去ること決めた。
「ガゼル、競技何に出るか決めた?」
「ん?競技って何のことだ?」
オレは何のことかわからず訊き返した。
「え?昨日ルシル先生が言ってたよ。明日競技会の参加メンバーを決めるから出場競技を決めておくようにって。聞いてなかったの?」
オレは記憶を思い起こしてみるがそんな覚えはない。
というか、昨日真面目に授業を受けた記憶がない。
・・・多分寝てたな。
「呆れた。アンタよくそんなんで首席になれたわね」
オリビアが腕を組んで呆れ顔で近づいてくる。
「来週から魔法競技会が始まるのよ。国王様自ら観戦しにきて優勝した学校にはトロフィーを授与されるの。アンタも少しは気合入れなさいよね」
そう言って魔法競技会のパンフレットを見せられた。
それによると、大会は一年生だけの新人戦と何年生でも出場できる本戦とがあるようだ。
参加する学校は、オレが通っているディアフォード魔法学園の他にも四校出場するみたいで、競技のことも詳しく載っている。
飛び回るマトを破壊し、破壊した数で競うシュート・ブレイク。
動かないマトをお互い二十本自分の陣地に保有し、そのマトを守りながら相手のマトを破壊する対戦形式のパワー・ブレイク。
様々な障害物を乗り越えゴールを目指し、そのタイムを競うトライヤル・レース。
他にも変身魔法を使いその再現度を競う芸術部門の競技や模擬戦形式の実戦を想定した競技など様々だ。
オレはめんどくさそうなので早急に出場しないことを決める。
「オレは出場しないでおくよ」
オレがそう言うとセレスが驚く。
「えっ?ガゼル出ないの?君なら出場すれば優勝できると思うけど?」
「悪いけど興味がないんだ」
オレは普通に暮らしたいだけ、目立つことは避けたい。
大勢に見られる前で実力を披露するなんてやめておいたほうがいい。
注目されて何か面倒ごとに巻き込まれる未来が容易に想像できる。
先生が来て出場選手を決め始めてもオレは立候補しなかった。
今日の授業もすべて終わり、家に帰ろうと廊下を歩いていると、生徒会長キース・グランハルトを見つける。
こんな時は、オレが長年をかけて編み出した秘技『隠キャラ特性』を使おう。
顔を下に向け、気配を消してモブキャラになりきる。
通り過ぎようとすると、向こうから話しかけられる。
「よぉ。誰かと思えばガゼル・レイヴァルドじゃないか。丁度よかった、お前に話したいことがあったんだ」
秘技はあっさりと破られた。
げ、話しかけられた・・・。
それに話があるってなんだろう?面倒なことじゃなければいいけど・・・。
「お前、魔法競技会はどの競技に参加するか決めたか?」
余程大切な内容なようでキースの眼がオレの眼を見つめる。
だが、その手の話なら答えは決まっている。
「はい。出場しないことに決めましたけど・・・」
するとキースは驚きを露わにしてきた。
「お前ほどの実力があれば、優勝の一つや二つできるだろうに。今回は三連覇がかかった大事な大会だ。それでも出場しないのか?」
キースはオレに出場して欲しいようで、説得するようなことを言ってくる。
だが、オレの中で答えは決まっている。
「すいません、興味が無いので」
そう言うと、おれはさっさとこの場から去ること決めた。
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