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懐しき80's

江戸川ばた散歩

時のないホテル/松任谷由実

ユーミンの個人的ベスト。全曲推し。
んでもって…… もの凄く死の匂いが強いアルバムどす……

1 セシルの週末
2 時のないホテル
3 Miss Lonely
4 雨に消えたジョガー
5 ためらい
6 よそゆき顔で
7 5cmの向う岸
8 コンパートメント
9 水の影

歌詞は歌詞なので相当ぼかしたり、推測ができたり、何とでも考える様に作ってあるんだとは思うんですが、それでも。
たとえば「ひこうき雲」が有名ではないですかー。彼女の曲でもろ死の匂いがするものって。

4.はその路線。「病気の名前はミエロジェーナス・ロイケミア」って骨髄性白血病のことらしく。まあ病名を検索できなかった時代でも、この歌詞の流れからすると「闘病してる友人が『もうすぐ一人でボートに乗る』/死ぬ」ということが何というか。で、この最後のギターと主旋律の流れがまたどうしようも無さみたいなものを感じさせるんだなー。

3.は「今でも遠い半島の国であの戦争は続くけど」ってのは深読みさせすぎる。だって「半島」と戦争が結びつくとこってのは結構ありまして。「人前で弾いたピアノ」をできるくらいのお家に育った女性で、「女王のたすきをかけて微笑む」が若い頃だったら、これはいつだ? となって、「半島」は何処だ? と考えてしまうんだよな。まあまずあそこが出てくるけど、そうでなくともベトナム(インドシナ半島)だったり、クリミアだったり、何とでも考えられる訳で。だからどの戦争かも曖昧なのもその辺りだろーし。この愛した人が戦争に行って戻ってこないのをずっと待ってる訳ですな。

タイトルチューンの2.は死、というよりは時間の狭間の中で生きてるか死んでるか不明な場所に閉じ込められてしまった、という感じだからまた何というか……

んで8.これがなー。本当の列車のコンパートメントなのかどうか不明という感じがあるんだよな。ともかく睡眠薬自殺の曲なんだわさ。重いぞー暗いぞー長いぞー……
これはもう「聴け」としか言えない重さどす。

さてじゃあ死とあまり関係なさげな曲だったとしても、もの凄くハッピーという感じではないんだよな。
1.はわがまま一杯だけど寂しかった少女が本当に愛してくれる人から結婚してくれと言われて変わった、という少女マンガ的なものだし。
7.は女の子のほうが5センチ背が高いということで結局別れてしまうという……当時っちゃ当時。やっぱりこの当時の少女マンガ的せつなさー。
まあでもいろんな曲があっても最後の9.で「諸行無常」で〆るというとこは凄いよなあ。
​​
んで。
ワタシがこのアルバムの中の曲で、一番風景と結びついているのが9.「水の影」なんですよ。
歌詞とはあまり関係無しに「水の影」という言葉がですね、中学の通学路を思い出すんですよ!
というのも、当時中学生のワタシは自転車通学だったのですが、その通学路は養鰻池のど真ん中にあったんですよ。
今は無いです…… ですが当時は本当に沢山ありまして、それが結構常に水車を回していたんですね。これが結構空の色をよく映していたんですよ。……でも基本的にあまり綺麗じゃありません(笑)。
ですが「明るめで静かな曇りの日」だけは凄く好きだったんですよ。揺れの少ない水面が白っぽく、向こう側の里山が青くぼんやり映って綺麗だったんですよ。たとえその奥にウナギが存在していようと!
そもそもそんな風に「明るい曇り」の日、時間帯に帰れることが…… 吹奏楽部では…… 少なかったんですがね……
だからこそ印象に残ってます。ついでにこの時期実に憂鬱だったし(笑)。



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