人生3周目の勇者

樫村 怜@人生3周目の勇者公開中!

第20話 魔王の生活

魔王城に魔王として転生して3日目の朝。
毎朝恒例のゲルダが部屋に来て、雌型クリーチャーに掃除をさせる。今朝は、その時の思いつきでゲルダとこの部屋で朝食を取る事にした。

昨晩は、昨日の散策時に見かけたビキニぐらいの生地しか着ていない5人組のメイド隊が部屋に来た。正直見かけた時から気になって仕方の無かった集団だ。

メイジ― (Maisie)気弱そうな色白の女の子。二本角。
マイラ  (Myra)褐色な肌の金髪ギャル、右に一本角。
モニーク (Monique)身長が高く、肌に赤みを持つ活発なオーガ。
メレディス(Meredith)低身長で目の下のクマが酷い闇が深そうなエルフ。
ミア   (Mia)黙ってると美人な脳内夢色の不思議ちゃん。

の5人組、グループ名は『MayM‘s(メイメイズ)』、アイドルユニットか。聞く所によると最初はただ仲の良い5人組だったそうだ、魔族にとって大切な名前もお互いに呼び合っているくらいだ、ちゃんとした信頼関係が無いと有り得ない事らしい。グレガリムが性に目覚めたあたりからビキニ型メイド服を常時着用する色物グループになったのだとか。たまらない。

「え、好きな事ですか?……魔王様……ですかね……」
「そんなこといーっすからwパコりましょ~?w」
「筋トレとセックスが大好きだ!!」
「私は……カエル……です……」
「ぷしゅー!ぽっぽっぽっ!ぴぴー!!☆」

それぞれの個性が強すぎる5人組。最初に声をかけて来たのはギャルそうなマイラだった。

「魔王さま~!今晩イッパツどっすか~!w」

「まじか!(ゲルダとリーナと3Pしたらしいが、記憶に無い不完全燃焼だったから)正直嬉しい!」

「あれ?なんか雰囲気変わったっすね!マジウケるw後で5人で行きますね~!よろしくっす~!っしゃー!!テン上げ⤴っすわ~!!!」

「5人……」

そんなつもりは無かったが部屋でしばらく待つと、ノックの音がした。

「どうぞ~」

「あ、あの。失礼します……」
「マジ連れてきたっすよ~!w」
「魔王様っ!たのもうっ!!」
「……」
「てってれり~☆」

五種五洋、そんな言葉は無いのだけど、それぞれがそれぞれの可愛らしさを持つ美人揃い。そしてあのビキニメイド服は誰がデザインしたのか。絶妙なエロ可愛さを兼ね備え、それぞれにちょっとづつ個性を活かした違いがあり、それがアクセントを生んでいる。絶対特注品だ。素晴らしいぞ。

「誰からヤります?それとも全員で一緒にパコっちゃいますか?w」

「あー……、とりあえずそうだな、名前をもらおうか」

「今更っすねwいいっすよ!ウチはマイラっす!」
「えと……メイジーです。すみません……」
「モニークだ!魔王様と夜を共に出来るのは感激だ!嬉しいぞ!」
「…………メレディス……です」
「ミャ~~~!!!☆」

「えと、じゃあ……それぞれの好きな事は?」

そんな感じで夜伽が始まった。

メイジ―は、羞恥心が強いのか自分の恥部を隠し続けるが、それでも行為に至る。純粋な愛情を秘めて求めるように身体を重ねたが、最後には性に身を任せ大胆に踊っていた。

「あ……いや……恥ずかしいです……あでも……んんっ///」

マイラは、終始積極的で、遊ぶようにエロスを貪っていた。相手の反応や自分の快楽をバランス良く舐り艶めく。

「あぁ~/// 魔王様……ん、なんかテク……上手くなったっすね!///」

モニークは、セックスをスポーツのように愉しむ。柔軟な身体を活かし様々な体位で性的な刺激と、筋肉の収縮する刺激を同時に耐え込み、赤みがかった肌を更に紅潮させながら、豪快なエクスタシーをくれる。

「ふっ、ふっ、ふっ、どうだ……ん、いいか?……私はたまらないぞ!」

メレディスは、依存したような愛撫を見せた。普段の大人しさや、闇を抱えた暗さを快楽で発散させに行くような破滅的、依存的なエロスでオーガズムする。見え隠れする能動的な愛撫に興奮を覚えた。

「…………んぁ……っちょ、そこ……あうう///」

ミアは、よく分かんなかったけどキモチヨカッタDEATH。

「チュッチュッチュ~☆い~っぱいぴゅっぴゅる~☆」


それぞれの前戯で1発づつ、本番で2発づつ、全員で同時に絡んで5発、一晩で計20回は果てた。

「っていう事があったんだ。……さすがにヤバく無いか?」

「ぼっちゃまならそんな特別な事では無いかと……。以前のぼっちゃまなら、あの子達全員が動けなくなってから、また別の者と入れ替え立て続けにまぐわってらしたので……」

朝食は藁で出来たバケットボックスに詰められた大量のパンと、グァーバードの卵を焼いたスクランブルエッグ、それとミルクティー。部屋にテーブルを用意してもらいゲルダと二人きりで食べる。

「オレはコイツが怖ろしいよ……。絶対、5歳児の所業じゃないよ……」

「他人事のように申されますね。それに、人間の歳の取り方と一緒に考えるのは心得違いにございます。長寿な種族の幼少期は短く、後に膨大な時間をかけて老いていくのでございます。」

「なんか……犬猫みたいな歳の取り方するんだな……じゃあオレは今、人間にしたら何歳なんだ?やけに身長が低いのだが……。」

「どうなのでしょう……ふふ、可愛らしいじゃありませんか。それに、年齢なんて今にどうだってよくなりますよ、永遠に近い寿命を気にした所で何にもなりはしませんから」

流石15000歳以上生きている悪魔だ。いや、待てよ

「そういえばゲルダとママさんは今いくつになるんだ?」

パンをちぎって口に入れ、ミルクティーと一緒に飲み込んでから、ほっと息をもらして口を開くゲルダ。動作がいちいち美しい。

「たしか……私が15318歳、お母様は15325歳にございます」

「待て……じゃあ歳の差は7歳ぽっちじゃないか!……って事はママさん、6歳で孕んで7歳で出産してないか⁉はっや!!…………おったまげたわ……。」

「そうなりますね、私とぼっちゃまは15313歳差の姉弟にございます」

そういって笑うゲルダ。

「そんな下の弟に抱かれるなんて……嫌悪感はないのか?」

「いえ、心から幸せにございますよ。……むしろこちらが少し遠慮してしまう話ではございますね」

「っはー……、あ、でもオレの記憶の年齢的には142歳だから……って比べても微々たるものか、そんな縮まらないわ……」

「ほら、年齢なんて気にしたところで何にもなりませんよ、ふふ。人間の常識や法律では、魔族を測る事は叶いませんでしょう」

楽しく自慢気に語るゲルダ。アルビンだった時は、というか人界ではエルフ等の長寿な種族の方が珍しい生物だったから、どこかオレは永年生きている優位さを感じていた。ここに居るとそれがなんとちっぽけな話だったんだと反省出来る。

「仰る通りですね……。でもでも、ゲルダとママさん以上に生きてる魔族って珍しいんじゃない?」

「そう……かも知れませんね。そう言った話は、お母様の方が詳しいかと思います……」

先程まで流暢だったのに、急にしおらしくなるゲルダ。

「どうした?」

「あ、いえ。その……これだけ長寿だという話をしておいてあれなのですが、私はその……友達付き合い、というのがあまり得意で無く……」

そうでした。ゲルダは15316年もの間、この素晴らしい美貌を持ちながらヴァージンを死守した聖女様だった。ミスった。

「なんだか……昨日デブラで記憶も無く抱いた事が、死刑に値する大罪に思えて来たよ……」

「……なんで今その話になるのでしょうか?」

「今晩はしっかり抱かせてくれ」

「……し……承知致しました」

ミルクティーの入ったカップを両手で持ち、飲むふりをして口赤面した顔を隠すゲルダ。その姿はまるで生娘じゃないか。本当に年齢なんかどうでもいい話なのだと、改めて理解した。

「……長寿云々よりも、魔族は力の有無が重要でございます!」

「そうだよな……」

結局、魔法は発動出来たものの副作用であるデブラの影響が凄まじく、このままだと使い物にならない。力も発揮できていないから、剣もアルビンの全盛期より劣ってしまう。力量、強さが絶対の魔王城で、これは実際にマズい状況なのだ。……少し考えれば分かる事だ、この体たらくで魔王の座についている事が他の者に知れたら、反旗をひるがえすだけでは済まない事になるだろう。なんとか早急に力を付けねば。

「すまないが、今日も稽古を頼みたい」

「もちろんでございます!」

何かゲルダは機嫌が良さそうだ。どんな状況か理解しているだろうに……。

朝食を済ませ、例の闘技場へ向かう。闘技場は、それなりに距離がある場所に造られたため、ゲルダに抱えられた超スピードで移動する。

だが、魔王城入り口のサルーン付近で、ゲルダが急に足を止めた。

「なんだっ!?……急にどうした?」

「すみません……、来ます。」

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