上京して一人暮らしを始めたら、毎日違う美少女が泊まりに来るようになった
入部
  翌朝、萌絵を送り出してから大学へと向かい、いつも通り授業を受け終えた。
外国語の授業を終えて、俺は綾香と一緒に、サッカーサークル『FC RED STAR』の活動に参加するため、活動場所である大学近くの中学校を訪れていた。
着替えを済ませて、しっかり準備運動を行ってから早速練習と行きたいところだったのだが、その前に太田さんに新一年生が呼び出される。
新一年生たちが、太田さんの前に集まると、厳かな口調で話し始めた。
「よし、今日で1年生の仮入部期間は終わりだ、来週からは正式にサークルに加入という形になる。今から渡す名簿に、名前と学部等書いてもらう。それで、今後の活動とか新一年生にやってもらいたい作業などについても説明するから、各自頭の中にしっかり叩き込んでくれ」
太田さんは一通り言いたいことを言い終えると、前列にいた人にペンと紙を渡した。どうやらそれが、入部届代わりの名簿らしく、一人一人自分の情報をペンで書いて、次の人に回していた。
一人ずつ回して書いている間に、太田さんが今後に活動内容や諸説明などを行う。その内容を、忘れないように、スマートフォンのメモ機能に箇条書きで残しておく。
しばらくして、ようやく俺たちのところへ紙が渡って来た。
紙を見ると、デカデカと入部届と書かれた一枚の書類で、学部・名前・電話番号を書く欄があり、そのマスに今まで書いた人の名前などが羅列していた。
「書こうか」
「うん」
隣にいた綾香に言ってから、俺達は氏名・学部・電話番号などを記入して、後ろの人へと回した。
こうして、新1年生の入部手続きを終えたところで、ようやく本日の活動が始まった。
先週までのお遊び形式のゲームとはまるで別で、パス練習から1対1の練習、クロスからシュートの練習など、体育会系さながらの本格的な練習が行われた。
新1年生たちは、先週までとの違いに戸惑いながらも、なんとか練習についていく。
俺はサッカー経験者だったこともあり、練習をそつなくこなしていたが、素人の綾香は何をどうすればいいのか分からず、見よう見まねで練習に参加していた。
時々ボールが回ってきてしまった時には、慌ててボールをどこか遠くの方へと蹴り飛ばしてしまったり、大きく空振りをしてしまい、頭を抱えていた。
だが、ミスをしても怒ったり怒鳴ったりしないのが、体育会系の部活と違う所で、綾香がミスしても、『ドンマイ綾香ちゃん!』、『あー! おっしぃー』などと、緩い空気で先輩たちが慰めてくれていた。
その練習で、ひときわ目立っていたのは、男子サッカー部さながらの動きを見せる愛梨さん。機敏な動きで、何度もパスを要求して、黙々と練習に励んでいた。
素人と経験者入り混じる基礎的な練習が終わり、全員が四チームに分けられて、今度は15分ハーフのお遊び試合が始まる。
俺のチームは二試合目だったので、一試合目の試合をコートの横で座りながら見ることにする。第一試合に出場している綾香の様子を眺めていると、横から声を掛けられた。
「どう、初の本格的な練習は?」
声の方向へ顔を見上げると、ピンクのタオルで掻いた汗を拭きながら、愛梨さんが話しかけてきた。
「いや、びっくりというか、いきなりすぎて戸惑いましたけど。まあ、部活みたいにシュート外して怒られたりはしなかったんで安心しました」
「あはは、それはサークルだからね。そんなんで怒ったりはしないよ」
笑いながら俺の隣に座ってきた。
「でも、本当にサッカー上手いですね愛梨さんは」
「ありがと。大地君もさっきの練習で決めたボレーシュート。カッコよかったよ」
「いえいえ、あれはまぐれですって」
苦笑いを浮かべながら手を振って謙遜する。
愛梨さんは白い練習着を身に纏い、練習着越しから大きな膨らみが強調されていて、さらにはうっすらとではあるが、ピンクのブラが透けていた。
俺は思わず頬を染めて顔を逸らした。
「ん、どうした?」
俺が顔を逸らしたのを見て、愛梨さんがキョトンと首をかしげて尋ねてくる。
「いや、そのぉ、ブラが……」
俺がおどおどしながら指摘すると、愛梨さんは自分の胸の辺りを確信した。普通なら顔を赤らめたりするところだが、愛梨さんはニコリと意地悪そうな笑みを浮かべて、俺の耳元へ顔を近づけてきた。
「大地くんのためのサービス……だったりして」
「なっ……!」
俺は口をパクパクと金魚みたいにしながら、愛梨さんへ顔を向けることしか出来ない。そんな愛梨さんの俺を試しているかのようなその笑みを見て、可愛らしいと感じてしまう。
「なんて、冗談冗談」
愛梨さんはケラケラと笑いながら、タオルで胸を隠した。
「じゃあ、私一回着替えてくるね」
立ちあがってウインクをしながら、愛梨さんは更衣室の方へ消えていった。
先週の帰り道、愛梨さんの噂の秘密を知った際。彼女に言われた一言が頭の中に浮かんだ。
『大地くんのことが特別だからよ』
どういう意味で特別なのか、愛梨さんは教えてくれなかった。言われた後、何度も自分で考えてみたが、具体的な答えはまだ出ていなかった。
愛梨さんが去っていった方をぼけぇっと見つめていると、俺の目の前に人の気配を感じた。
視線を上げると、綾香が頬をぷくっと膨らませながら腰に手を当てて仁王立ちして俺を見下ろしていた。
「大地君」
「お、おう綾香。お疲れさま」
愛梨さんとお話ししている間に第一試合が終わったらしい。
すると、綾香が頬を膨らませたまま口を開いた。
「随分と愛梨さんと仲良さげに話してたみたいだね」
「えっ? あぁ、いやっそれは……」
ブラが透けてるのを注意してあげただけなんだけど、愛梨さんが余裕ある感じで見せつけてきたから、変な雰囲気になっていただけであって……。
「別に、そんなことねぇよ」
俺が目を逸らして頭を掻きながら答えると、綾香は何も言わずに目を細めてじぃっと睨みつけてくる。
流石に居心地が悪くなったので、綾香の方へ顔を向けて、つっかえつっかえ声を出す。
「なっ……何?」
「別に、なんでもない」
綾香は、不貞腐れたように、ぷいっと視線を逸らしてしまう。
俺が首を傾げていると、綾香はすぐに再び顔を戻して声を上げる。
「大地くん」
綾香の透き通るような声に、先ほどまでとは違う雰囲気を感じた。
綾香は落ち着きなく、恥ずかしそうに頬を染めながら言ってきた。
「今日サークル終わったら、大地くんの家、泊まりに行ってもいいかな?」
「……へ?」
唐突な綾香の発言に、俺はもう一度聞き返す。
「今……なんて?」
「だっ、だからっ!」
綾香は恥じらいを堪えてもう一度言葉を口にする。
「今日大地君の家、泊まりに行ってもいい?」
どうやら、俺の聞き間違いではなかったようだ。
同時に、俺の頭が混乱する。
「へ!? ど、どうして急に」
「それは……そのぉ……」
途端に、綾香の顔が真っ赤に茹で上がり、俯いてしまう。
「いやっ、やっぱり言わなくていい」
俺は綾香の様子を見て、手で制止しながらそう口にした。
なんか、凄く嫌な予感がするから……。
一つ息をついて、次に言う言葉を考えていると、先に綾香が口を開いた。
「ダメ……かな?」
綾香はここぞとばかりに顔を少し上げて、上目づかいで尋ねてくる。
こんな透明感あふれる美少女に、そんな甘えるような仕草で言われてしまったら、俺は首を縦振ることしか出来ない。
「わかった……いいよ」
甘酸っぱくて、むずかゆいような雰囲気が俺たちの間に流れる。
その沈黙を破るように、愛梨さんが戻ってきて声を掛けてきた。
「おっ待たせー大地君! 試合行こう!」
「あっ、はい」
陽気な愛梨さんに生返事を返して、俺は綾香の方へ顔を向ける。
「いってらっしゃい」
ニコっと微笑んだ綾香は、どこか嬉しそうな様子で手を振って、俺を試合に送り出してくれるのであった。
外国語の授業を終えて、俺は綾香と一緒に、サッカーサークル『FC RED STAR』の活動に参加するため、活動場所である大学近くの中学校を訪れていた。
着替えを済ませて、しっかり準備運動を行ってから早速練習と行きたいところだったのだが、その前に太田さんに新一年生が呼び出される。
新一年生たちが、太田さんの前に集まると、厳かな口調で話し始めた。
「よし、今日で1年生の仮入部期間は終わりだ、来週からは正式にサークルに加入という形になる。今から渡す名簿に、名前と学部等書いてもらう。それで、今後の活動とか新一年生にやってもらいたい作業などについても説明するから、各自頭の中にしっかり叩き込んでくれ」
太田さんは一通り言いたいことを言い終えると、前列にいた人にペンと紙を渡した。どうやらそれが、入部届代わりの名簿らしく、一人一人自分の情報をペンで書いて、次の人に回していた。
一人ずつ回して書いている間に、太田さんが今後に活動内容や諸説明などを行う。その内容を、忘れないように、スマートフォンのメモ機能に箇条書きで残しておく。
しばらくして、ようやく俺たちのところへ紙が渡って来た。
紙を見ると、デカデカと入部届と書かれた一枚の書類で、学部・名前・電話番号を書く欄があり、そのマスに今まで書いた人の名前などが羅列していた。
「書こうか」
「うん」
隣にいた綾香に言ってから、俺達は氏名・学部・電話番号などを記入して、後ろの人へと回した。
こうして、新1年生の入部手続きを終えたところで、ようやく本日の活動が始まった。
先週までのお遊び形式のゲームとはまるで別で、パス練習から1対1の練習、クロスからシュートの練習など、体育会系さながらの本格的な練習が行われた。
新1年生たちは、先週までとの違いに戸惑いながらも、なんとか練習についていく。
俺はサッカー経験者だったこともあり、練習をそつなくこなしていたが、素人の綾香は何をどうすればいいのか分からず、見よう見まねで練習に参加していた。
時々ボールが回ってきてしまった時には、慌ててボールをどこか遠くの方へと蹴り飛ばしてしまったり、大きく空振りをしてしまい、頭を抱えていた。
だが、ミスをしても怒ったり怒鳴ったりしないのが、体育会系の部活と違う所で、綾香がミスしても、『ドンマイ綾香ちゃん!』、『あー! おっしぃー』などと、緩い空気で先輩たちが慰めてくれていた。
その練習で、ひときわ目立っていたのは、男子サッカー部さながらの動きを見せる愛梨さん。機敏な動きで、何度もパスを要求して、黙々と練習に励んでいた。
素人と経験者入り混じる基礎的な練習が終わり、全員が四チームに分けられて、今度は15分ハーフのお遊び試合が始まる。
俺のチームは二試合目だったので、一試合目の試合をコートの横で座りながら見ることにする。第一試合に出場している綾香の様子を眺めていると、横から声を掛けられた。
「どう、初の本格的な練習は?」
声の方向へ顔を見上げると、ピンクのタオルで掻いた汗を拭きながら、愛梨さんが話しかけてきた。
「いや、びっくりというか、いきなりすぎて戸惑いましたけど。まあ、部活みたいにシュート外して怒られたりはしなかったんで安心しました」
「あはは、それはサークルだからね。そんなんで怒ったりはしないよ」
笑いながら俺の隣に座ってきた。
「でも、本当にサッカー上手いですね愛梨さんは」
「ありがと。大地君もさっきの練習で決めたボレーシュート。カッコよかったよ」
「いえいえ、あれはまぐれですって」
苦笑いを浮かべながら手を振って謙遜する。
愛梨さんは白い練習着を身に纏い、練習着越しから大きな膨らみが強調されていて、さらにはうっすらとではあるが、ピンクのブラが透けていた。
俺は思わず頬を染めて顔を逸らした。
「ん、どうした?」
俺が顔を逸らしたのを見て、愛梨さんがキョトンと首をかしげて尋ねてくる。
「いや、そのぉ、ブラが……」
俺がおどおどしながら指摘すると、愛梨さんは自分の胸の辺りを確信した。普通なら顔を赤らめたりするところだが、愛梨さんはニコリと意地悪そうな笑みを浮かべて、俺の耳元へ顔を近づけてきた。
「大地くんのためのサービス……だったりして」
「なっ……!」
俺は口をパクパクと金魚みたいにしながら、愛梨さんへ顔を向けることしか出来ない。そんな愛梨さんの俺を試しているかのようなその笑みを見て、可愛らしいと感じてしまう。
「なんて、冗談冗談」
愛梨さんはケラケラと笑いながら、タオルで胸を隠した。
「じゃあ、私一回着替えてくるね」
立ちあがってウインクをしながら、愛梨さんは更衣室の方へ消えていった。
先週の帰り道、愛梨さんの噂の秘密を知った際。彼女に言われた一言が頭の中に浮かんだ。
『大地くんのことが特別だからよ』
どういう意味で特別なのか、愛梨さんは教えてくれなかった。言われた後、何度も自分で考えてみたが、具体的な答えはまだ出ていなかった。
愛梨さんが去っていった方をぼけぇっと見つめていると、俺の目の前に人の気配を感じた。
視線を上げると、綾香が頬をぷくっと膨らませながら腰に手を当てて仁王立ちして俺を見下ろしていた。
「大地君」
「お、おう綾香。お疲れさま」
愛梨さんとお話ししている間に第一試合が終わったらしい。
すると、綾香が頬を膨らませたまま口を開いた。
「随分と愛梨さんと仲良さげに話してたみたいだね」
「えっ? あぁ、いやっそれは……」
ブラが透けてるのを注意してあげただけなんだけど、愛梨さんが余裕ある感じで見せつけてきたから、変な雰囲気になっていただけであって……。
「別に、そんなことねぇよ」
俺が目を逸らして頭を掻きながら答えると、綾香は何も言わずに目を細めてじぃっと睨みつけてくる。
流石に居心地が悪くなったので、綾香の方へ顔を向けて、つっかえつっかえ声を出す。
「なっ……何?」
「別に、なんでもない」
綾香は、不貞腐れたように、ぷいっと視線を逸らしてしまう。
俺が首を傾げていると、綾香はすぐに再び顔を戻して声を上げる。
「大地くん」
綾香の透き通るような声に、先ほどまでとは違う雰囲気を感じた。
綾香は落ち着きなく、恥ずかしそうに頬を染めながら言ってきた。
「今日サークル終わったら、大地くんの家、泊まりに行ってもいいかな?」
「……へ?」
唐突な綾香の発言に、俺はもう一度聞き返す。
「今……なんて?」
「だっ、だからっ!」
綾香は恥じらいを堪えてもう一度言葉を口にする。
「今日大地君の家、泊まりに行ってもいい?」
どうやら、俺の聞き間違いではなかったようだ。
同時に、俺の頭が混乱する。
「へ!? ど、どうして急に」
「それは……そのぉ……」
途端に、綾香の顔が真っ赤に茹で上がり、俯いてしまう。
「いやっ、やっぱり言わなくていい」
俺は綾香の様子を見て、手で制止しながらそう口にした。
なんか、凄く嫌な予感がするから……。
一つ息をついて、次に言う言葉を考えていると、先に綾香が口を開いた。
「ダメ……かな?」
綾香はここぞとばかりに顔を少し上げて、上目づかいで尋ねてくる。
こんな透明感あふれる美少女に、そんな甘えるような仕草で言われてしまったら、俺は首を縦振ることしか出来ない。
「わかった……いいよ」
甘酸っぱくて、むずかゆいような雰囲気が俺たちの間に流れる。
その沈黙を破るように、愛梨さんが戻ってきて声を掛けてきた。
「おっ待たせー大地君! 試合行こう!」
「あっ、はい」
陽気な愛梨さんに生返事を返して、俺は綾香の方へ顔を向ける。
「いってらっしゃい」
ニコっと微笑んだ綾香は、どこか嬉しそうな様子で手を振って、俺を試合に送り出してくれるのであった。
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