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合同籠球マネージャー

さばりん

第82話 試合終了

ボールがラインを割ったところで航一がコートへと入った。
航一はどこか今までよりも力を抜けたような穏やかな表情の気がした。
その様子をみたコートの中の選手たちがほっとしたようなにこやかな表情を浮かべていた。

「さぁ!ここからだ!川見の底力見せつけるぞ!」
「おう!」

高橋先輩がそう声を掛けると、一気にコートの選手たちの怒気が高まった。
53-64、9点差からの大反撃が始まろうとしていた。





ここからの航一のプレーは圧巻だった。
相手のマークマンも危なげなくドリブルで振り切って、ゴール前に侵入していく。
ヘルプに来た相手選手も見事なターンで交わしてシュートを放っていく。相手が一気に3人航一についてきたときには、シュートに持っていくと思わせて、ノーマークの高橋先輩や国吉君にパスを出してチャンスを演出していく。

しかし、相手も引けを取ることなくオフェンスを成功させてくる。
航一ほどの実力者はいないものの全員が手を抜かないハードワークで川見ディフェンスを剥がして得点を奪っていった。





残り時間1分でスコアは72対75の3点差。
ここで落葉の選手がシュートを放った。
ボールは綺麗にリングの中へ吸い込まれ、72対77の5点差に広がる。

「ラスト1分!」

梨世(りよ)の声がコートに響く
観客席では倉田や渡辺をはじめ、静を含む城鶴高校バスケ部員たちも固唾を飲んで試合を見つめていた。

高橋先輩が急いで相手陣内へとボールを運んでいく。
落葉のメンバーは川見の攻撃をなんとか阻止するべく、自陣に5人全員が戻り、ゴール前を固めていた。
そんな中で行われた川見の攻撃、高橋先輩は航一へとパスを回した。
残り時間50秒、ここで落葉ディフェンスが航一にダブルチームを仕掛け勝負に出てきた。
すると、トップの位置にいた国吉君がフェイントを入れてマークマンを外した。

「先輩!」

国吉君は航一に大きな声を出してパスを要求する。
航一は国吉君を確認すると、相手を何とか振り切ってパスを出した。

航一からのパスを国吉君は角度右45度のスリーポイントラインの位置でパスを受けた、ノーマークだ。
第4クォータ残り時間40秒、スコアは72対77の5点差、逆転するためには絶対に外せない重要なシュート、緊張な顔つきながら国吉君は丁寧にスリーポイントシュートを放った。
きれいなフォームで放たれたシュートは、見事な放物線を描きながらリングへ一直線に向かっていった。

「決まれ!」

手を合わせながら俺は心の中でそう願った。
しかし、ボールは無情にもリングに跳ね返り、外れた。

「あ…」

空気をただ吐いただけとも、言葉を発したとも何とも言えないような声を出してしまう。
リングから跳ね返ったボールを落葉の選手がリバウンドで見事に回収してそのまま速攻へと移る。
必死に川見の選手たちが戻ろうとしたが、時すでに遅しだった。

一気に前線に走っていた落葉の選手にリバウンドをした選手が一気にゴール前へパスを出すと、そのパスを受け取った選手が落ち着いてレイアップシュートを決めて、試合を決定づけた。

試合はそのまま72対79でタイムアップ。川見高校男子バスケットボール部の初のインターハイ挑戦は、初戦敗退で幕を閉じたのであった。

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