合同籠球マネージャー
第77話 成長と虚しさ
この後、川見高校と落葉高校は一進一退の攻防を続けた。
川見が得点を決めれば、落葉も得点を返し、落葉が川見の攻撃を防げば、今度は川見が落葉の攻撃を防ぎ、得点差は4点差と6点差を行き来する形で第二クォーター残り1分30秒、スコア32対36という場面で落葉高校の攻撃を迎えていた。
ここで相沢さんが仕掛けた。
「2番!」
2番とコートの中に大きく指示を出すと。選手たちが手を2の数字にして全員に共有し、陣形をマンツーマンからゾーンへと変更した。
「ゾーン!ゾーン!」
相手チームもゾーンディフェンスをしてきたことに気が付き。オフェンスのフォーメーションをゾーン専用の配置に変えた。
ゴール前を固めるゾーンディフェンスを行っているため、落葉はスリーポイントの外でパスを左右に回し、中へパスを出すタイミングを計っていた。
しかし、24秒オーバータイムが近づいてきたため、航一がボールを持っている選手に一気に詰め寄り、シュートを打たせないようにプレッシャーを掛けた。
相手選手はパスをしようと必死に抵抗するが、時間は刻一刻と過ぎていく、ブザーが鳴る直前にジャンプしてボールを適当にゴールへと投げ入れた。
ボールは無情にもリングに当たる前に落ち、筒香先輩がキャッチする。
「速攻!」
ボールを取った瞬間、高橋先輩が筒香先輩からボールを手渡しでもらう。
既に国吉くんと航一が走りだしていた。
高橋先輩はチェックに来た相手選手をドリブルで一人かわしてロングパスを出した。
直線的な鋭いパスを航一がしっかりとキャッチしてドリブルを開始する。
ゴール前には、戻った相手選手2人が待ち構えていた。
航一は躊躇することなく、二人が待ち構えるゴール前へ突っ込んだ。
「いけ!」
思わず俺は航一にそう叫んでいた。
航一は踏み込んだ後、思い切りジャンプした。それに合わせ、相手も同時にジャンプをして航一のシュートをブロックしようと立ちはだかる。
すると、航一はボールを上に挙げると見せかけて、スっと右手で持ちながら体の遠心力を使い左方向へとパスを送った。
航一がパスを出した先にいたのは、左サイド0度のスリーポイントラインの位置に待ちかまえていた国吉君だった。
国吉君は航一からのパスを受け取ると、一つ間を置いて落ち着いてノーマークのスリーポイントシュートを放つ。
シュートは見事スポっとリングに吸い込まれスコア35対36となり、ようやく試合の均衡が破れた。
「よっしゃ!」
相沢さんは、仕掛けが見事に成功してガッツポーヅをしていた。
「…」
俺は航一の成長を感じていた。いつもならば、あの場面でも自分で無理やりにでも突っ込んで決めきる航一が後輩の国吉くんへのパスを選択した。俺が現役の時にはなかったプレーだった。
改めてそこで、俺がいなくなった様変わりしたようなチームの光景を目にして少し虚しい気持になってしまう自分がいたのを感じだ。
結局この得点が第二クォーター最後の得点となり、スコア35対36で前半を終了した。
川見が得点を決めれば、落葉も得点を返し、落葉が川見の攻撃を防げば、今度は川見が落葉の攻撃を防ぎ、得点差は4点差と6点差を行き来する形で第二クォーター残り1分30秒、スコア32対36という場面で落葉高校の攻撃を迎えていた。
ここで相沢さんが仕掛けた。
「2番!」
2番とコートの中に大きく指示を出すと。選手たちが手を2の数字にして全員に共有し、陣形をマンツーマンからゾーンへと変更した。
「ゾーン!ゾーン!」
相手チームもゾーンディフェンスをしてきたことに気が付き。オフェンスのフォーメーションをゾーン専用の配置に変えた。
ゴール前を固めるゾーンディフェンスを行っているため、落葉はスリーポイントの外でパスを左右に回し、中へパスを出すタイミングを計っていた。
しかし、24秒オーバータイムが近づいてきたため、航一がボールを持っている選手に一気に詰め寄り、シュートを打たせないようにプレッシャーを掛けた。
相手選手はパスをしようと必死に抵抗するが、時間は刻一刻と過ぎていく、ブザーが鳴る直前にジャンプしてボールを適当にゴールへと投げ入れた。
ボールは無情にもリングに当たる前に落ち、筒香先輩がキャッチする。
「速攻!」
ボールを取った瞬間、高橋先輩が筒香先輩からボールを手渡しでもらう。
既に国吉くんと航一が走りだしていた。
高橋先輩はチェックに来た相手選手をドリブルで一人かわしてロングパスを出した。
直線的な鋭いパスを航一がしっかりとキャッチしてドリブルを開始する。
ゴール前には、戻った相手選手2人が待ち構えていた。
航一は躊躇することなく、二人が待ち構えるゴール前へ突っ込んだ。
「いけ!」
思わず俺は航一にそう叫んでいた。
航一は踏み込んだ後、思い切りジャンプした。それに合わせ、相手も同時にジャンプをして航一のシュートをブロックしようと立ちはだかる。
すると、航一はボールを上に挙げると見せかけて、スっと右手で持ちながら体の遠心力を使い左方向へとパスを送った。
航一がパスを出した先にいたのは、左サイド0度のスリーポイントラインの位置に待ちかまえていた国吉君だった。
国吉君は航一からのパスを受け取ると、一つ間を置いて落ち着いてノーマークのスリーポイントシュートを放つ。
シュートは見事スポっとリングに吸い込まれスコア35対36となり、ようやく試合の均衡が破れた。
「よっしゃ!」
相沢さんは、仕掛けが見事に成功してガッツポーヅをしていた。
「…」
俺は航一の成長を感じていた。いつもならば、あの場面でも自分で無理やりにでも突っ込んで決めきる航一が後輩の国吉くんへのパスを選択した。俺が現役の時にはなかったプレーだった。
改めてそこで、俺がいなくなった様変わりしたようなチームの光景を目にして少し虚しい気持になってしまう自分がいたのを感じだ。
結局この得点が第二クォーター最後の得点となり、スコア35対36で前半を終了した。
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